逆説の日本史7 中世王権編(小学館文庫): 太平記と南北朝の謎 (小学館文庫 R い- 1-7)

著者 :
  • 小学館
3.59
  • (24)
  • (58)
  • (91)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 587
感想 : 37
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094020076

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • これまで最もなじみの薄かった南北朝から室町幕府について実に分かりやすく、興味深い内容だった。天皇になろうとした義満、恐怖の魔王と呼ばれた義教、室町幕府を代表する将軍が共に暗殺されている事実(歴史学的にはそうではないようだが・・・)が衝撃であり、この時代を知る一つの大きな鍵だと思われる。

  • 筆者の持ち味の良さは、一級史料の豊富な中世以降の歴史考証のほうが生かされるように感じた。毒があった刺もとれ、暴走もほどほどに、安易に怨霊主義に至ることもない。特に仏教や中国古典への深い造詣、尊氏と直義からの絶対的権力と平和の関係の洞察、『大乗院日記目録』を例とした現代の日本史教育への批判の鋭さに驚かされる。

    第一巻のインパクトは強かったが、この第七巻はそれに続く面白さである。

    ・尊氏対後醍醐編
    ・『太平記』に関する小論編
    ・尊氏対直義編
    ・「日本王国」足利義満の野望編
    ・「恐怖の魔王」足利義教編

  • 粗いのだろうと思うが、面白い。足利幕府、南北朝。尊氏、義満、義教、後醍醐天皇。

  • (「BOOK」データベースより)
    日本歴史上未曽有の戦乱期、その記録をなぜ『太平記』と名付けたのか?“天皇家乗っ取り”という野望成就を目前にして急死した足利義満は暗殺されたのか?数々の謎を秘めた南北朝の世に斬り込む逆説の日本史シリーズ文庫、待望の最新刊。

  • 太平記と南北朝の謎

  • 足利義満、義教この二人に関しては、教科書以外、何の知識もなかった私に驚きをもたらした。

    やはり、このシリーズは、ヘタな推理小説より面白い。

  • 絶対権力が確立したとき、社会は平和になる。
    井沢氏の言うことは正しいと思う。
    足利幕府は諸大名の統制が取れずに戦国時代を招いた。
    反対勢力を徹底的につぶした徳川家康は300年の平和の礎を築いた。
    このように違う時代を比較する事で見えてくることがある。


    第7巻では、足利義満~足利義教の時代が書かれている。
    くじ引きで選ばれた将軍である義教が、織田信長の先駆者とも言える存在だとは知らなかった。
    また一つ勉強になった。

  • ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目から鱗。考えさせられます。

  • 1300年代初頭から1400年代中盤にかけての室町時代前期、南北朝時代についての巻である。
    太平記のタイトルに込められた作者の後醍醐に対する批判や、22巻を境に作者と思想が変わっていただろうとする井沢氏の持論には説得力がある。
    足利義教が目指した権力集中政策(恐怖政治)については、本書で初めて知った。歴史教育の中でもっと協調されてよい事柄である。

    目次
    第1章 尊氏対後醍醐編
    第2章 「太平記」に関する小論編
    第3章 尊氏対直義編
    第4章 「日本国王」足利義満の野望編
    第5章 「恐怖の魔王」足利義教編

  • どちらかというとわかりにくい室町時代の流れがよくわかる。優柔不断ゆえに強い幕府ができなかった尊氏、天皇になろうとした義満、信長の先駆けともいえる義教など。

全37件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井沢元彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×