愛犬王 平岩米吉伝

著者 :
  • 小学館
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093897037

作品紹介・あらすじ

昭和の初め自由が丘に数十匹の犬と暮らす男がいた。寝食を共にして犬たちの喜怒哀楽を観察した。雑誌「動物文学」を創刊し犬たちの詩歌を詠んだ。オオカミを飼い慣らして銀座を散歩したこともあった。犬を愛し犬科動物のすべてを極めようとした。稀代の研究家の情熱あふれる生涯。第12回小学館ノンフィクション大賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 犬のすべてを知りたい。
    犬を愛し、犬に愛された孤高の研究者、平岩米吉の
    生涯と研究を描く。そして彼の家族との愛と協力も。
    ・プロローグ
    第一章 狼に憧れた神童
    第二章 白日荘のにぎやかな住人
    第三章 動物文学に集う人々 第四章 愛犬の系譜
    第五章 戦火の中の動物   第六章 犬は笑うのか?
    第七章 狼との対話     第八章 奇人先生の愛した犬たち
    ・エピローグ ・あとがき ・出典・参考文献

    それは幼年時代の『珍説弓張月』での為朝と狼の話が原点。
    聡明であれど葛藤深き家庭で育ち、結婚を機に自由が丘へ。
    ひとつのテーマに興味を持つと、のめり込んで探究する。
    白日荘での家族と多くの動物たち、特に犬たちとの生活が、
    そんな彼の活動に深く影響を与えた。
    孤高の動物学研究者、平岩米吉。
    戦前から日本犬保存会などの団体の設立。
    飼った犬たちへの愛情と観察からのフィラリア研究会の
    発足は、戦後の治療や薬の開発へと繋がってゆく。
    文学と科学の結合を目指し、シートンの著作や『バンビ』を
    紹介した「動物文学」は45年に亘って発行された。
    すべての生き物の本当の姿を伝えたい思いでの執筆活動は、
    88歳の生涯をまっとうするまで続いた。
    「猫の歴史と奇話 新装版」を読み、著者に興味を持っての
    読書でしたが、なんかスゴい人に会えたなぁと、感銘。
    戦前から続く研究と情熱は、まさに継続は力なり。
    そして支える家族と愛すべき犬たちの姿にも感動しました。
    彼の犬関係の著書も読んでみたいです。

  • 人物評伝には、有名な人の知られざる姿を掘り起こすものと、忘れ去られそうな人にスポットをあてるものとあると思うが、これは後者。この平岩米吉という人、私はまったく知らなかった。犬と人の幸福のために情熱を傾ける姿がすがすがしく描かれていた。

  • 昔から犬って人間に飼われていたんでしょうけど、意外にその生態に迫ったのは近年に入ってからだったんですね。フィラリア対策など米吉が残したものは大きい。同じ愛犬家として尊敬の念を持ちました。「犬は笑うのか?」その答えは「笑う」だと思う。彼ら犬にも感情があるのだからそりゃ笑うだろう。少なくとも私の飼ってきた子達は笑っていると思う。しかし、オオカミやジャッカルまで飼うなんて当時としては本当に「奇人」だったんだろうな。いい奥さんと子供に恵まれてほほえましかった。

  • なんだかすごい人に出会ったぞ!という感。
    とにかくびっくりした。
    犬を大切にしてきたとは決して言えないこの日本に
    こんなに犬を愛して愛して、
    動物たちへの愛と正しい知識を世に広めようと活動した人がいたなんて、想像したこともなかった。
    実在して、つい最近まで生きていたこの平岩米吉なる人物を
    私は犬を愛するひとりとして誇りに思う。そして忘れずに心に刻みたい。

    偶然手にして読むことになった1冊だけれども、こんなに面白いドキュメンタリー、伝記は初めてかもしれない。

  • 平岩米吉の生涯が要領よくまとめられているが、各著書と「狼と生きて」を読んでいるのであれば、あえて手にとる必要はないかな。

  • 平岩米吉の生涯が要領よくまとめられているが、各著書と「狼と生きて」を読んでいるのであれば、あえて手にとる必要はないかな。

  • 読もうと思いながらも、全然読めなかった。父の本です。amazonで900円で出品

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