蒙古襲来(小学館文庫) (小学館文庫 R あ- 7-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (614ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094050714

作品紹介・あらすじ

二度にわたるモンゴル軍の来襲は、鎌倉幕府にとっても、御家人・民衆にとってもこれまでにない試練だった。幕府内部の権力争いは激化し、天皇とその周辺も幕府打倒へと動いた。農村・漁村・都市の分化など、社会も大きく動いていた。古代から中世にかけて、「遍歴する非農業民」の存在を重視する著者が、新視点で切りこんだ新しい中世像。

感想・レビュー・書評

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  • 「蒙古襲来」というタイトルであるからにはもちろん元寇にも論考の紙数は割かれているが、本書はそれだけにとどまらない広がりがある。蒙古襲来によっていかに日本の政治が揺さぶられたかを、文献を紐解きながら丹念に追っていくのだが、戦前、戦後についても緻密に追っていく書き方。

    蒙古襲来のその前に、「宋銭」の流入による貨幣経済化の萌芽が、為政者や庶民に及ぼした変化を辿るあたりは、非常に興味深い。著者独特の、経済面から中世を斬っていくスタンスが他にも多数見られ、良質の知性に触れる喜びがここにあると感じる。

  • 長かった…
    花園天皇の太子を戒むる書の一説は令和大日本への警句に読めました。
    鎌倉時代も人殺しまくりですよねぇ。

  • 文庫版で600ページにわたる大作。
    通史ものだが、著者の考えが色濃く反映されていると思う。
    歴史観がはっきりとしていて分かりやすい。
    著者はどちらかというと「中世」という広い時代を総じて論じるが、
    特定の時期に焦点を当てて掘り下げていることが興味深い。

  • [ 内容 ]
    二度にわたるモンゴル軍の来襲は、鎌倉幕府にとっても、御家人・民衆にとってもこれまでにない試練だった。
    幕府内部の権力争いは激化し、天皇とその周辺も幕府打倒へと動いた。
    農村・漁村・都市の分化など、社会も大きく動いていた。
    古代から中世にかけて、「遍歴する非農業民」の存在を重視する著者が、新視点で切りこんだ新しい中世像。

    [ 目次 ]
    飛礫・博奕・道祖神―はじめに
    「撫民」と専制
    二つの世界、二つの政治
    「蒼い狼」の子孫
    文永の役
    建治元年―日本
    弘安の役
    弘安の「徳政」と安達泰盛
    百姓と「職人」
    訴人雲霞のごとし
    転換する社会
    鎌倉幕府の倒壊
    13世紀後半の日本

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 網野先生の代表作ということで手に取った。

    歴史が専門でない人にはややハードルが高い。

  • 九州などを舞台とした作品です。

  • 2008/10/15 読了
    2012/04/27 読了 ★★★★

  • 色んな面から物事を眺める大切さを感じた。

  • 網野史学の真骨頂

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著者プロフィール

1928年、山梨県生まれ。1950年、東京大学文学部史学科卒業。日本常民文化研究所研究員、東京都立北園高校教諭、名古屋大学助教授、神奈川大学短期大学部教授を経て、神奈川大学経済学部特任教授。専攻、日本中世史、日本海民史。2004年、死去。主な著書:『中世荘園の様相』(塙書房、1966)、『蒙古襲来』(小学館、1974)、『無縁・公界・楽』(平凡社、1978)、『中世東寺と東寺領荘園』(東京大学出版会、1978)、『日本中世の民衆像』(岩波新書、1980)、『東と西の語る日本の歴史』(そしえて、1982)、『日本中世の非農業民と天皇』(岩波書店、1984)、『中世再考』(日本エディタースクール出版部、1986)、『異形の王権』(平凡社、1986)、『日本論の視座』(小学館、1990)、『日本中世土地制度史の研究』(塙書房、1991)、『日本社会再考』(小学館、1994)、『中世の非人と遊女』(明石書店、1994)。

「2013年 『悪党と海賊 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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