僕の死に方 エンディングダイアリー500日

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著者 : 金子哲雄
  • 小学館 (2012年11月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093965200

僕の死に方 エンディングダイアリー500日の感想・レビュー・書評

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  • 41歳の若さで亡くなった流通ジャーナリスト金子哲雄さん。
    彼が最後の最後まで文字通り命をかけて綴った本書。
    ただただ圧倒された。
    彼の生き様、死様、あっぱれとしか言いようがない。

    肺カルチノイドと言う耳慣れない病気に罹った金子さん。
    日本でもほとんど症例もなく、有名な大学病院ですら診療を拒否したと綴られている。
    別名「がんもどき」とも呼ばれるそうで、癌に似ているが癌とは違う肺カルチノイド。
    この名前を少しでも多くの人に知ってもらい、今後の研究に役立ててほしいとの思いから、医師と相談して死亡診断書に「肺カルチノイド」と記載することを望んだそうである。
    金子さんの望み通り日本中の多くの人が彼の死によってこの病名を知ることになった。
    これだけもすごいことである。

    その他にも生前から自分のお墓を決める、戒名を決める、葬儀業者を決める、会葬御礼を書く、その彼の最後の最後まで自分をプロデュースし続けた姿には見習うべき点も多い。
    単世帯が増え続け、地域コミュニティが崩壊しつつある昨今において、自分の死後をどうするのか考える事は決して人ごとではない。
    私も人生折り返し。
    準備する事に早すぎる事はないだろう。

    それにしても金子さんの奥様のあとがきは涙なしに読めなかった。
    金子さんが執筆している文章にも当然奥様への愛がいたるところに見受けられるのだが、このあとがきを読むと奥様の金子さんへの思いがひしひし伝わってきてたまらなかった。
    素敵な夫婦だなと思った。
    奥様あってこその金子さんなのだなと。
    「僕が死んでも絶対に守るから」と言い残して去って行った金子さん。
    亡くなってもずっと金子さんはそばにいると言う奥様。
    こんな夫婦になりたいなと心から思った、一瞬。
    夫の姿を見るとすぐに忘れちゃうだろうけど(笑)

  • 読み終えた感想 心がざわざわして・・・『無』 
    自分の中にある価値観が、リセットされて「0」に戻るような・・・。
    メメント・モリ
    評価はつけられないです。

    読み終えて、ため息が出てきて・・・ぼーっとしてしまう。
    大きな大きすぎて、どうしたらいいのか分からない「もの」の
    一部に触れてしまったような感じで、とても重い。
    涙さえ出なかった。ざわざわする。

    私も一度死にそうになったことがある。
    その時は「自分は死ぬはずがない」と思っていたので怖くなかった。
    でも振り返って見ると、今は「死」が怖い。

    金子哲雄41歳 肺カルチノイドで闘病の末、在宅で治療し
    最期を迎える。
    ガン末期で在宅医療で、そうそう出来ることではない。

    本人も周囲も家族も強い意志がないと出来ないことだ。
    私だったら耐えられない。その重さに耐えられないだろう。

    ご本人も大変だったろうし、それを支えた奥さんも本当に
    大変だっただろう。
    実際に「在宅医療で最期まで自宅で・・・」と全て合意で決めている
    場合でも、「耐えられずに」救急車や病院に頼ってしまう患者や
    家族も多いという。。。

    意志を貫き通した立派な最期だったと思います。
    金子哲雄さん、奥様稚子さん 本当にお疲れ様でした。
    尊敬します。

    衝撃が去ってから・・・
    気持ちが落ち着いてから、また読んでみたいと思います。

  • 舌ったらずで眼鏡でちょっとぽっちゃりしてて、よくしゃべる人って印象の金子さん。
    いろんな情報番組に出てて、
    それがいつの日か凄く痩せていて・・・
    ダイエットをしたとその時聞いたけど、違った。
    それは本にも書いてあったけど、
    病気の事は伏せて、ずっと亡くなる直前まで仕事をし続けて。

