逆説の日本史〈5〉中世動乱編 (小学館文庫)

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著者 : 井沢元彦
  • 小学館 (1999年12月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094020052

逆説の日本史〈5〉中世動乱編 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 今回は、鎌倉幕府の成立から御成敗式目の制定までが扱われています。

    平安時代以降の中央の土地をめぐる政策に不満を抱き続けてきた武士たちが、自分たちで政権を作ろうとしたのが幕府だったとする見方が、本書の全体を貫いています。戦術の天才だった源義経は、武士による政権を作るために努力していた兄・頼朝の意図を理解せず、そのために頼朝に討たれることになったとされます。さらに同じ観点から、北条氏による源実朝殺害に至るまでの鎌倉時代初期の歴史の流れが解説されています。

    一方、北条泰時が制定した「御成敗式目」は、武士の「道理」を実現するものでした。著者はそこに、現代にまで続く日本人の「自然」理解を読み取ろうとしています。

    今回は主題が絞られているためか、政治的な発言がさしはさまれるのもあまり気にならず、おもしろく読むことができました。

  • 平家から源氏への政権交代は、源平の合戦で語られる両家の争いではなく、従来の公家政治と新興の武家勢力との争いであり、東国武家の棟梁である源氏が、公家政治を打ち破った戦いといえる。そして、源氏が3代で滅び、北条執権政治に移行したのは、源氏が東国武士集団の御輿に過ぎなかったことの証左である。そして北条泰時による「御成敗式目」によって武家政治が確立されたと解釈される。

  • この巻では、平安時代末期から鎌倉時代の事柄を著者の眼点で論じています。私としては、前巻までとは物足りないと思いますが、「源頼朝」の運命と言いますが人生に係わった人物の運命まで書かれています。そのため普通の歴史関係の書籍とは違います。

  • 平安末期~鎌倉時代に焦点をあてる。前4巻とは異なり、一級史料が多く史実の信頼性も高い時代のため、通説をなぞり細部を反証するスタイルになっている。論理の著しい飛躍がないため筆者にはむしろこちらのほうが性に合っている気がした。

    鎌倉幕府成立前後は中世日本史の山場なので面白くないわけがない。これまでのような通説を覆そうとする派手さはないものの、「源平合戦ではなく、実は源源合戦だった」といった逆説はとても興味深く納得感も高い。

    ・源頼朝と北条一族編
    ・源義経と奥州藤原氏編
    ・執権北条一族の陰謀編
    ・悲劇の将軍たち編
    ・北条泰時と御成敗式目編

  • 本巻で著者は、義経のアイドルとしての人気が、判官贔屓につながった、すなわち、「怨霊のタタリを予防するための「心構え」が「和」であり、それでは防ぎ入れずに発生してしまった怨霊への対症療法が「神として祀ること」および「判官贔屓する」ことなのである。」として、怨霊信仰と「和」の精神から判官贔屓の由来を説明している。また、明恵の「あるべきよう」=「日本自然教」が朝廷と幕府が併存する「朝幕併存体制」を成立させた、と説く。

  • (「BOOK」データベースより)
    源氏はいかにして平家を打倒し、武士政権を樹立していったのか。その解明の鍵は“源源合戦”にあった。また、義経は「戦術」の天才でありながらも頼朝の「戦略」を理解することができなかった。日本人が八百年にわたって錯覚してきた『平家物語』、そして「義経伝説」の虚妄を抉る。

  • 源氏勝利の奇蹟の謎

  • 本書では、井沢氏の主張してる、日本歴史学の三大ダメ主義の影が比較的薄い。

    ただ、その分析、考察は相変わらず鋭く、目鱗も多い。かえって、古代編よりも切れ味は鋭いと思う。

  • 相変わらず切り口は面白いし、「なるほど」と膝を打つことも多いのだけど、ふと疑問に思ったのは「自分たちの感性をどこまでこの時代に適合させていいんだろう?」ってこと。

    「怨霊」について現在とはまったく違う考えが膾炙していた、という主張はとても説得力がある。
    じゃあ
    「あいつ、向こうの仲間に入りやがって」
    とか
    「戦術を優先させて、戦略を台無しにするのは愚かな行為だ」
    とか、僕からしたらもっともな感情は、はたして当時はどうだったんだろうね。

    ほんの数十年前の小説を読んでも、たとえば貞節に関する感覚なんか今とまったく違ってたりして、だから僕たちが素朴に「アプリオリな感性・態度」と思っているものも、実は時代の産物かもしれない。
    なんかそんな想像をしてみた読後数時間。

  • ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目から鱗。考えさせられます。

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逆説の日本史〈5〉中世動乱編 (小学館文庫)の作品紹介

源氏はいかにして平家を打倒し、武士政権を樹立していったのか。その解明の鍵は"源源合戦"にあった。また、義経は「戦術」の天才でありながらも頼朝の「戦略」を理解することができなかった。日本人が八百年にわたって錯覚してきた『平家物語』、そして「義経伝説」の虚妄を抉る。

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