国家の謀略

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著者 : 佐藤優
  • 小学館 (2007年11月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093897327

国家の謀略の感想・レビュー・書評

  • 2007年刊。◆インテリジェンスに関する雑誌連載の論考を加筆したもの。著者の実体験を生々しく語ってインテリジェンスの実像を公開する件と、インテリジェンス的思考を駆使し現代社会を解明する件とに分けられようか。◇「インテリジェンスは国(民族?)の文化が反映する」というのはさもありなんと思えるし、忍者が日本のインテリジェンスの基層文化の一というのは苦笑できる。が、真面目すぎる独・日(外務官僚)が似ている点は、インテリジェンス分野としては余り笑えない。人材や取得情報を画一的に捉え過ぎる弊害を懸念してしまうからだ。
    ◆「日本のユダ」と称される東京裁判検察側証人の田中隆吉が、国体護持のため売国奴の汚名をきたというのは知られたことかもしれないが、目的はそれだけ?。中野学校が「愛と誠」をも謀略の基軸に据えていたのならば、陸軍上層部への批判的目線というのも存在したのではないか?(少々、穿ちすぎかな)。この観点からみる陸軍中野学校の有りようは興味深いところ。◆また、ウォーターゲート事件の真相が、FBIによるニクソン追い落としにあり、ウッドワードは駒として使われたという著者の推理は興味深い。
    ジャーナリズムとインテリジェンスのスリリングなせめぎ合いを感得させるに十分。この仮説をウッドワードが聞けば、いかなる感想を持つか?。◆ところで、著者の記憶術はとても真似できそうもない。確かに、1日15分程度、短文の暗記であればチャレンジしてみたい(だが、著者の言うように2週間くらいで文庫本20~30頁まで暗唱できるようになるとは到底思えない。著者だからできるのだろう)。◆著者は「インテリジェンス能力は国力を反映する」から「経済大国日本のそれは高度である」と説明する。
    その一方で、米国のイラク戦争における大量破壊兵器情報の欺瞞は彼の国のインテリジェンス能力の欠如を反映しているとあり、些か矛盾を感じる。しかも、戦前日本の高いインテリジェンス能力を指摘するが、本書では、日米開戦後の1942年になって、欧州戦線(米英ソ対独伊)の帰趨予想を陸軍インテリジェンス部門が実施(独伊敗退の結論)とある。普通対米開戦前にすべきだろう。つまり、日本の政府を含めたインテリジェンス能力が高いとは俄かに納得し難い。

  • 読み応えのある本だった。何がか、というと、インテリジェンスについて、その道のプロだった佐藤優がドップリとレクチャーしてくれる。後半の、今日から使えるインテリジェンスのテクニックの項も面白い。勿論、我々は多かれ少なかれ、組織の情報取り扱い上、自らの仕事の成功のために、ヒュミントやエリントを用いているのだから、本職の作法が役に立たないわけがない。我々にも勿論、サラリーマンにだって有効だろう。

    仕事力を増したいなら、自己啓発本を読むより、このような書を読む方が数倍良いと思う。

  • 外務省職員として、ロシアで情報収集を行った佐藤優氏が自身の経験を元に2004~2007年までの国際情勢を評論した本。内容はそれだけではなく、佐藤優氏自身が経験した日本のインテリジェンス工作についても詳しく書かれている。陸軍中野学校についての記述もあり、値段の割に濃い内容となっている。

  • 元・異能の外交官が語るインテリジェンス実践の書。そこらのスパイ小説よりずっと迫力があって面白い。こんなの誰にも真似できないでしょう。計算機で代替のきかない世界は厳然と存在する。

  • 本書は「異能の外交官」佐藤優氏による『インテリジェンスの技法』が初めて明かされた本です。今でこそいくつかインテリジェンス関係の本を出版している筆者ですが、その原点という意味で貴重なものだと思います。