    情報を提供し続けたい、みんなを喜ばせたいって気持ちが凄い。
    病気が発見されて、もういつ死んでもおかしくないって言われながらも、
    仕事を休もうとしなかった。

    スーパーのチラシと、女性週刊誌で育ったという金子さん。
    まさに主婦の味方。消費者の味方。

    金子さんの手記の後に、奥さんのあとがきも。
    あとがき最初のアーモンドチョコの話。
    金子さんの話もリアルな事なんだけど、
    奥さんのチョコの話で、もっとリアル感が胸に押し寄せました。

    とても読みやすいし、いろんな人に読んでもらいたい。

    改めてご冥福をお祈りします。

  • 昨年、突然の訃報に心底びっくりしたのはまだ記憶に新しい。
    さらに、その後まもなく本書が発刊されてさらに驚いた。
    病気を隠して仕事をつづけつつ、こんなものまで用意していたのか…。

    余命わずかの闘病記として読むには、ショックで泣き続けた、との描写はあっても、あまり悲愴感は感じられない。ひたすらに、どうすれば自分がお世話になった人に迷惑をかけずに仕事を続けられるか、感謝を返せるか、そのことに心血が注がれている。
    信じられないほど前向きで、常に周囲の人に喜んでもらうことを第一に考え、自分にできることを全うしようと、本当に今際の際まで仕事を続けた金子氏と、それを全身全霊で支え続けた奥様。
    お二人にただただ敬服するしかない。

    奥様の綴るあとがきは涙なしでは読めない。
    深い愛情にあふれたご夫婦だったんだな…。

    悔いなく生きるとは。心残りなく死ぬとは。
    終末期医療の在り方まで考えさせられる、深い一冊です。

  • 死について知りたくて読書。

    実は著者の映像はあまり見たことがない。亡くなってから初めて知ったに等しい程度だった。

    人は目前に迫り来る死とここまで対峙できるのか。自分の抱えている悩みなんて小さなと思い知らされた。本人が死の直前まで書き残し、最期は奥さんがあとがきとして書き添えている。このあとがきで機内号泣。すごい人、すごい夫婦だ。

    亡くなる直前までの膨大な仕事量。もし、仕事量を減らしていたら、延命したのだろうか。いや、むしろ、著者の場合は、逆だったかもしれない。

    幼少期から流通ジャーナリストになるまでの過程。奥さんのこと。仕事たにする思いも綴られている。

    肺カルチノイドという名称をもっと知ってしまうために死亡診断書に書いてもらうように生前に依頼していたなんてきっと自分にはできない。

    がん治療の現実や大学病院の話は衝撃を受ける。1999年に恩師を肺がんで亡くしたことを思い出す。

    自身の命が燃え尽きようとしているのに周りの感謝の言葉があふれる。そんな素敵な本当に惜しい人を亡くしたと思う。著者が死がしっかりと生かされることを願うばかりだ。

    読書時間:約1時間30分

  • 突然重篤な病を宣告され、死の淵に立たされたとしても、
    たとえ1%でも命を繋ぐ希望が残されていたら、
    どんなことをしてもそれに賭けてみようと思うだろう。
    蜘蛛の糸のような希望でもそれに縋り、生きる糧にするだろう。
    でももしも、1%の希望さえないとしたら...。

    金子さんはその暗闇の中を、仕事を唯一の糧に限られた命を生き抜いた。
    それは生き地獄だっただろう。
    しかし仕事を通して人を喜ばせたいという、
    利他の念が生きる勇気を与えてくれたんだろう。
    「肺カロチノイド」という特殊な病を、少しでも多くの人に知ってもらい、
    治療法の確立に役立てたいとの思いもあり、この本を執筆されたそうだ。
     
    最後は赤ちゃんのような顔になっていたとのこと。
    苦しむことなく、眠るように逝かれたこと、それだけが救いだった。
    貴重な体験を遺して下さったこの本は、
    現在闘病中の方をはじめ、多くの人の支えになると確信します。

