浅草の勘三郎: 夢は叶う、平成中村座の軌跡

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著者 : 荒井修
  • 小学館 (2015年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093884150

浅草の勘三郎: 夢は叶う、平成中村座の軌跡の感想・レビュー・書評

  • とても読みやすい文章。
    落語や歌舞伎をこよなく愛してる作者は、18代中村勘三郎の初舞台から観ている。
    扇職人として歌舞伎役者たちと深い繋がりがあり、勘三郎とも深い信頼関係があったのだろう。平成中村座を立ち上げる原動力となり、ニューヨーク公演の成功に貢献、還暦の演目まで二人で決めていたのに、その夢を果たせず見送ることになり、勘九郎、七之助の成長を見守り、七緒八の将来にまで夢を馳せるその気持ちが、とても良く伝わってきて、心地好い。
    中村屋贔屓でなくても、浅草を愛し、江戸を守り、文化を継承していこうとする江戸っ子気質に触れられる一冊だと思う。

  • 舞扇の老舗「荒井文扇堂」主人・荒井修氏が書いた、十八代目・中村勘三郎との交友録。
    ちょうど図書館で本作を借りて読み始めたところ、荒井氏の訃報を知り、驚いた。
    この貴重なエピソードの数々を世に残してくれたことは、本当に有り難いことだ。
    本書を読むと、平成中村座の成功には、浅草の協力が欠かせなかったこと、浅草観光連盟副会長でもあったご主人が、中村屋と浅草との橋渡し役であったことが伺える。
    努力家の天才・中村屋は、いつでも大きな夢を持っていて、なぜだか、その周りには彼の夢の実現に一緒に奔走してくれる、素晴らしい才能を持った仲間が集まってくる。この求心力は、どこから生まれるのかと考えると、やはり中村屋の人柄によるところが大きいのだと思う。

    本書にはこんなエピソードが紹介されている。
    文扇堂が雷門店をオープンした日、雪が降ってしまい、開店祝なのにお客が来ず、荒井氏が落ち込んでいたところに、中村屋からの電話。
    「僕、歌を詠んだんだ」
    雪の朝 扇の店の 新たなる 客も積もりて 末は広がる

    雪が降ったっていいじゃない!というこの前向きな歌に、荒井氏は、
    「それまでストーブでも暖まりきれなかった店のなかがほんわかした」
    と書いている。
    みんながハッピーになれる魔法のような力が、中村屋にはあった。

  • 勘三郎を盛り立て、浅草を盛り立てる熱き男の物語。浅草文扇堂 四代目 から見た 十八代目中村勘三郎のすごさが随所に。
    街づくりは人づくり、とはこのこと。

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浅草の勘三郎: 夢は叶う、平成中村座の軌跡の作品紹介

浅草扇子屋が語る中村勘三郎との交友40年

2015年4月1日、3年ぶりに「平成中村座」が浅草に帰ってくる!
三回忌を迎えた故・十八代目中村勘三郎丈の「江戸時代の芝居小屋を浅草に復活する」という夢を支え、実現までともにかけぬけた著者との40年に渡る心温まる交友録。ファン垂涎の初出写真も多数掲載、浅草の名跡も紹介され観光にも役立つ本だ。
著者の荒井修氏は、老舗扇子店「文扇堂」四代目当主にして歌舞伎役者や落語家に多くの贔屓をもつ扇子職人。勘三郎丈本葬の朝、遺骨は勘九郎・七之助兄弟に抱かれ浅草・隅田公園にて盛大な仲見世御輿(みこし)に見送られた。その陣頭指揮をとっていたのが荒井氏その人だ。
この最期の別れの朝をプロローグに、二人の出会いにさかのぼり、江戸時代にあった芝居小屋を浅草に再現し大成功をおさめた「平成中村座」の軌跡を綴る。十二代目市川團十郎丈、十代目坂東三津五郎丈など、亡き名優とのエピソードも満載。
まるで江戸歌舞伎の歴史のページをめくるかのような感覚で、読み終えると勘三郎丈の芝居にかける情熱、それを支える浅草の人たちの人情が、心にしみわたる感動の一冊。

【編集担当からのおすすめ情報】
表紙の絵は著者・荒井修さんが描いた勘三郎丈の眼。
好江夫人からの依頼で、三回忌の記念品として特別に扇子に仕立てられたものです。
また掲載した写真の多くは、地元浅草のみなさんが撮影し提供してくださったもの。
歌舞伎への愛と江戸文化の粋がギュッとつまった「宝物」のような本が出来上がりました。

浅草の勘三郎: 夢は叶う、平成中村座の軌跡はこんな本です

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