貧乏は正しい! (小学館文庫)

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著者 : 橋本治
  • 小学館 (1997年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094022216

貧乏は正しい! (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 個人的には、橋本治氏は、業績に比べて、
    日本で一番過小評価されている作家だと思います。
    作家という枠に、入れてしまうのも、どうかなと思うぐらい、
    創造的仕事をしています。
     この『貧乏は正しい!』も91年に書かれたとは、
    思えないほど、氏の日本に対する批評は当たっています。
    この一連の著作では、氏は「資本主義という制度は終わった」と、
    昭和が終わって平成になる時に言及しています。

     昭和64年そして平成元年と言えば、プラザ合意からバブル崩壊までの間の、
    ちょうど絶頂期です。その時期に「資本主義はもう終わってる」と言うこと自体
    並外れた知性と分析力、そして創造性を持っていると思います。
    出版されて30年近く経とうとしますが、今読んでも、
    面白いと思います。脱帽すること必須です。

  • シリーズ第1弾。「バブルがはじけた」といわれた1991年から『ヤングサンデー』誌上で連載されたコラムをまとめた本です。バブルの崩壊によって、それまで当たり前とされてきたことが終焉を迎えたと著者は言い、そのときにどうするかを考えてほしいと若者たちに語りかけています。

    第1弾の本書では、「現在の自分」がテーマとなっていて、「若い男は貧乏である」というテーゼから始まって、ソ連の現状分析やサブカルチャー論などの長い迂回を経て、現在の日本社会の中で生きるということはどういうことなのか、という議論へと戻ってきます。

    ソ連の分析では、現在自分が感じている不便さを、あるべき社会の形へと想像力によってつなぐことができず、仕方なくそれまで当たり前だと思われていた生き方を続けていくほかない人間の姿が、戯画的に描き出されます。次に、現在のサブカルチャーの隆盛を作り出した人びとは、ゴミの中に創造性を見いだしたのに対して、今の若者たちはお仕着せのサブカルチャーを「それが当たり前」だと思って享受していることが論じられます。

    その上で、『ヤングサンデー』というサブカルチャーを扱う雑誌を読んでいる「若い男」に、いつまでも「少年」=「まだ社会の中で生きていないもの」でいるわけにはいかないという真理が提示されます。現在の自分はどこにいるのかを正しく認識し、社会の中で生きていくことについて考えなければならないと主張されます。

    しかし、この人の本ほど、要約することに意味がないという本も珍しいですね。

  • バブルとは何ぞや?を簡潔に橋本節で
    説いてくれます。数字や情報ではない
    解説に感銘を受けました。

  • 昔読んでて面白かったけど今はあんまり

  • 超おもしろい、超楽しい橋本治さんの著作のなかでも、飛びぬけた力作。なんたってコロコロコミックに連載してた経済論をまとめたというから驚き。私はコロコロを読んでいなかったけど、彼に啓蒙された男の子も多かったと思う。経済学に興味なくても問答無用でおもしろいシリーズの第一段。

  • シリーズ読了。
    橋本治は、シリーズを最後まで読んで、圧巻。
    その視点におどろくばかり。

  • 高校時代だったか、父親の本棚より拝借して感銘すら覚えた名著。「若い男は本質的に貧乏である」で始まる書き出し。そして「貧乏でなくなったらそいつは若い男じゃない」というふうに裏を返し、一つの意見を上下左右表裏無数の側面から語りつくして読者の理解を誘いつつ、最後は自分の我を通してるだけなのになんとなく納得させられる、橋本治の歴史観、話術ともに冴え渡り、まさに魅せられてしまった名著。もう過去の話が話題になっているが、それでも「本当のこと」は今でも変わらない。社会主義が破れ、資本主義が勝ったなどという単純な歴史ではなく、ともに倒れたんだから「次」を探さないと、という視点にたって書かれている。まだ歴史は「次」を見つけていないのではないだろうか。その意味ではいまだ色あせていないと思う。

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