    久しぶりにこの本を読み返してみましたが、やっぱり読み応えがあって、読み終えた後はしばらく頭痛がしました。少し、出版年月が前なので、文庫化されているかと思ったのですがいまだにされていないみたいです。なぜなんでしょうね?それはさておきここに書かれている内容は『異能の外交官』と言う異名をとり、インテリジェンス・オフィサーとして世界各国の諜報部員と丁々発止のやり取りを長年にわたって繰り広げてきた筆者による『インテリジェンスの技法』ともいえるべき本です。

    現在ではインテリジェンスに関していくつかほかにも出版をされているそうですが、この本は初めて筆者がインテリジェンスというものについて語っているという意味では貴重なものであるといえます。『インテリジェンスとは基本的に汚い仕事だ、だから品性のよい人間にしかできない』というこの言葉をあとがきのほうで紹介していますが、筆者同様、この言葉を再読した今だからこそ、真実であると思います。

    定番中の定番ともいえる『酒・女・金』に始まり、さまざまな手練手管を駆使して人を篭絡し、『協力者』に仕立て上げて、自国の国益に有利になるような情報を引き出していく姿を紹介してあるのですが、こういうことが日々、実際に行われているのかと思うと、背筋が寒くなるのを感じました。僕が一番読んでいて面白かったのは彼らがホテルというものをどのように使っているかというものに関する記事で、インテリジェンス・オフィサーにとってホテルというものがくつろぐ場所ではなく、まさに『戦場』とも形容したくなるような『やり取り』が繰り広げられている、という事実を読んでいると、某ドラマではありませんが事件は現場だけで起こっているのではないんだな、ということを実感しました。

    むちゃくちゃ分厚いですし、内容もディープなものがてんこ盛りですので、次官があるときしか読むことはできないとは思いますが、読んで決して損はすることは無いと思います。

  • 既読と類似した内容

  • <特記事項>
    ・甲賀流忍術第14世藤田西湖による記憶術が中野学校で教えられた。
    ・陸軍登戸研究所
    ・中国での謀略活動に従事した大橋武夫は、戦後、その知識と経験を労務管理に生かし、「兵法経営論」を提唱。
    ・CIAウォッチングの第一人者は春名幹男
    ・MI6なる名称の組織は存在しない。実在するのはSIS。
    ・「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は、実は日本弱体化を図った謀略宣伝であった。
    ・敵側の宣伝攻勢に対し弁解したり説明したりするのは下の下。無視するのが一番。
    ・陸軍中野学校には、南朝の忠臣楠木まさしげを祀る楠公社が設けられた・教科書としては、北畠「神皇正統記」が用いられた。
    ・「シグマベスト 理解しやすい政治・経済」はなかなかよい。
    ・「情報のさばき方 新聞記者の実践ヒント」もよい。

  • 元外務省ロシア科の外交官で、鈴木宗男事件の時に逮捕された男、佐藤優がインテリジェンスについて語る本。

    インテリジェンスとは諜報、防諜、謀略であるという。
    スパイについての情報も盛りだくさんである。

    政治や外交に興味のある人は一読してみる価値はあると思う。

  • インテリジェンスの中身については、スパイ活動のようなこともあり、なかなか面白い。また各国のそれぞれの特徴が記されており国際情勢がわかります。日本もこういう活動にもっとお金がかけられればいいのですが、軍事的なこともあり十分になされていないのが実情と思います。国益のために八方美人でなく海外の協力者を使って自分たちのために誘導することも必要だと思います。

  • ニュースなどでは聞き流してしまっていた各地で起こった軋轢を、とても平易な文章で解説してくれていて、全体像がつかめるのでありがたい本です。個人的には、中央〜西アジアに根ざす問題に興味を惹かれました。

  • インテリジェンスとは何か?仕事にも非常に参考になる本。

  •  雑誌SAPIOに連載されていた「インテリジェンスデータベース」の単行本化。特に興味を引かれたのは陸軍中野学校のところ。戦後も元諜報員が活動していた逸話には唸らされた。