  • この本を読み終えて間もなく、
    東京へ出かける用事があったので、
    これも何かのご縁だと思って、
    金子さんの眠る心光院を訪ねました。
    11月24日のことです。

    著書の中でも触れているように、
    確かに金子さんの眠るそこは、東京タワーの真下にあり、
    見上げると東京タワーが。
    それでいてそこだけはとても静かで、不思議と落ち着く空間でした。

    金子さんのお名前も確認することができて、改めてそこに埋葬されている事実を受け止め、ここへ足を運ぶ前に読んだ内容を思い浮かべながら、
    悲しみと言うよりは、淋しさを感じながら、
    ゆっくりと手を合わせ、祈りをささげました。

    難しいことと言えば、耳なじみのない病名くらいで、
    それ以外は、最期まで生き抜いたひとりの人間の、
    壮絶な日々が、優しい言葉で淡々と綴られており、どちらかというと金子さんはもとより、奥様の稚子さんに感情移入してしまい、涙することが多かったのは、わたしも妻だからでしょうか。

    金子さんは他に3人ご兄弟がいたそうですが、
    どの方も短命だったらしく、自分がいちばん長く生きられたと。
    それでもこの時代に41歳はさすがに若すぎますよね。
    わたしもそう思います。

    道半ばにしてその生涯を閉じなければならない悔しさは、
    さぞかし計り知れなかったことと思います。
    いろんな人生の終わり方があるけれど、
    生き方って最期まで、その人が出るものなのかもしれないと思います。

    もう、正直最初から最後まで涙なしには読めない1冊なんですが、
    感情的に読み終わるのではなく、自分の生き方に、最終的には最期の瞬間に、生かしていくべき内容だと思いました。

    エンディング的な作品は、何冊か読みましたが、
    年代が近いからか、金子さんのこの1冊が今まででいちばん印象的です。
    (余談だが「エンディングノート」は映画作品として印象的)

  • 読み終わっていろいろな言葉を探すが、うまく出てこない。妻稚子による「あとがき」に、死の近づいた金子を見舞った人が「悲しいというより、美しい景色を見た時のような気持ちで、涙が出てくる」と言ったことが書かれているが、本書の読後感もそれに近いように思われる。何か一編の美しい小説を読み終わったような清々しささえ感じられる、尊い読書体験だった。

  • 自分の葬儀のこと、遺産のこと等、死後のいろいろなことを決めておくエンディングノート。死ぬのはまだまだ先(っていうのも変な言い方だけど)だという状況下でなら落ち着いて作れるのだと思うけれど、余命わずかのときにそれを作るのはとても強い心を持っていないと出来ないと思う。
    病気にかかっていなくても、人間いつ何が起こるかわからない。逝ったあと家族を困らせないためにどうしたらいいかを考えておくべきだとつくづく思いました。

    金子さん、尊敬します。

  • 60代、70代、80代の理想の自分を具体的に描いて突っ走ってきた金子さんが、41歳という若さで亡くなる無念さと、一人残すことになる妻への配慮、亡くなる前日まで雑誌の電話取材を受けていたほどの仕事に対する姿勢。涙なしには読めない本でした。「地域医療が抱える問題を放置して死ぬことはできない」という、この本に込められた金子さんの思いが、無駄にならないことを願います。病気を周囲に隠しながら仕事を続け、ネット上で心無い書き込みを見た時のエピソードや、最後まで献身的に支えた奥さんや医療関係者の方々の姿は、誰もが知るべき事実だと思います。ご冥福をお祈りします。

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僕の死に方 エンディングダイアリー500日の作品紹介

突然の余命宣告。絶望の中でやがて彼は「命の始末」と向き合い始める。その臨終までの道程はとことん前向きで限りなく切なく愛しい。これは41歳で急逝した売れっ子流通ジャーナリストの見事な死の記録である。

僕の死に方 エンディングダイアリー500日の文庫

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