死に方のコツ(小学館文庫) (小学館文庫 R た- 17-1)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 39
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094053012

作品紹介・あらすじ

どうせなら、思いっ切り生きて、笑って死にたい!

死は自然なものである。だが多くの人は死を怖がり、病院でさえも死をタブーとする傾向にある。’92年、日本医科大学に日本初の医療管理学教室が作られた。そこで医療と患者を結ぶパイプの学問を研究している著者は、研究のかたわら看護学生に“死”を教えている。この講義が、“死ぬのが怖くなくなる授業”として評判になった。本書はこの授業の内容を101の話にまとめたもの。人生の最後を自分らしく迎えるための達観の書である。

感想・レビュー・書評

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  • 死が怖くなくなる本

    医学概論の講座で学生たちに「死」について教えている人による「死ぬこと」について経験や患者など今まで見てきたことを例に前向きに考えてみましょうとする内容。

    「いよいよ死ぬかと思うとワクワクしちゃう、初めてのことって面白い」って言える境地に行ける生き方ができるといいな。

  • ぶっちゃけた所、ネコは仕事でこの本の内容を専門的に扱っている。生命倫理に対しては一般の人よりは詳しい。

    この本が書かれたのは1990年代。
    一番感じたのは「ほんの十数年前には、まだここまでだったんだ。」という感覚。
    つまり、死に対する医療でのアプローチは、日本では本当にはじまったばかりで未熟なんだなぁ。

    よくできた本だと思う。

    一般向けなので、簡単でわかりやすい。
    僕にとっては物足りないのは否めないけど……。

    読んだことない人には気軽におすすめできるボリュームだし、これが、その人が「死」というものを見つめるキッカケになってくれるのに良い。

    例えば社会的な死。
    例えば細胞レベルも含めた生物としての死。
    時には生命の誕生の瞬間まで踏み込んで、生と死を扱いだして6年が過ぎた。

    ずっと注目してきたES細胞、そしてips細胞も、今や一般の人でも知らない者が少ない時代になった。
    でも、たかだかこれぐらいしか、歩みはじめてないんだなぁ。

    結果的に、僕はよく「死」のことを口に出すことが多くなった。
    自分が死ぬ、大切な人が死ぬ、嫌いな人が死ぬ。

    でも、それは決してネガティブな意味でなくて、強烈にポジティブな感覚なんだよね。

    死を見つめるからこそ、今を生きる。
    死から目を逸らさずに、自分が死ぬことをとらえて生きる。
    そんな癖が、いつの間にかついてしまった。

    人の死生観は、考えている以上に短期間で簡単に覆ってきた歴史がある。
    日本で「自殺が絶対にいけない」「命より大切なものはない」と考えられるようになったのは、案外と近年なんだよね。それも、次第に変わりつつあるけどさ。


    これから、どのような変化を起こすのか?
    もしかして今では想像できないような生死観が待っているのだろうか?

    それが、この本を読んで一番思ったこと。

  • “死ぬのは当たり前”“死は怖くない”ということを精神論ではなく医者としての科学的な根拠で簡潔に説明してくれています。
    自分の身に死が迫ってきた時、この本が手元にあれば慌てたり戸惑ったりせずに落ちついていられそうな気がしました。
    とても読みやすい本です。
    一度読んでいると自分や身内に「もしもの時」があった時にきっと役に立つと思います。

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著者プロフィール

推定年齢60歳代半ば(非公開のため)、神戸市生まれ。医学博士。神戸大学医学部を卒業後、順天堂大学を経て徳島大学医学部博士課程修了。クウェートで10年間、小児外科医のエキスパートを目指して経験を積む。帰国後、亀田総合病院、順天堂大学に勤務。その後、日本医科大学医療管理学教室の准教授に就任し、「癒しの環境研究会」を立ち上げる。大学を定年退職後の現在は「癒しの環境研究会」理事長、「笑医塾」塾長、日本医科大学非常勤講師、放送大学客員教授、特定医療法人社団清和会理事他。

「2015年 『笑医力 びっくりするほど健康になる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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