     佐藤氏自身の活動遍歴でレベルの高い著作が幾つかあり比較をしてしまうが、それでも各々の内容は濃いモノである。

  • 小学館の『SAPIO』誌に連載されていたコラムを元に一冊に編集されたものです。現在の国際状況を踏まえた、インテリジェンスに関する入門書という内容になっているかと思います。

    佐藤優氏は本当に多作で驚きます。いつもながら実名も含めた外務省の体質批判は読む方がひるむほどの激しさがありますが、なぜこの人がいまだに起訴休職中という身分で外務省に籍を置いているのかは謎です。

  • 会社の人にもらった本。
    自分でも、うまく考えられていないけど、国益とか国防のためじゃなくって、平和のために、こういうやり方できないかな、みたいなことを思った。
    違和感と好奇心といろんなものを感じた本。

  • 外交や水面下の世界で繰り広げられるインテリジェンスに関する行動について書かれた書。
    意外と、インテリジェンスに携わる者は真義は守るのだなと感じた。イメージで嘘など何でもありの世界だと思っていた。
    一つの情報からいろんな文脈を読み取る能力も必要だ。
    必読の書。

  • 8月1日読了。「謀略=インテリジェンス」、情報を得て分析して解釈し、行動し、周囲を動かす方法について著者の体験・世界情勢の実情・身近な例を挙げて説く本。鈴木宗男事件に関係して刑事裁判を受ける身となった著者にはダークなイメージを持っていたが、国益を上げるために諸外国と渡り合うためにはお人好しな善人なだけでは駄目・とは言え他者を利用する気満々の悪人でも駄目、それこそインテリジェンスが必要ということか。相手を知り、また相手に自分を知ってもらう。これがインテリジェンスの極意か。

  •  面白い! 柳広司の『ジョーカーゲーム』と併せて読むとさらにお得。元ネタっぽい情報が満載ですよ。

  • この人、タイトルに「国家」を付けるのが好きやな。

    「SAPIO」に連載をまとめたものらしく、内容が重複することもしばしば。
    各国のインテリジェンス事情や、連載時の時事問題に対する考察等、相変わらず興味深い内容だった。
    インテリジェンスのテクニックも紹介されてるが、やっぱり感度が良くないとね。
    その点では、繊細な心を持つ日本人には得意な分野かも。

  • 著者は「インテリジェンス」を「情報の正確さ、その情報の背景にある事情、又その情報がどのように役立つかについて評価を加えられたもの」と定義し、謀報・防諜・宣伝・謀略が含まれ、本書を「国家の謀略」とした。
    「国家の罠」以来、著者の学識・読書量・行動力には圧倒され、感嘆している。
    本書でも「大国の帝国主義に左右される独立問題」「民族紛争は、当該少数民族を後押しする大国の思惑によって発生する」

  • 引き続いて読んでみた。情報工学におけるインテリジェンス、という概念について多くを割かれている。
    情報をどうバイアスをかけずに読み解くか、そして情報戦を仕掛ける相手に対して、どう心理的に絡みとって利用してゆくのかというあたり、ビジネスに応用しましょう、男女間のおつきあいに利用しましょう、ってあたりが作者の今後の立ち位置を予感させて○。

  • 国家のスパイと称する著者が書いた、国対国の舞台裏が書いてある。
    厚い本だが、いがいとすらすら読めた。
    「今日から使えるインテリジェンスのテクニック」という項に興味をもって購入したが、格段特別のやり方ではなく、いろんな所でいわれている方法を、自分なりに多少アレンジした程度である。参考にはなる。

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国家の謀略の作品紹介

異能の外交官が初めて公開する「インテリジェンス」の技法。この「情報工学」を官僚だけに独占させておく手はない、ビジネスマン必読。

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