貧乏は正しい!―ぼくらの東京物語 (小学館文庫)

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著者 : 橋本治
  • 小学館 (1998年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094022230

貧乏は正しい!―ぼくらの東京物語 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • シリーズ第3弾。本書は、「現在を成り立たせる地域と社会」がテーマとなっていて、イナカとは何か、東京とは何かが論じられています。

    著者はイナカの過疎問題を、これまでの「当たり前」が通用しなくなった現代社会の縮図として捉えています。イナカに暮らす老人たちは、「ここはこんないいところなのに、どうして若者は出て行ってしまうのだろう」と言います。しかし彼らは、老人中心の暮らしやすさが若者にとっての暮らしやすさと同じなのか、という問いには思い至りません。

    一方で、イナカを出て行く若者たちは、都会が魅力的だから都会に出てきたわけではないと、著者は言います。過疎問題とは、都会に出た若者がイナカに帰ろうとしないことにほかならないと喝破し、同様の問題は、現代の東京に暮らす「若者」たちにもあるのではないかという問いを投げかけます。「トーキョーだって、所詮は「巨大な地方都市」でしかないのかもしれない」のです。もしそうだとすれば、現在東京に暮らしている若者たちも、これまでの社会が持つ魅力にもはや惹かれなくなってきているということになります。そして、イナカの老人たちが、なぜ若者がイナカに帰らないのかが理解できなかったように、現在の社会を築いてきた「大人」たちも、なぜ「若者」たちが現在の社会に魅力を感じなくなっているのかが理解できないということになります。

    こうして、そうした社会で「若者」たちはどう生きていくべきなのか、という、本シリーズの中心テーマへと話がつながることになります。本書の最終章は「若い君たちにお願いしたいことがある」というタイトルがつけられており、今の「若者」たちが、やがてこの社会を支えていく「大人」になること、だからこそ、「若者」たちに現在の社会の行き詰まりを「関係ない」と言ってほしくない、ということが語られます。

  • 選挙、行きましたか? 私は行きました。
    この国のマスメディアでは、言論人は大抵が
    どこに投票したのか言わないのですが、
    私はこういうのは不健全だと思います。
    恥をかいてでも、ファンを狭めてでも、
    どこに入れたか、はっきり言った方がいい。
    (その点で、私が好感を抱いているのは
     討論番組の時のえなりかずきです。
     前回の郵政選挙のときには
     「自民党に入れたけど、今は後悔している」と
     率直に語っていました。
     この手の番組では「理想の孫」としてではなく
     「いまどきの若者」として出演しているのがいい)

    この間の参院選では、迷うことはありませんでした。
    堂々と、若尾文子に一票を投じました。
    七十にしてあの色気、あのオーラ。
    二流スター扇千景ごときが幅を利かせている政界に、
    あの大スター若尾文子様が乗り込んだら、どうなるか?
    夫・黒川紀章が落選して妻だけが当選したらどうなるか?
    それを想像するのはとても楽しかった。
    残念ながら彼女は落選しましたし、
    共生新党は夫の死によって消え去ったようですが、
    今でも自分の判断に悔いはありません。

    私はいわゆる「無党派層」で、
    投票したい党なんてない。全くないんです。
    それでも選挙に行くのはなぜか。
    その論理的支柱になっている本が
    橋本治『貧乏は正しい! ぼくらの東京物語』です。

    「私の投票した候補者が当選したことは一度もない」
    「私は「死票」ばっかりを入れている」
    という橋本治は、
    それでも選挙に行く理由をこう説明する。

    「無関心のままでいると、いざという時、
    関わりを持たなきゃいけないような事態がやって来た時、
    関わりの持ち方を忘れちゃうから」と。

    そのあとの煽りが、読み応え抜群です。
    (「ヤングサンデー」連載なので、
    若者に向けて書かれています)
    長い引用になりますが、どうか読んでください。


    人間は、どんなものでも、慣れて覚えて行く。(略)「好きでもないこととは関係を持つことが出来ない」と言って、それに慣れようとしないでいると、そのことがスッポリと抜け落ちてしまう。(略)人間は「いやだ」と思って、そのことに慣れようとした分だけ、自分の領域を広げることが出来る。それをしなくちゃいけないね。

    参加することを忘れて、観客のままでい続けるとどうなるか? きみはレベルの低い観客になる。それだけのことなんだ。
    (第7章その4「きみにだって権利はある」より)


    橋本治ならではの名調子ですね。
    観客のままでいること、雲の上から政治を批判すること、
    これは確かにかっこよさそうな感じがします。
    でも、かっこわるくても、慣れないより慣れた方がいい。
    選挙の手順を肌で感じ、「いやな決断をしたなあ」
    と思いながら政治のニュースを見ている方がいい。
    今の私は、そう思います。

    ところで今回の衆院選。
    一つの党がずっと政権にいるのは不健康なので
    政権交代は絶対にあるべきだと思っていましたが
    民主党が好きなわけでは決してないので、
    小選挙区では白票を投じ、
    比例代表では、迷いましたが、
    結局みんなの党に入れました。
    投票所に貼ってあった
    「みんな」というひらがなに脱力して、
    つい笑っちゃったんですよね。
    投票したのは、その笑いの力です。
    翌日の新聞で、みんなの党の
    九州ブロック比例候補を確認しました。
    すると、郵政選挙のときの「刺客」だった
    広津素子という人だったことが判明。
    私はあの面々が好きではなかったので、
    ああ、受からなくてよかったなあ……
    と、胸をなでおろしたのでした。

    いい加減な投票理由ですが、とりあえずは
    こういう姿勢で参加していこうかと
    考え... 続きを読む

  • 図書館本のため期限切れ最後まで読めなかった・・・表現の仕方がくどい

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