少年の名はジルベール

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著者 : 竹宮惠子
  • 小学館 (2016年1月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093884358

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少年の名はジルベールの感想・レビュー・書評

  • 24年組ファンとしては神様ばかりが登場する眩しさで目が潰れんほどの才能咲き乱れる現場のお話で、ありがた過ぎて泣きながら一気に読んでしまった。

    増山法恵になりた過ぎる。(正直な告白)
    私はこういう人間になりたかったのよ。
    中途半端なただの漫画好きにしかなれなかったけど。


    増山さんの存在感が半端ない。竹宮さんが彼女に出会い飛躍的に世界を広げていく様子や、打てば響くやまないおしゃべり、ジルベールを見つけた夜に電話で次々に話を創り上げていく場面、高揚感と興奮がよく伝わってきた。

    当時はまだまだ男社会で少女漫画も産まれたてで表現の規制もあって、という中で女性作家達は自分達の自由な権利を獲得すべく奮闘していくわけだけど、その反面こんなはねっかえりの娘におじさん達は随分と優しいんだなぁと思ったりした(笑)女がどうとかは置いておいて、才能に対しては敬意と矜持を持って仕事をされてたんだろうな、とYさんの話なんかを読んで思ったりした。

    『風と木の歌』の連載を勝ち取るためにアンケート1位を取る、という話は他のインタビューで読んでいたけれど、それまでの制作過程にこれほど増山さんが深く関わっていたとは知らなかった。

    リアルタイムの読者ではないので『風と木の歌』の完成度の高さが作者の印象になっているけど、そこに至るまでの手探りの葛藤ぶりにまた別の感動を覚えた。

    受け手と創り手で作品を鑑賞するポイントが全く違う、という話も大変具体的で興味深い。
    ヨーロッパ旅行の増山さんには特にシンパシーを感じた。

    そしてやはり萩尾望都は別格なのだなぁと。
    萩尾先生に対する感情がとても率直に述べられていて涙腺に来たけど、大きな才能の近くにいることの幸せと焦燥はほんとに凡人が想像するよりキツいものなんだろう。

    アンケート1位を取るぞ!の下りはまさにバクマン。圧倒的才能(萩尾望都)を前に挑む竹宮さんと増山さん。
    増山さんも凄いよな。美の信奉者で、確かな審美眼を持っていて目の前には煌めく才能が溢れてるわけで、自分も、という業はあったと思う。少女漫画に革命を起こすという強い志を持っていたとしても、端から見ても自分としてもよく分かんないポジションで自分を定義してくれるものがない状況で自らの全てを竹宮さんの作品に捧げるって、言うのは簡単だけど、誰にでも出来ることじゃない。
    そして増山さんには実際捧げるだけの潤沢な中身があった。
    その結果としての作品を享受することの出来た私は本当にありがとうございますとしか言いようがない。

  • うーん、そうだったのか…。少女マンガのオールドファンとしては、複雑な感慨に浸らされることがいくつも書かれている。

    その一。「大泉サロン」の実態がそんなボロ家だったとは。赤裸々に書かれる暮らしぶりに驚いた。みなさん若かったのだなあ。

    その二。萩尾望都先生に対する思いが、そこまで書くの?と思うほど率直に綴られていて、ちょっととまどう。そのずば抜けた才能に打ちのめされ、近くにいることで心のバランスを崩すほどだったとか。表現者というのは厳しいものだなあとあらためて思う。

    その三。「風と木の詩」が世に出るまでに、これほどの壁があったのか。少女マンガが多様な表現の場として花開くには、多くの人の苦闘があったのだと思い知らされる。ただただ楽しく百花繚乱の作品を享受していたあの頃の読者は、幸せものだったんだなあ。

  • 萩尾先生の作品は網羅しているつもりだが、竹宮先生は「風と木の詩」と「地球へ…」しか持っていない。
    きっとそれで充分なのだ。そして稲垣足穂を読んでいないワタシはきっとモグリだ。

  • 少女漫画の世界に「少年愛」を持ち込んだ革命児・竹宮惠子先生の自伝。プロの漫画家として上京してから「風と木の詩」の連載が始まるまでの7~8年の出来事が詳細につづられている。短期間ではあるが大泉で同居した彼女の最大のライバル・萩尾望都先生や、彼女のプロデューサー的な存在であり戦友(?)でもあった増山法恵氏との出会い、この3名に山岸凉子先生を加えた4人で出かけた40日間のヨーロッパ旅行、そしてジルベールと風木の設定が出来上がった深夜の8時間の電話などを活写している点は、今後、少女漫画の歴史を紐解く上で重要な参考文献となるであろう。

