ニッポン、ほんとに格差社会?

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 115
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093897051

感想・レビュー・書評

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  • 2021/02/14

  • 2006年時点でのデータをもとに書かれているので、内容が2015年では古くなっている。

  • 「日本の政府は巨大である」「戦争放棄、は日本だけ」「日本は世界一の貿易大国」「日本でも格差は広がってきている」「日本人は貯蓄好き」「日本人は働き過ぎ」……etc.という「日本の常識」に、最新データを元に○×△で答えますよ、というのが、この本。
     ややこしい話を、よくぞここまで簡単に説明できるなぁという手際は、マジシャン級だと思う。
     個人的に「ちょっと違うんじゃないかな」「もすこし説明してほしいな」と思ったのは、「日本社会もかなり危険になってきた」という節。犯罪件数が増え、検挙率が低下していることについて「常識としては○」としているところ。他の先進国と比較してみるとまだまだ安全だということで最終的には「△」になっているが、「日本は過去に比較すると、治安の悪化が目立つようになってきた」と結論づけているのは、オレのここんところの読書からするとすぐには肯けない。
     という気がかりはあるにせよ、全体として「中学生でもわかる」くらいの書き方で、「日本の常識」がわかるというのは、すごい仕事だなぁと思う。

     トピックとしていちばん意外だったのは、「日本人は働き過ぎ」という一節。
     「カロウシ」という言葉がまんま用語になる、というくらい働いていると思ったのに。 実際、統計を取ってみても、日本人の「週あたり実労働時間」は42.1時間。イギリスは39.6時間、スウェーデンは36.0時間、カナダ32.1時間、アメリカ34.1時間……と比べて突出して高いのに。
     ところが、これにはからくりがあった。
     日本だけは「漁業従事者」が含まれていたのだ。
     この業種をのぞいたデータで改めて見てみると、スウェーデンやスイスよりも低いくらい、イギリスやイタリアにも負けていて、スペインやノルウェー、アメリカと同程度というところまで落ち込んでしまう……。
     まぁ、これにはさらにどんでん返しがあって。結局はパート労働者が増加したせいで、正規雇用の労働者の労働時間数はちっとも減ってないのに、数字上では労働時間が減っているという背景もあるので、なんともいえないところだが……。

  • 2006年発行で書かれている内容はちょっと古くなってしまっているが、いつも通りの池上彰さんらしいわかりやすい解説の本です。

  • ニュース等で言われている日本の常識はホントなのか?を欧米諸国と対比し、検証している。
    ・郵政民営化は先進国では常識?
    ・国会議員の数は多すぎる
    ・日本の生徒の学力は低下している 他。

    世間で言われている事は本当なのか。
    聞いた話をうのみにせずに、自分でも考えなくてはと思う本。

  • 格差の拡大をはじめ,この国の政治経済にまつわる常識をデータで検証するというもの。結論としては△が多くて,ハッキリしない感じが多いですね。データの読み方にも関わってくるしね。学力低下については新発見で良かった。

  • 意外とためになりました。
    常識は一部正しく、一部間違い。
    とりあえず裏を取らずに常識を常識と捉えるのは
    危険だと思いました。

  • 元NHKニュース・ジャーナリストの著者が、最新のデータをもとに、日本の状況を世界基準から判定した本。とはいえ、どんなデータを判断基準にするかで、見方も変わるのは仕方ないですね。図書館予約数は2(07/04/05現在)です。

著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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