逆説の日本史7 中世王権編(小学館文庫): 太平記と南北朝の謎 (小学館文庫 R い- 1-7)
- 小学館 (2003年2月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094020076
感想・レビュー・書評
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これまで最もなじみの薄かった南北朝から室町幕府について実に分かりやすく、興味深い内容だった。天皇になろうとした義満、恐怖の魔王と呼ばれた義教、室町幕府を代表する将軍が共に暗殺されている事実(歴史学的にはそうではないようだが・・・)が衝撃であり、この時代を知る一つの大きな鍵だと思われる。
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筆者の持ち味の良さは、一級史料の豊富な中世以降の歴史考証のほうが生かされるように感じた。毒があった刺もとれ、暴走もほどほどに、安易に怨霊主義に至ることもない。特に仏教や中国古典への深い造詣、尊氏と直義からの絶対的権力と平和の関係の洞察、『大乗院日記目録』を例とした現代の日本史教育への批判の鋭さに驚かされる。
第一巻のインパクトは強かったが、この第七巻はそれに続く面白さである。
・尊氏対後醍醐編
・『太平記』に関する小論編
・尊氏対直義編
・「日本王国」足利義満の野望編
・「恐怖の魔王」足利義教編 -
粗いのだろうと思うが、面白い。足利幕府、南北朝。尊氏、義満、義教、後醍醐天皇。
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(「BOOK」データベースより)
日本歴史上未曽有の戦乱期、その記録をなぜ『太平記』と名付けたのか?“天皇家乗っ取り”という野望成就を目前にして急死した足利義満は暗殺されたのか?数々の謎を秘めた南北朝の世に斬り込む逆説の日本史シリーズ文庫、待望の最新刊。 -
太平記と南北朝の謎
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足利義満、義教この二人に関しては、教科書以外、何の知識もなかった私に驚きをもたらした。
やはり、このシリーズは、ヘタな推理小説より面白い。 -
絶対権力が確立したとき、社会は平和になる。
井沢氏の言うことは正しいと思う。
足利幕府は諸大名の統制が取れずに戦国時代を招いた。
反対勢力を徹底的につぶした徳川家康は300年の平和の礎を築いた。
このように違う時代を比較する事で見えてくることがある。
第7巻では、足利義満~足利義教の時代が書かれている。
くじ引きで選ばれた将軍である義教が、織田信長の先駆者とも言える存在だとは知らなかった。
また一つ勉強になった。 -
ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目から鱗。考えさせられます。
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どちらかというとわかりにくい室町時代の流れがよくわかる。優柔不断ゆえに強い幕府ができなかった尊氏、天皇になろうとした義満、信長の先駆けともいえる義教など。