  •  話では聞いていた大泉サロンのことと竹宮恵子さんのまんが道についてたっぷり語られている。萩尾望都さんを強烈に意識していて、自己評価が萩尾さんが10だとすると、ご自身が2くらいの圧倒的な大差で、同居していてつらそうであった。漫画での表現がうまくコントロールできるようになるのがデビューして大分たってからの長編漫画であったという。オレも同じ漫画家として意識の違いなのか、そんなことは気にしたことがない。確かに、手に余る表現には挑戦したことがなく、それが大ヒット作を生み出す週刊連載漫画家としてのあり方であったのかと、もっと早く知りたかった。少女マンガに革命を起こすと意気込んでいるところもすごい。オレも童貞漫画に革命は起こしたかもしれないが、漫画業界の片隅でサバイバルすることで精一杯だ。

     お友達の増田さんの存在も非常に大きく竹宮さんの作品や少女マンガそのものに影響を与えているようだった。

     『風と木の詩』は読んでいたような気でいたが、読んでいなかったのでこの機会に読んでみたい。

     すごい本だった。

  • 風と木の詩が大好きなので、読まずにはいられなかった。

  • ジャケ買いしました。だって、表紙があのジルベールなのだもぉぉ。と、
    少女漫画に興味のない人にはまったく分からないよね。

    男の子同士の愛情をテーマにした「ボーイズラブ」もひとつのジャンルと
    して今では市民権(?)を得た感がある。しかし、1970年代となると今と
    まったく様相が違う。

    そんな時代に少年同士の愛情を描いたのが竹宮恵子の漫画『風と木の
    詩』という作品だ。主人公の少年の名はジルベール。

    本書は竹宮恵子が漫画家としてデビューして、上京し、編集者の反対に
    遭いながらも7年の歳月をかけて『風と木の詩』を世に出すまでの半生
    を記した作品である。

    正直に言えば竹宮作品はあまり読んでいない。勿論、漫画は好きで読ん
    ではいたが私が主に読んでいた漫画雑誌は「プリンセス」であり、「花と
    ゆめ」であり、「ララ」だた。

    それでも竹宮恵子とほぼ同期の萩尾望都作品は単行本でほぼ読んでい
    た。どちらかと言えば萩尾作品の方が好みなんだな。「マッチ一本火事の
    元、ポーの一族萩尾望都」ってのは『パタリロ!』にあったギャグだったか。

    しかし、『風と木の詩』は別格。森茉莉『枯葉の寝床』なんて小説をコソコソ
    と読んでいた身にとっては「こんな漫画が読みたかったんだよ~」って感じ。

    本書の読みどころは『風と木の詩』の連絡にこぎつけるまでなのかもしれ
    ないが、それよりも興味深かったのは「大泉サロン」とそこで同居していた
    萩尾望都に対する著者の複雑な感情だ。

    男性漫画家が集った「ときわ荘」のような場所を、少女漫画たちで作ろうと
    した「サロン」の名称とは程遠いボロ屋。建物はボロでも夢はいっぱいに
    詰まった場所だった。山岸涼子や坂田靖子も、この「大泉サロン」を訪れ
    ていたんだね、共に私が好きな漫画家だけれど。

    でも「ときわ荘」のようには続かなかった。「大泉サロン」は僅か2年ほどで
    解散した。スランプに陥った竹宮恵子とは対照的に、マイペースで作品を
    発表していく萩尾望都に向けられる竹宮の複雑な感情が結構正直に
    書かれている。

    多分、この時のふたりの状況が今に繋がっているんじゃないのだろうか。
    竹宮恵子は既に描かなくなってしまったけれど、萩尾望都は今でも作品
    を発表しているもの。

    竹宮恵子、萩尾望都。このふたりを含めて後に「24年組」と呼ばれるように
    なる少女漫画家たちは、それまでの砂糖菓子のような少女漫画の概念
    を打ち破った存在なんだよね。あ、青池保子も24年組か。この人の作品
    も好きだわ、私は。

    それにしても増山法恵。この方、「大泉サロン」」の発案者で竹宮恵子の
    プロデューサー的存在だったのだが、「のりす・はーぜ」名義で『風と木の
    詩』のその後を小説にしているんだよね。本人はその気ではなかったらし
    いが、竹宮と編集者に説得されて書いたそうだがこれは書かない方が
    よかったのじゃないかと思った。

    全3巻。ずいぶん昔に読んだけれど、漫画の余韻が台無しだったもの。
    竹宮自身、その後の構想は持っていたけれど描く気はなかったのだから
    『風と木の詩』は漫画が終わった時点で終わりとして欲しかったわ。

