小澤征爾サイトウ・キネン・オーケストラ欧州を行く

著者 :
  • 小学館
3.11
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本棚登録 : 38
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093897211

作品紹介・あらすじ

「よし、来なかった人が悔しがるような演奏をしてやろう」と小沢は言った。ラストに用意されていたのは爆発的歓喜だった。ヴァレンシア、ベルリン、ウィーン、パリ、ロンドン、ミラノ-バックステージから本番まで完全密着し、この奇跡のオーケストラの秘密に迫るフォト・ドキュメンタリー。

感想・レビュー・書評

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  • 本題とは関係ないが欧州の各ホールのサウンドチェックの話が興味深い。相応に時間を要し、シャンゼリゼ劇場で小澤はデッドなことを「語尾が短くなるから気をつけないとドライで音が逃げる」と上手い表現している。

    ベルリンのフィルハーモニーでは前のBPOの練習がおして、サウンドチェックの時間を充分にとれない。短時間で仕上げる緊張した様子がピリピリと伝わってくる。
    これまた関係ないが、小澤はイサムノグチと親しく家に招かれたとある。彼の妻が山口 淑子だったと初めて知った。

    <その他の書籍紹介>
    https://jtaniguchi.com/tag/%e6%9b%b8%e7%b1%8d%e7%b4%b9%e4%bb%8b/

  • 20150401読了
    2004年出版。サイトウ・キネン・オーケストラの2004年ヨーロッパツアーを追うドキュメンタリー。「齋藤 記念」とはいっても、同窓会的なオケではない。

  • 小沢征爾率いるサイトウ・キネン・オーケストラの2004年ヨーロッパ演奏ツアーを捉えたドキュメント。

    楽団員とのリハーサル風景や忙しい時間を縫うようにして演奏する作品の勉強を行う小沢征爾の姿、移動中のオフショットなど見所も多い。そして、各団員の声が生々しく、オーケストラがまさに生き物のように変容していく姿が伺われる。

    ツアーの最終公演、ミラノでの演奏を終えて楽屋に戻ってきた小沢征爾の一言、「やっと、ここまで辿り着きました」。ここで終わりではなく、まだまだ高みへ向おうとする巨匠の姿は感動的。今年のサイトウ・キネン・フェスティバルは始まって以来、巨匠が直接振る姿を見れない年となったけれど、十分に彼の精神はフェスティバル全体に宿っていたと思う。健康を取り戻して、素晴らしい音楽を聞かせてほしいと思う。

  • 「勉強しない指揮者ほど役に立たないものはない。勉強できてない指揮者ほど世の中に不必要なものはない」70歳という年齢からは考えられないハードなスケジュールに耐える肉体と驚異的な集中力。そしてそれを支える不断の努力。「そもそも小澤征爾という日本人がいること自体が奇跡」「西洋音楽は、もともと日本のものじゃない。その西洋音楽で世界レベルに登り詰めるのは普通は不可能。それを可能にさせたのは、小澤自身の音楽的な力だ」とまで言わしめる指揮者・小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラのヨーロッパツアー2004のドキュメンタリー。「よし、来なかった人が悔しがるような演奏をしてやろう」と言えるバイタリティーとそれを実際にやってのける力。それは決して特別な人だけがもてるものではないけれども、特別な努力をした人だけしかもてないもの。そして、それは小澤征爾さんやサイトウ・キネン・オーケストラの人々も含め、人間誰しもが死を迎えるまで求め続けるものなのではないでしょうか。

  • 斎藤秀雄という人と小澤征爾という人と、二人のことがいっぺんに分かるおいしい本。
    (無論十分にわかるというイミではない。イメージがわいてくるということ)
    とりあえず、これを読むと、自分が日本人なのが嬉しくなります。

  • 眺めて良い本。鮮やかで明るくシャープなカラー写真が連続する。ドラマチックな表現の多い文章は、気を取られ、素直に楽しむことが出来なかった。

  • 文章がまるで訳文のようでした。悪い意味でなく、そういうリズムを持った文章。思わず英語のテキストを思い出して遠い目になってしまったけれど、文章自体は素敵です。写真もふんだんにあって、本のデザイン自体もおしゃれ。
    しかし、こういうものはやっぱりドキュメンタリーとして映像で見たいものです。

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