平成史

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093897761

作品紹介・あらすじ

「平成の謎解き」はこの一冊で十分!

「ユダヤ教に伝わるカバラの知恵という論理がある。光が収められた壺がある。だが時間が経つと壺にひびが入る。そこで新しい壺を用意する必要がある。入れ替えに失敗すると光は二度と元に戻らない。ここでいう光とは、日本固有の文化であり、国体であり、あるいは天皇なのかもしれない。それを出来るだけ早く新しい壺に入れ替えなければならない」――佐藤優

「平成は、生きているだけで充分という極相に達して「坂の上の雲」ならぬ「坂の上の平原」といえる。もっと成り上がりたいという気持ちはないが、墜ちることへの恐怖は強い。でも自己防衛には限界がある。そこで石橋を叩いてわたる。バブル崩壊の結果誕生した「平成人」とはそういう人々かもしれない」――片山杜秀

【本書内容】
モスクワから見た狂騒ニッポン/バブル崩壊でファミレス進化/宮崎勤事件と仮想現実/麻原彰晃作曲の大交響曲/神の手とSTAP細胞/小泉訪朝は失敗/ホリエモンは何者?/血のオリンピック/「逃げ恥」と冬彦さん/朝日新聞と日本陸軍の共通点/安倍談話は「戦後レジーム」追認/親子二代の「人間宣言」/ローカルルール消滅と企業不祥事・・・

ユダヤ教に伝わるカバラの知恵という論理がある。光が収められた壺がある。だが時間が経つと壺にひびが入る。そこで新しい壺を用意する必要がある。入れ替えに失敗すると光は二度と元に戻らない。ここでいう光とは、日本固有の文化であり、国体であり、あるいは天皇なのかもしれない。それを出来るだけ早く新しい壺に入れ替えなければならない――佐藤優

平成は、生きているだけで充分という極相に達して「坂の上の雲」ならぬ「坂の上の平原」といえる。もっと成り上がりたいという気持ちはないが、墜ちることへの恐怖は強い。でも自己防衛には限界がある。そこで石橋を叩いてわたる。バブル崩壊の結果誕生した「平成人」とはそういう人々かもしれない――片山杜秀

■平成を読み解く「ブック&シネマリスト」も収録








【編集担当からのおすすめ情報】
第一回目の対談は、2017年3月に行われました。その後も断続的に対談は行われ、本書完成に至るまで、計8回(約20時間)を数えています。

感想・レビュー・書評

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  • 「平成も遠くなりにけり」
    幸福感はないが、恵まれていた不思議な30年。

  • 平成の出来事総ざらいって訳にはいかないが、政治や経済における重要項目はおさえてある。30年って長いね。

  • 「平成とは様々な団体や組織が持っていた掟やローカルルールが適用されずに、文化が消滅していく時代だったと総括できる」のコメントに尽きるのかな?って気がする。悪しき文化は無くなればいいわけで、基本的には良い傾向であると思うのだが、可視化され透明性も高くなった分、平準化圧力も高まっている。ただし、これが個々の団体や組織の話であるのならよいのだが、世間という巨大な同調圧力に変化しているのなら注意が必要に思う。それは結果的に多様性や自由を認めないって事になりかねないから。
    全体的には時系列で話は進んでいくのだが、対談なので最近の話題を過去の出来事に適用しようとする箇所も多く、話が行ったり来たりするので少々読みにくい所はあるのだが、平成の30年間をざっとおさらいするには良本だと思う。
    流石に、この時点は米朝融和までは予測できなかったようで、危機感満載のコメントになっている所を読んでいると、過去を振り返るのは簡単だが、未来は予測できないものだなあとつくづく感じる部分もあった。

  • 失われた時代か

  • 佐藤優の胡散臭い世界観と片山杜秀のひ弱なアカデミズムがダラダラと続くダベリの記録。

  • 2018/12/9 対話形式。ためになる。欲しい。

  • 佐藤優と片山社秀の対談。主に政治・社会・経済について、平成の30年を論じる。年代順に様々な事件、出来事を捉えて、平成時代の変化、人の意識、社会の仕組み等の視点で語られており、大変面白かった。特にバブル崩壊から小泉・安倍政権の政策や大震災など、自分との関わりが強い出来事はよく覚えている。自分が知らない情報も多く、振り返ってみればなるほどと思うことも多かった。歴史は時間が経ってみないと判らない。著者の2人は、現在の平成の安倍政権には大変不満らしいが、時間が経ってみれば、見方が変わって、いい時代だったと思うようになるかもしれない。10年後に、もう一度この二人の対談を読んでみたいと思う。

  • 本書は、作家・佐藤優氏と慶應大教授・片山杜秀氏が平成という時代を、国内外の政治経済や事件・社会問題のみならず、小説・映画・音楽・テレビドラマに至るまで、幅広く語り合う一冊となっています。平成元年、佐藤氏はモスクワ日本大使館勤務、片山氏は慶応義塾大学博士課程の1年目でした。そこから約30年間、両氏がその時々の生活環境なども含めて分析していくので、より問題がわかりやすくなっています。

  • ・佐藤優さんによる物事の見方はいつも参考になる。過去の事柄であっても、今後を見据えた道標になり得ると思われる。
    ・安倍首相のパッチワーク的政治手法は、我々庶民にはそうと写らないが、マスコミフィルター及び思想の欠如がそうさせるということ。
    ・中間団体の喪失、寛容さに乏しくなったこと。平成の問題だったと思います。

  • 2019年28冊目。満足度★★★★☆

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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