    尚、本書にも度々登場する増山氏だが身近にいたら絶対に好きになれない
    タイプである。

  • 竹宮先生はスランプ時代、自分のマンガを模索していらしたつらい時が続いたようで、先生の不安、焦り、苦しみが伝わって、読んでいてつらい、でもマンガへの姿勢、情熱も伝わるから読むのがやめられず読み続けるという感じでした。最後に遂に念願の風と木の連載へ続く先生のマンガの描き方にたどりついたところは爽快、やったーと喝采でした。

  • 萩尾望都にこれほどに葛藤やら鬱屈やらを抱えていたのに驚いた。ローティーンの時代、別コミや週コミを愛読してたからか、ツートップのイメージがあったので。

  • 少女漫画に革命を起こす!!!

    七〇年代、竹宮先生の手で生み出された作品に
    よって、少女漫画の世界は大きく広がっていきました。
    ”革命”の成功の陰に隠された苦悩と努力、なにより「革命を起こすのだ」という強い意志は新しい
    スタートを切る私達も奮い立たせてくれます!

  • 2017年2月西宮図書館

  • あの!竹宮恵子の自伝的エッセイ。

    トキワ荘みたいに共同生活してたとは知らなかった
    それも萩尾望都と!

  • 創作者としての姿にただひたすら「凄い……!」と感嘆。

  • 竹宮惠子さん、こんな熱い人とは全然知らなかったな。けど考えてみれば、私が風と木の詩を読んだ当時でさえとても衝撃的であったわけなのだから、連載を始めるにはすごいパワーが必要だったのでしょう。地球へ は映画から見たけど、漫画の方がもっともっと良いです。

  • 漫画家・竹宮惠子先生の自伝。
    内容は、デビュー前後から代表作「風と木の詩」を描くまでのことが中心となっている。


    今や大御所といわれる竹宮先生にも思い悩んだ若かりし日があった。本当に描きたいものが描けない葛藤、盟友でありライバルでもあった萩尾望都への思いなど。

    「大泉サロン」を中心とした、当時の漫画家たちのつながりもわかる。ここに出てくる先生方は、今でも現役で活躍されている方も多い。「花の24年組」は聞いたことがあったけれども、本当に錚々たる才能があふれていた時代だったのだなあ。

  • ◎漫画家という職業の苦楽が詰まっている。『風と木の詩』を単行本で読んだだけではあの名作がどう生まれてきたのかわからなかったけれども、意外と執筆開始までの道のりは全く平坦でなかったことに驚いた。
    ◎ここまではっきりと他者に対しても嫉妬の気持ちを描いた本を初めて読んだが、これも著者の漫画への思いの深さ故。名作を生み出してくれたことに感謝の気持ちが生まれる。

  • あの竹宮惠子さんが、漫画家としての駆け出し時代を綴った自伝。

    私は、かなり世代が下になるので、竹宮さんの作品に発表順とはまるで違う順番で出会っていったのでした。あの頃の少女マンガって、今、読んでもほんとうにすごい!と感じながら。

    この本を読んで、私が一番最初に読んだ作品は月刊少女コミックに掲載された「ジルベスターの星から」だったことに気がつきました。花やリボンではなくて宇宙や未来都市が背景となる小品で、心に深く残ったのですが、幼い私には作者名を覚えるという知恵がなかったのでした。

    思えば、その頃までは、少女マンガの編集に携わっていたおじさんたちが「少女にふさわしい」とするものが、少女マンガの潮流を作っていたのでしょう。でも、時代は、いわゆる学生紛争のまっさかり、若い漫画家さんたちが、これまでの流れに挑み、綺羅星のような作品が生まれていったのでしょう。そういう時代の熱のようなものを感じます。

    増山さんや萩尾さんとの関係も、印象的でした。最初のうち、増山さんは、本来の意味でのパトロンのよう、と感じました。若い才能を発掘し、一流のものに触れる機会を与え、翼を広げる手助けとなる・・・。でも、読み進むうち、さらに深く創作に関わった方だったのかな、と思うようになりました。

    萩尾さんとの関係については、言葉にすると陳腐になってしまうけど、同じ道を進もうとする大きな才能を持った者同士に起こったこと、と感じました。ただ、その葛藤を生身の人間として受け止めるのは、ほんとうに苦しいものだったのだろうと想像します。切磋琢磨、ライバルがいたからこそ、というのも、真実ではあったのでしょうけど。

