逆説の日本史9 戦国野望編(小学館文庫) (小学館文庫 い 1-9)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094020090

作品紹介・あらすじ

国民的ベストセラーシリーズ最新刊

歴史ノンフィクションの傑作シリーズ 待望の文庫最新刊「戦国野望編」。日本史上最大の価値転換の時代を勝ち抜いた天下人の資質を徹底検証する。武田信玄の限界編「戦国最強の騎馬軍団と経済政策」織田信長の野望編「天下布武と平安楽土の戦略」など下克上の時代を先頭をきって生き抜いた戦国武将の人間ドラマを追いながら混迷の時代に勝ち残る条件を探る“井沢流歴史観”の白眉、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 琉球から倭寇へ。さらに戦国の信長の上洛までを綴った巻。倭寇に関しては濡れ衣の感を大きくし、信長は旧体制の破壊者であることを分析。
    井沢氏は信長が好きなんだなと感じる。

  •  琉球王国の歴史には疎いので、勉強する機会が得られてよかった。
     本巻では倭寇に関する誤解を解いている。
     日本人が戦国時代に憧れる理由として、「この時代が最も『非日本的』な原理の時代である」という指摘は面白い。
     246頁、三浦道寸の辞世「討つものも討たるるものも土器(かわらけ)よ 砕けて後はもとの土くれ」は、その昔、カゴ直利の学習まんが北条早雲編で知った。懐かしい。
     武田信玄が天下を取れない訳もよく解った。

  • 独自の歴史観が面白い

  • この巻では、沖縄の歴史をひもとき、倭寇の正しい姿を解説し、さらに中国の冊封体制と種子島の鉄砲伝来との関係について説明するところからはじまっています。著者は、現代の日本人にとってこれらの史実がもつ意味を正しく認識することがむずかしいといい、シドニー五輪で柔道の篠原信一がいわゆる「世紀の大誤審」により金メダルを逃した事件に言及することで、現代の国際社会において日本人が心に留めておかなければならない教訓を読み取ろうとしています。

    後半は、毛利元就、武田信玄、織田信長という三人の戦国武将がとりあげられます。「戦国大名はだれもが天下統一をめざしていた」という理解は、じつは信長によってその偉業が成し遂げられたことによってはじめて多くの人びとの常識として受け取られるようになったのであり、彼以前の戦国大名にはそのような考えがなかったと著者はいいます。こうした観点から信長と信玄を比較する議論は、たとえば批評家の秋山駿が著書『信長』(新潮文庫)のなかでおこなっており、著者の議論もそれを踏襲するものとなっていますが、著者自身の見解も付け加えてよりいっそう詳細に信長のおこなったことの画期的な意義が解き明かされています。

  • 信長さんの成功について
    「目的を定め、具体的な計画を作成し、それを強烈な意思で実現する、何事も成し遂げるには、これが一番必要~」とあり、なるほどな~と思いました。

    信長さんは楽市楽座等で経済力をつけ、兵農分離を行って休耕期以外でも兵を派遣できるようにするなど、かなりの改革を行っていて、スゴイなぁ…と思いました。

  • 本巻は、琉球史、倭寇、そして戦国時代。北条早雲、毛利元就、武田信玄を取り上げた後、織田信長へ。信長のことは、天才、真の英雄と大絶賛。

  • 3章から読書。戦国時代を「和」の転換期と捉える発想が面白い。井沢氏の著作の面白さは、足利義満にスポットライトをあてるなど、埋もれてしまった歴史的人物の功績を再検証するところにある。司馬遼太郎に似ているかもしれない。本巻で言えば北条早雲。そして織田信長と同列に毛利元就を取り上げる視点も興味深い。現代と江戸時代からみた人物評価の違い、兵農一体の信玄公の限界、そして信長の独創的天才性など。長篠の戦前の司馬氏の梅雨のエピソードは、まさに井沢氏が提言したいことの本質だろう。シリーズ当初にあった、暴走感も(多少)取れ、史学書としても十分面白い。

    第1章 琉球王国の興亡編
    第2章 海と倭寇の歴史編
    第3章 戦国、この非日本的な時代編
    第4章 天下人の条件1
    第5章 天下人の条件2

  • 鉄砲の伝来と倭寇の謎

  • 琉球史、倭寇の真実など知らないこと満載。
    特に、わこうにかんしては、著者の記述してる事が、真実ならかなり認識を改めなければならない。
    一体、私は学生時代何を学んだのでしょう。

  • 沖縄の貿易立国の話題から始まり、種子島の鉄砲伝来はポルトガル人の商戦だったという説は興味深い話の流れだ。鉄砲という本体は無料または低価格でユーザーにプレゼントし、硝煙という消費材を購入し続けるよう仕向けるという戦略は現代にも通じるところがある。
    毛利元就の三本の矢の裏話なども面白い。
    信長の戦法として、戦勝地にて略奪などをさせずに住民の好感度を高めたというスタイルは、チェゲバラのゲリラ戦にも見られた手法である。

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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