イリュージョン:マジシャン第2幕 (小学館文庫 ま 2-13)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (557ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094037937

感想・レビュー・書評

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  • マジシャンの続編ということになっているが、完全版ではなくその前に発売されたものの続編なので注意。

    作者が物凄い改訂を行うことで有名なため、完全版を読んだ後だと続編なのにまるで別作品のようであった。

    とはいえ内容は少年が犯罪に至るまで、犯行中、発覚後の心理を描いているものなので、細かいところに目を瞑れば楽しめるものであると感じられる。

  • 途中で何回か読むのをやめようかなと思ったほど、中盤の内容は嫌な内容だった。
    刑事の行動、主人公の経歴、最後に絡む沙希、最後まで読み続けて良かった。

  • マジシャン(完全版)と人物設定が変わったかな・・・読み替えてしてみたけど食い違うばかり。

  • 少年の名は椎橋彬。家庭に恵まれず、唯一の趣味であるマジックだけが心の拠り所。両親に絶望した一五歳の少年は「自分が認められる世界」を夢想して家を飛び出し、東京へ向かった。“万引きGメン”の活躍を知った少年はそこで悪魔的閃きを。マジックの知識で万引きを見破ることは容易い、つまりそれは万引きそのものもー。少年は万引きGメンとして脚光を浴びる一方で防犯カメラを欺き続けた。やがて少年に捜査二課・舛城徹警部補と天才マジック少女・里見沙希の追跡が及ぶが。

  • 読み終わった時、「あ~~よかった!!」って心から思いました。こういうラストはいいっすね~。
    前作「マジシャン」の主人公だった天才マジシャンの里見沙希。
    本当なら世界中から脚光を浴びるほどのマジシャンなのに・・・いろいろありまして~(前作のネタバレになっちゃうから言えないの。辛い!)、本書では自暴自棄っぽくなって落ちぶれて登場します。
    前作を知っていると、こんなんじゃないのに~、でも腐るのもわかるわ!と心配になるんです。彼女を認めている舛城警部補も心配してるんですけどね。
    それとは別にやっぱりマジックが大好きな少年の物語が始まります。
    そして事件へと発展していくわけですが。
    ん・・・人間、図にのっちゃ~いけません。彼も万引きGメンとして活躍さえしていればよかったのに・・・。あ~~言いたい!(笑)
    この天才マジシャン二人が出会い、お互いに刺激となり感動のラストへと持って行くあたり、さすが松岡氏ですよん。
    ホント、よかったよかった! それに舛城さん、あんたは偉い!!
    久々にマジで感動しましたよん。これだから松岡氏作品はやめられないわぁ~。
    千里眼シリーズもいいけどね。できればまたこの二人も登場させてほしいものだわん。

  • 自分には、犯罪者の身勝手な論理は到底できない。未成年という立場を鑑みても、主人公が法に背く生き方をするのは理解に苦しく、読むのを止めようかとも思った。しかし、我慢か限界に達する頃に物語も転機を迎えたので、最後のハッピーエンドを受け入れることができた。マジックの面白さよりも、感情移入できるかどうかが、面白さを分けるかな。

  •  15歳の椎橋彬は絶望していた。いくらマジックがうまくても、何もならない。学校では居場所がなく、家に帰っても事実上無職のどうしようもない父親と、窃盗を重ねる母親がいるだけ。その家も実は借金まみれらしい。こんな所、出ていってやる・・・!単身東京にやってきた椎橋は年齢を偽り、なんとか警備会社の職についたものの、嘘は1日でバレそうになり・・・しかしそんな椎橋を助けたのもマジックの才能だった。マジックで養われた目は、人々のありとあらゆる万引きを見逃さなかったのだ。やがて椎橋彬は万引きGメンとしてその名を轟かせることになる。

     「マジシャン」第Ⅱ幕という位置づけで、里見沙希や舛城徹警部補も登場するが、あくまでも今作の主役は椎橋彬である。マジシャンの技を日常生活で悪用するとどうなるか・・・を実際にやってしまったのがこの話。おもしろいのは、表向きは万引きGメンとして他の万引き犯を捕まえながら、自身の万引きはやめられずになんだかんだと続けてしまっているところ。ありえないようで、確かにバレにくいのかもしれない。そして心の闇が伺える。椎橋がゼロからのし上がっていく様は目が離せないし、それだけでなく、内面のただ母親が恋しい少年の部分が描かれているのも良かった。舛城警部補はあまりにも突然親身になりすぎな気もするけれど、その部分にうまく迫っていったよね。「マジシャン」の最後でドレスデンに向かったものの、大失敗で失意のまま日本に帰国した里見沙希(時期的には「マジシャン」から2年後)と、椎橋彬を引き合わせたのもうまいなぁと。マジシャン同士がきっと一番わかりあえるんだろう。

    最後に「フィナーレ」というこのシリーズの第3弾が示唆されているが、9年たった今でも出ていないよう。残念。

  • 再読。

    いろいろと都合が良すぎる展開であんまり入り込めなかった。
    未熟な少年の心情を出したかったのかもしれないけど、それにしても年齢詐称に始まりのし上がっていく過程があまりにもありえない。

    ラストの、コミュニケーションの苦手な人がマジックを通して何とか他人と関わろうとしていく中で、歪んでいってしまう、という辺りがあるから何とかなっている気がするけれども。

    前作と今回の間に大きな大会で大失敗してやさぐれていた沙希が、最後に成功したのは良かった。

  • 「マジシャン」よりも面白かったです。
    終わり方も素敵でした。

  • ラストにあの二人がくっついてしまうというのはなんだか腑に落ちません。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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