    「風と木の詩」改めて読んでみようと思います。今の私に、どのように響くのか、楽しみです。

  • 泣きましたー!!竹宮惠子、ますます好きになった。実を言うと、現代っ子なので竹宮惠子は「地球へ」と「風と木の詩」しか読んでないのだが、漫画家としての葛藤、漫画を描く意味、伝えなければいけないことを漫画と言う媒体を使って表現するという意志、そういうものがありありと伝わってきた。萩尾望都という偉大な才能の側で自身の才能のなさを感じながら漫画を描く、というのは非常に辛いとは思うのだけど、竹宮惠子さんの青春はとても密度の濃いものだったんだろうな。羨ましい。また、当たり前ですが若い頃の描写を見て、竹宮惠子自身も物凄い才能の塊だったとわかります。激動の時代、女ということで差別を受け、自由に漫画を描くことができない中で、漫画家の使命を必死に果たそうとした竹宮惠子。いまの漫画家で、これほど深いことを考えて作品を作っている方はどれだけいるのだろうか?文学というものが、伝えられなければならないことが一文字の不可分もなく書かれるものだとしたら、竹宮惠子の作品はまさしく文学的だと言える。「風と木の詩」の激しい描写も、読者へのサービスというわけでは全くなくて、必然性があったというわけだ…

  • 2016.11.19
    竹宮恵子さんと萩尾望都さんの大泉荘時代を知らなかった。2人の絵は似ていて、はじめは区別がつかなかった。
    昔たくさん読んだ漫画だけど、あまり覚えてない。変奏曲は大好きな話だった。
    BLはあまり好きじゃないけど、風と木の詩は気になっていた。
    こんなに有名な漫画家がこれだけもやもやして自分さがしをしていたとは。
    増山さんの存在はすごい。本物に精通しているブレイン。類は友を呼ぶということか。

  • 竹宮惠子、萩尾望都、山岸涼子…
    女トキワ荘さながら練馬区大泉のサロンに集まる煌めく才能たち。『少女漫画に革命を起こす!』同じ志を持つ者同志、刺激を受け助け合う暮らし。ただ若くして台頭し、大人の世界に片足を突っ込まざるを得ない彼女達は自然と背伸びをして生きていかなくてはならなかった。
    同じ屋根の下、同じ年頃、近過ぎる才能を羨み自己嫌悪し苦しむ姿を赤裸々に、それを乗り越えていった過程は読んでいて苦しくなるほど。

    それにしても。
    1970年代の日本において少年愛を(しかも女性が)描くのにはこんなにも障壁があったのだと驚く。クールジャパンのキラーコンテンツとなった漫画もほんの40年前にかくして必死に時代の波をかき分けた先達の存在あってこそなのだ。風と木の詩、一巻から読み直したくなった。

  • 2016.10.22.知らない人はいない(と思われる)漫画家竹宮惠子さんの自伝エッセイ。高校生時代から投稿し、徳島大学入学後一年間の休業(学生運動の成り行きを見極めたかった)を経て上京。編集者に下宿先を探してもらうものの、のちに福岡から投稿し存在感を放っていた萩尾望都さんと借りるということで、竹宮惠子さんのアドバイザー、プロデューサーとして影響を与える増山法恵さん(萩尾望都さんのペンフレンド)の紹介で大泉に居を構える。多くのファン、漫画家を迎え入れた大泉サロンで過ごした2年間が生き生き描かれたエッセイ。
    竹宮惠子さんの風と木の詩は人気が不動のものとなった後で全巻読んだ。それまでに萩尾望都さんのポーの一族などを読んだ後では若干物足りなさを覚えた記憶があった。天才肌の萩尾望都さんと比較し、いつも自信がなかった竹宮さんの本心がよく描かれとても興味深く読み応えのあるエッセイだった。物作りの現場を垣間見るという意味でも読んで意義あるエッセイ。

  • 再読

    発売当初に買って一気読み。

    竹宮恵子が風と木の詩を生み出すまでの創作秘話…
    と思いきや、爆発するような、物凄いエネルギーの青春譚!

