催眠 (小学館文庫 R ま- 2-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094032512

感想・レビュー・書評

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  • タイトルである「催眠」と聞いて想像するのは催眠術であり、催眠療法であろう。

    本作ではその二つが見事に絡み合う。

    ニセの催眠術師である実相寺が出会った女は自分は「ワタシハ、友好的ナ、ウチュウジンデス」と叫び始めた。

    不思議な女との出会いから始まる本作は人々がイメージするかも催眠術や催眠療法を見事なまでに融合し、人の内なる心の世界が描かれていた。


    説明
    内容紹介
    ある嵐の晩、ニセ催眠術師・実相寺則之の前に突然現れた色白の女。稲光が走り雷鳴がとどろく中、突如女は異様にかん高い声で笑い出し、自分は宇宙人だと叫び始めた──肝を潰す実相寺の前で、その女が見せた異常な能力とは? そして女の前に現れた東京カウンセリング心理センターの催眠療法科長・嵯峨敏也が見抜いた女の能力の秘密とは? 複雑な精神病理と医療カウンセリングの世界を一級の娯楽作品に仕立てた話題のベストセラー。
    出版社からのコメント
    1999年6月全国東宝系公開!驚愕のサイコ・ノベル

  • 多重人格障害を患うひとりの美女を取り巻く、
    偏見・好奇心・無理解・・・。
    その状況を“ほうっておけない”
    プロの心療カウンセラー達の闘いを描く。

    妖しげな“表紙絵”と“催眠”というオカルトチックなキーワードに
    好奇心をそそられてつい手にとりましたが、
    これこそ正に小説で触れられた世間の偏見なのでした…。
    催眠とは、本来怪しいものじゃないぞと。

    小説の中身は、その偏見と闘うプロの心療カウンセラー達の活躍を描きます。
    そして恋や仕事に挫折して悩む彼らの人間的魅力も描きます。

    映画「催眠」(1999)※稲垣吾朗、管野美穂主演の原作となりましたが、
    サイコホラー満載の映画のストーリーは原作とは異なります。

    大筋とはあまり関係がありませんが、興味深かったのが、パチンコの件です。
    「最近のパチンコは催眠をかけている」というのです。
    ほとんど手を動かさず画面にぴったり顔を近付ける椅子の配置、派手な電飾、単調な音・・・。
    暗示・催眠にかかりにくい人は問題ありませんが、
    かかりやすい人は半ば催眠状態に入ってしまうらしいです。
    大儲けできるかもという暗示を持ってトランス状態に入るから、
    ぼーっとしてお金をつぎ込み続けるらしいです。
    信じるか信じないかは あなた次第です!

  • 覚えたばっかの言葉使っちゃうよ。
    間違いなくページターナーな本!!
    次々にページを捲らずにいられない、ぐんぐん読んじゃう。
    すなわち、夏休みに子どもが居る家で読むには不適格(^^;
    全て投げ出して最後まで一気読みしたくなるぅ~。

    ただ、『ブラッドタイプ』の時も思ったけど、この人の作品てすっごい面白いんだけど、どっか小っさな違和感が残る…。
    いや。もちろん物語を楽しむのに、何の支障もない程度のものなんだけど
    どうしても相容れないモノがひっかかるんだよね。

    突拍子もないことが次々起こるように見えて、実は予定調和に向かって一糸乱れぬ言動を各人がとるあたりも…、あ、リアリティがない女性登場人物に物語を回収させようとするのが原因かナ?どうしても想定外に弱い男性作家ってイメージが払拭できない。

    だから、毎度、こんなに楽しんでも、「この人の本続けて読もう♪」キャンペーンは張らないんだな私。

    桂サンおすすめの本。
    臨床心理士の彼女はどんなふうに読んだんだろ??

  • 1997年の作品。オウム事件の余波冷めやらぬ時代、オカルトや催眠や洗脳という言葉に対する警戒感の強かった時代を強く反映している。

  • 昔読んだ本

  • 2017.7

  • ある嵐の晩、ニセ催眠術師・実相寺則之の前に突然現れた色白の女。稲光が走り雷鳴がとどろく中、突如女は異様にかん高い声で笑い出し、自分は宇宙人だと叫び始めた──肝を潰す実相寺の前で、その女が見せた異常な能力とは? そして女の前に現れた東京カウンセリング心理センターの催眠療法科長・嵯峨敏也が見抜いた女の能力の秘密とは? 複雑な精神病理と医療カウンセリングの世界を一級の娯楽作品に仕立てた話題のベストセラー。

  • 読書録「催眠」3

    著者 松岡圭祐
    出版 小学館

    p131より引用
    “「かける、といういい方自体が誤解だよ。
    催眠とは、人為的にトランス状態をつくりだ
    す技術だ。催眠状態とは、催眠によって生じ
    たトランス状態のことだ。相手を催眠状態に
    誘導するわけだから、かけるではなく、催眠
    状態に入れると表現するべきだ」”

     臨床心理士を主人公とした、長編ミステリ
    小説。著者デビュー作。
     テレビの生中継が始まり、椅子に坐った女
    性に対し言葉をかけ続ける男、彼が行ってい
    たのは催眠術だったのだが…。

     上記の引用は、主人公の上司の言葉。
    この人物が言うには、パチンコは催眠商法と
    のことで、知らず知らずのうちに、催眠状態
    に誘導されているとの見解です。やたらとう
    るさくて、けばけばしい物事は、こういう意
    図が隠されているのかもしれないですね。
     後に多くのヒット作を書かれている著者の、
    記念すべきデビュー作。映画化もされている
    とのことなので、本が苦手な人でも楽しむこ
    とが出来るのではないでしょうか。

    ーーーーー

  • 作者が臨床心理士とのことで手に取ったものの。
    取り上げられている内容は興味深かったし真剣に取り扱われるべき問題だけど、小説としては正直おもしろくなかった。
    図書館で借りたけど、表紙の絵がちょっと気持ち悪くて電車で読みづらかった。

  • 図書館にあったため借用。

    事前に知らなかったけれど旧作版でしかも、絶版中の本のよう。
    内容が心理学についてなので仕方ないこととはいえ、医学的に新しいガイドラインが出来たので完全版では今までの考え方を変えて改稿してる模様。

    それでも、ミステリ要素としては充分ハラハラドキドキさせられるし、医学的にこれが正しいと合点して読んでる訳では無い(あくまでフィクションの範疇)ので、アトラクションという感じで楽しめる。
    久々にお腹いっぱい楽しんだ!と思える作品だったかもしれない。
    (ここのところ割とライトな本が多かったので)

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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