まちの保育園を知っていますか

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著者 : 松本理寿輝
  • 小学館 (2017年3月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093885485

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まちの保育園を知っていますかの感想・レビュー・書評

  • 私が思い描いていた理想の幼児教育に限りなく近い。これだ!!!!って感じだった。

    「まず、選択肢を充実させることからやるべき。選択肢が豊かであることは、結果として、選択の質につながる」
    子どもにとっての選択肢を増やすことが、地域の様々な年齢の人たちと出会う機会をつくってあげることなんじゃないかと思う。

    「乳幼児期で大切なことは、子どもが、主体的に取り組み、友達や先生など他者との関わり、対話を持ちながら、心を動かされる体験の中で学びを深めていくこと」
    「人は、出会いによって、開かれる自分の側面があったりもします」
    これは子どもに限らず、誰しも人は人(他者)との出会いでしか変われない、と思ってる。
    自分、という他者も含めて。

    ただ、「やみくもにたくさんの人と出会えばいいわけじゃない。愛着関係、信頼関係が必要」「自分が愛されているという実感を持つ経験が、子どもの自己肯定感を高めたり、いろいろなことにチャレンジしようという心の安定につながる」
    確かにそうだね。

    それから、「子どものことを考えるからこそ、まずは保育士のことを考える」ということも書いてあり、超共感。
    今は学校などの教育機関に任せすぎている。

    教師や保育士が心豊かに暮らせていないのに、子どもたちが心豊かに暮らせるわけがない。
    まさに「保育に関わる全ての人が、いかに心を満たしながら自己充実し続けている状況があるか」ということ。
    「子どもの周りにいる大人が、いろいろな出会いを大切にしていることが、案外、重要」とはその通りだと思う。

    「処遇改善の目的は、保育士が、ただ『大変な仕事をしているから』だけではなく、『大切な仕事をしているから』である」とあって、納得。
    やっぱり教育は聖職なんだと思う。聖なる子どもたちに影響を及ぼす職業。

    「子どもの環境について考えることは、理想的な社会についてかんがえていくことそのものだ」ということで“まちの保育園”らしい。
    非常に共感する。

    町会が、若い人のための公式ガイドブックをつくりたいということで松本さんに相談があり、まちを巻き込みながらつくる方法を考えたという。
    「『もの』以上に、つくりあげる『こと』に興味のある若者を集めて『当事者』を増やす」ため、実際にターゲットとなる若者にガイドブックを作るところから入ってもらった。
    「コミュニティづくりでは、『答え』を出すより『問い』を立てて対話する場を作っていくこと。
    主催者が楽しんで取り組むこと」だそう。
    「主催者がどれだけの熱量で楽しんでいるか、それが、仕上がりの質や、コミュニティへの訴求力・求心力につながる」

    「『大人たちが楽しそうに生活し、自分たちの信じられることをやっている社会』こそが子どもにとっての理想的な環境」
    「子どもにとって、大人同士がなんだか楽しそうに、真剣に、関わり合っている環境、間近にある地域社会が、意気に燃え、子どもも、大人も心を動かしていることは、何にも代えがたい贈り物」
    というのがまちの保育園の主旨である気がした。

    それは「一番の子どもへの影響は、私たちが子どもにしてあげること(doing)よりも、そもそも、私たち大人がどうあるのか(being)である」から。

    「大人も心が動く場面を地域でつくる」というのにものすごく、共感した。
    そして、子どもと関わることは、ものすごく、心が動くこと。

    地域で子どもを育てたい。
    そうできる地域に暮らしたい。
    そんな地域をつくりたい。

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まちの保育園を知っていますかの作品紹介

「まちぐるみ」の子育てで大人も変わる

「まちの保育園」は、東京にある認可保育所。小竹向原、六本木、吉祥寺という異なる街で、特色ある保育を行っています。

例えば・・・毎日の活動を子ども自身が話し合って決める。
運動会やお遊戯会がない。
「コミュニティコーディネーター」なる専任職員がいる。
園に人気のカフェやスタンドがある。

園の理念に、「3つの力を信じる」があります。
●子どもの可能性を信じる
子どもの無限の可能性を信じて、その興味・関心、子どもが「心を動かされる」ことに寄り添う。

●対話の力を信じる
子ども・保育士・保護者・地域の人も含めた、あらゆる関係において対話を重視する。時間確保のため、大人主導の運動会や発表会は行わない。

●コミュニティの力を信じる
地域に開かれた園にする。多様な人とのかかわりによって、子どもの個性や可能性が引き出される。隣近所がつながることで、「孤育て」に陥りがちな家庭や、高齢者や独居老人も新たな交流の機会を持てる。

「まちぐるみ」で子育てをし、子どもたちと「まちづくり」をすることで、より豊かなまちにしていく――これからの保育園のカタチを考えよう。


【編集担当からのおすすめ情報】
「人格形成期」と言われる0~6歳の子どもたち。その間の「出会い」や「経験」の多様性、「学ぶ経験」が、学力だけでなく「やる気」「忍耐力」「協調性」などの非認知的能力を高めることがわかってきました。

そのため、世界的に就学前教育に注目が集まっています。
しかし日本では、待機児童や建設反対などネガティブな話題ばかりが注目され、保育園に代表されるこの時期の保育・教育のグランドデザインが描けていないのではないかーー著者が代表をつとめる「まちの保育園」では、「働く親が子供を預ける」場所としてだけでなく、「まちのインフラ」を目指して、これからの保育園のカタチを模索しています。

子どもにとって理想的な社会は、きっと誰にとっても理想的な社会のはず。
これからの日本社会の在り方についても考えるきっかけになる本だと思います。子育て世代だけでなく、幅広い層のかたに、ぜひ読んでいただきたいと思います。

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