    学生運動を1年間見つめ「私の革命は漫画でする」と総括した少女が、
    増山法恵、萩尾望都という盟友と出会い、触発され、
    かの大泉サロンを構築し、萩尾望都の才能に近すぎるるゆえ嫉妬し、懊悩しながらも
    自身を確立してゆく竹宮恵子の物語。

    勿論こんな、神様みたいな方々とはレベルが違う話なのだけど、
    誰にとっても青春ってこういう所があるんじゃないだろうか。

    萩尾望都と竹宮恵子だけじゃなく、増山さんという存在がまた
    こんなことあるんだ!という、運命的というか物語的というか。
    読者に1番近いポジションで、でもその中で最上級っていう。

    装丁も凄く良いよねー。

  • 私が竹宮惠子さんの作品と出会った時は、「風と木の詩」を完結されたずっと後だったので、あのダイナミックなストーリーで読者を翻弄する「ファラオの墓」は彼女の天賦の才がするりと紡ぎ出したものだとばかり思っていました。
    実際は、長い長い苦悩と迷いの果てに、ファンが何を求めているかを何度も何度も考え、追求していった結果として生まれただなんて。
    全く想像もつかなかったです。
    この本を読んで、本当に驚きました。

    驚いた事実がたくさんありました。
    ジルベールが非常に早くから生まれていて、あんなにも作者から望まれ愛されたキャラクターだったことがまずびっくりの1つ。私は勝手な憶測で、大御所になったあとに新しい表現を模索していて生まれた物語なんだろうくらいに思っていたので、そんなに早くから温めていたんだ!と驚愕しました。
    萩尾望都さんとの関係も衝撃でした。読んでいて2人のファンとして非常に辛かったです。誰も悪くないだけに。
    だから、編集のMさんが登場した時は、本当に涙が出るくらいほっとしました。こんなにも苦悩した果てにあの名作は生まれたんだなぁ、と胸がいっぱいになりました。「ファラオの墓」は増山さんの助言がスタートだったことと、その助言をあんなすごい波乱万丈の物語に作り上げた才能のその両方に驚きますし、何より、ジルベールの存在が「ファラオの墓」の誕生にあんなにも力を与えていたなんて!

    風と木スタート後のあれこれは、それだけで別の本になってしまうくらいなので割愛、とありましたが、ぜひ書いてほしいです。
    多感な青春時代「私を月まで連れてって」を読み、ダン・マイルド少佐のものの考え方やモラルに非常に影響を受けました。今でも彼はロールモデルの1人です。萩尾望都さんの作品には、好きなキャラクターはもちろんたくさんいますが、自分が迷った時に思い出したり、自分の生き方の指標とするようなキャラクターはいません。彼女たちの本の役割は私の中では全然違うものです。
    そんな風に2人の作風の違いなどに思いを馳せながら読みました。次作、待望します。

  •  風と木の詩といえば、少年愛の漫画として一世を風靡した作品であるし、ほかにも地球へ…やファラオの墓など有名な作品がある。
     これを読む前は、いわゆる39年組の人気少女漫画家さんの印象だった。しかし、読んでみれば萩尾望都と同居し、ポーの一族などの全盛期にを共に過ごすというのは、漫画家としてすごいきついんだろうなぁと胃が痛くなる。
     そんな中でもただひたすらに書き続け、今は脚本術などの技術を使いながら表現者を育てる側になったことに納得する。
     あの時代で書き続けたこと、手を止めなかったこと、続けることの大切さを感じる。

  • 夢中で読んだ。竹宮先生の若き葛藤の日々、萩尾望都先生への複雑な想い、漫画へかけた熱い志…。素晴らしかったです。竹宮先生ほどの才能でも萩尾先生にはこんなアンビバレンツな感情を抱いていたとは驚くばかりです。盟友・増山さんとの丁々発止のやり取りもおもしろい。これ、深夜ドラマ化したらいいと思いますよ。名作「風と木の詩」が生み出されるまでがこんなに難産だったとは!竹宮恵子は天才であると同時に努力と根性の人でもあったのだ。ラストのほうが駆け足気味なのでもう少し厚い本で読みたかった。すべての漫画・創作好きに捧げる名著。

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少年の名はジルベールの作品紹介

少女マンガで革命を起こした漫画家の半生記

少女マンガの黎明期を第一線の漫画家として駆け抜けた竹宮惠子の半生記。

石ノ森章太郎先生に憧れた郷里・徳島での少女時代。
高校時代にマンガ家デビューし、上京した時に待っていた、
出版社からの「缶詰」という極限状況。
後に大泉サロンと呼ばれる東京都練馬区大泉のアパートで
「少女マンガで革命を起こす!」と仲間と語り合った日々。
当時、まだタブー視されていた少年同士の恋愛を見事に描ききり、
現在のBL(ボーイズ・ラブ)の礎を築く大ヒット作品『風と木の詩』執筆秘話。
そして現在、京都精華大学学長として、
学生たちに教えている、クリエイターが大切にすべきこととは。
1970年代に『ファラオの墓』『地球(テラ)へ…』など
ベストセラーを連発した著者が、「創作するということ」を
余すことなく語った必読自伝。

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