ゴーマニズム宣言SPECIAL 大東亜論 巨傑誕生篇

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093897471

作品紹介・あらすじ

西郷隆盛の遺志を継ぐ頭山満の勇躍を見よ

漫画家・小林よしのり氏の大人気シリーズ『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版。
今日、我が国の指導者たちからは「アジアの成長を取り込む」という文句がしきりに発せられる一方で、日本はアジアの中でどうあるべきか、どういう形でリーダーシップを発揮していくのか、その思想や戦略が具体的に語られることはほとんどありません。
明治から昭和まで日本における政治・思想に多大な影響を及ぼした政治結社「玄洋社」の中心的人物である頭山満は「アジア主義」を掲げ、いたずらに西洋列強を模倣することに警鐘を鳴らしていました。
当時、日本は江戸幕府が列強と結んだ不平等条約に苦しんでいました。ところが、大隈重信ら藩閥政府が不平等条約の改正に動きましたが、実態はむしろ「改悪」でした。明治維新の元勲・西郷隆盛の思想は藩閥政府には受け継がれず、欧化政策を推し進めていました。
国会もまだ開設されていないそんな時代に、藩閥政府の政策に異を唱え、欧米の帝国主義から日本とアジアを守ろうと頭山満とその仲間たちは奔走しました。彼らの軌跡を振り返り、敗戦によって分断され、忘れ去られた日本人の思想史に光をあてます。

感想・レビュー・書評

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  • 一人でいて淋しくない人間になれ!

  • とにかくカッコいい!!

  • 学校では習わない日本の歴史。
    本当にこんなことがあったのかと思う内容。
    学校で習う歴史ってなんなんだろうと感じる。

  • ●最高の征韓論を潰したのは、頭山言うところの「西洋かぶれ」の大久保利通、岩倉ともみらであった。大久保は東洋的価値観を否定し、ヨーロッパ型の近代国家をそのままに学び、日本をヨーロッパ型の帝国にしようとしていた。それに対して西郷は西洋文明そのものに否定的であり、「野蛮」と言ってはばからなかった。
    ●高宗、閔妃vs大院君 嫁と舅の戦い。壬午軍乱、甲申事変。いづれも閔妃は清に助けを求める。1日も早く近代国家を建設しなければならないと主張する、金玉均はガッカリ。これまで熱心に朝鮮独立を支援してきた福沢諭吉が「脱亜論」を著したのはこの事件からまもなくのことだった。朝鮮は日本にとっては悪友でしかない。悪友と親しくしていたら、共に世界からの評判を落とすだけである。私はもはやアジアの悪友は拒絶するべきだと思う。
    ●中江兆民と友人。2人とも「民権」論者であり「国権」論者だ。ナショナリズムは両者とも強い。戦後GHQや学者がルソーを日本に紹介したからな彼は「左翼」としただけである。
    ●自由平等に向けて革新する考えは左翼である。親米もグローバリズも左翼であることにそろそろ気付け!

  • FLASHで『よしりん辻説法』の連載が始まったから、ではないが本書を手に取る。
    氏はアベノミクスも一部の富裕層だけのものだと看破しているし、いわゆる親米拝金主義とは一線を画す主張を持つ。排外主義とでもいうべきネット右翼をチキンホークだと断じる。ネットで垂れ流される場当たり的な論調とは違う歴史認識から学ぶことのできる本書は素晴らしい。
    大学入試は日本史だったから、いわゆるトリビアな難問の類いに玄洋社の名前はあったかもしれないが頭山満の名前は不勉強で、今回、初めて知った。明治維新の元勲たちの多くが私利私欲に走っていたことは本書の論調の辛さを割り引いたとしても、想像に難くない。僕自身、親米拝金路線、というよりアメリカそのものに嫌悪感を感じるようになって久しいのだが、欧米に迎合する外交路線は明治の頃に始まり、太平洋戦争の時期を除いて、一貫して今までそうであったのだ、と思いしらされる。一方で、西郷隆盛の精神を受け継いだ頭山満の思想は「東亜の解放」であり、グローバリズムの名のもとでさらなる弱肉強食による格差が拡大する今こそ、この理想が見直されるべきであろう。
    「一人を以て千万人に当たる」頭数でことを決定するだけの民主主義システムの限界を言い切った言葉に感銘する。「一人でいて淋しくない人間になれ」という言葉もだ。
    「天下の諤々は、君が一撃にしかず」
    漢と書いて、男と呼ばせるのは好きではないが、国士であった頭山満も条約改正反対のために命を懸けた来島恒喜もまさに漢であった。

  • 国会がなかった頃の話。今も諸外国で投票所が破壊されたり立候補者が襲撃されるなどの事件が起きる中、なぜ我々は(概ね)つつがなく執行することができているのか。
    そうした今日の社会というのは決して一朝一夕に成ったのではないことを、あらためて痛感した。

    ---
    一通り筋を追ったところで、「あ!え?まさか…そうなのかな」な含みを残したままの「中指」のエピソードに関しては、敢えて調べたりせずスリルを保って展開を見守りたい。

  • 乱読。
    現在では全然、知名度のない頭山満。すごい豪傑で人格者だったんだぁ。

  • 著者の小林よしのりさんの故郷である福岡で結成された玄洋社とその巨頭である頭山満を中心に、明治維新前後の日本及び中国朝鮮などの東アジアと欧米列強の世界情勢を捉えた作品です。右左問わず国を愛する事とは!
    頭山筆頭に玄洋社の熱い男たちの物語です。

  • 非常に面白かった。近代史の復習にもなった。NHKの大河ドラマだったらかなり視聴率稼ぐのではなかろうか。テロには屈しない、という言説が正論のごとく語られているが、言論の自由や民主主義が失われた時にはテロしかない時も来るのではないだろうか。

  • 小林よしのりは物語を紡ぐ。だから、その歴史上の人物がとてつもなく魅力的に見える。果たして実際がどうであるのか分からないが、今の政治家に語れるほどの物語はあるか?

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著者プロフィール

1953年8月31日生まれ。1975年、福岡大学在学中に初めて描いた漫画『東大一直線』が赤塚賞の最終候補で落選するが、雑誌に掲載され、大ヒットとなる。『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』など話題作多数。
●主な著書
『新ゴーマニズム宣言10』(2001、小学館)、『新・ゴーマニズム宣言Special 台湾論』(2000、小学館)、『新・ゴーマニズム宣言Special「個と公」論』(2000、幻冬舎)、『ゴーマニズム宣言9』(2000、幻冬舎)、『朝日新聞の正義』(共著、1999、小学館)、『自虐でやんす。』(1999、幻冬舎)、『国家と戦争』(共著、1999、飛鳥新社)、『子どもは待ってる! 親の出番』(共著、1999、黙出版)、『ゴーマニズム宣言 差別論スペシャル』(1998、幻冬舎)、『 知のハルマゲドン』(共著、1998、幻冬舎)、『ゴーマニズム思想講座 正義・戦争・国家論』(共著、径書房)、『教科書が教えかねない自虐』(共著、1997、ぶんか社)、『小林よしのりのゴーマンガ大事典』(1997、幻冬舎)、『小林よしのりの異常天才図鑑』(1997、幻冬舎)

「1997年 『ゴーマニスト大パーティー3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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