ホントの話―誰も語らなかった現代社会学 全十八講 (小学館文庫)

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著者 : 呉智英
  • 小学館 (2003年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094055818

ホントの話―誰も語らなかった現代社会学 全十八講 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 独特のなれなれしい語り口が最初気持ち悪くてとっつきにくかったが、そこを除外すれば、内容としてはとても興味深かった。

    身の回りの出来事ですら、半ば強制的に「メディア」というフィルターを通してしかその情報を得られなくなった現在、その側面を疑い、「自分」というフィルターで考えることの大切さ。

    と同時に、「それをできる人」と「できない人」がいていいということ。
    日本の怪談/奇談にある「常識(Common Sense)」という、僧と猟師の話が印象的だった。

  • SAPIOの連載をまとめたもの。なので、SAPIOの読者にウケそうなナショナリズムに関する話に触れてたり、氏お得意の「支那」の話についてもいつもより多めに扱われている。
    呉智英入門編に良いかもしんない。


    350円。

  • 本屋で見つけてなんとなく購入したこの本で、呉智英というすんごい人を知った。全編目から鱗だらけ。話がわかりやすいしおもしろい。人権真理教、人権思想と共産主義とは同根(フランス革命)、憲法第15条4項民主主義の精神、支那呼称、あたりが特になるほどだった。

  • 理想と現実の見極めがしっかりついているので主張が分かりやすい。「男がすることは女もする」というのは、たしかにそう。女性政治家は福祉を厚く、平和を志向するというイメージを、サッチャーの攻めの政策で完全否定してみせる。

  • 再読。基本的には今までの主張の焼き直しって感じだけど、うまくまとまっていて読みやすい。
    あと対談や鼎談が収められていて、舌鋒の鋭い著者なら「バカ」と切り捨てそうな意見・相手に対しても、結構気を使って異論を唱えている態度がなんか新鮮で面白かった。

  • 封建主義を標榜する著者が、人権イデオロギー、愛のイデオロギー、在日、「支那」は差別語か、といった問題に切り込んでいく本です。

    著者は、民主主義や人権思想などのイデオロギーの欺瞞性を暴きながら、返す刀で、国民国家は近代に作られたものであることを指摘し、ナショナリズムからも一定の距離を取ろうとします。ナショナリズムは人びとの素朴な感情から自然に立ち上がるものではなく、じつは近代的な制度だということが踏まえられており、単なる制度を人びとを動かす感情へと転化する装置が、たとえば国旗であり国歌だと指摘されます。

    国民国家にも批判的であり、しかしそれを越える原理を、マルクス主義のプロレタリアートや革新派の考える「地球市民」といったものに託すことにも反対する著者は、知識人の普遍性に希望を託しています。ただしそうした普遍性は、誰もが手にすることのできるものではありません。「真実は快いものとは限らない。むしろ恐ろしく、不快なことの方が多い」と語る著者は、誰もが真実を知るべきだという考えに基づいている民主主義を「ウソの思想」だと言います。真実を直視できる国民はわずかであり、「民はこれに由らしむべし、これを知らしむべからず」という『論語』の故智に耳を傾けるべきだと主張します。

    とんでもないエリート主義にも聞こえますが、その一方で著者は、庶民の「世間知」や職業意識の役割にも注目しています。自衛隊員が国家に生命を奉げているように、また、消防署員が職業に生命を奉げているように、職業意識の中にナショナリズムを越える人間の真実を見ようとしています。

  •  ド右の方かというとそうでもなく、もちろん左というわけでもない。枠組みを変えた議論の必要性を説いているように思う。そういった視点は「え、選択肢ってこれしかないの?」といった閉塞感を打開する希望となるだろう。ただ民主主義や人権に対しては批判的。確かに「ジンケンジンケン」やかましい連中がウザいと思うこともあるだろうが、圧倒的な弱者の唯一ともいえる理論的根拠を失くしてしまうのは少々いただけない。そうなると著者の強調するパラダイムシフトすら許されない世の中になると思うのだが。とはいえ呉氏の考え方は議論の場所が奪われつつあり、あらゆる選択肢を放棄することが当たり前になっている現状においては非常に有益な思想と言える。

  • この人の「仇討」に関する考え方が面白くて、是非読んでみたいと思い購入しました。

  • 『小学館文庫の本。過激なことばっかり書いてあった。へぇーって感じでパラパラめくっただけだけど、結構鋭い指摘も多く、考えさせられた。アナトール・フランスの『神々は乾く』もこの本で知ったし、結構影響受けたのかも。一番印象に残ってるのは「真実はみんながみんな知る必要はない、知りたい人だけが知ればいい」っていう指摘。真実は、時に冷酷だ。知ってから、「ああ、こんなこと知らなければ楽だったろうに」と思うこともある。でも、真実を知ることの押し付けはいろいろな場面で見られる、という。(それが民主主義の前提になるから、とかそんな話だった)たとえば今話題の過激な性教育とかもこの一例と言えるだろう。正確な知識を得ることができずに苦しんでいる人もいる一方で、無防備なままに知ってしまい、大きなショックを受ける人もいるはずである。知識は知りたい人、必要な人だけが知ればいい。それが本来のあり方で、むしろ学校教育のほうが特殊な形態なのかかもしれない。テレビならスイッチを消せばいいし、インターネットならアクセスしなければいい。でも、学校での授業は簡単には拒否できない。本題からは外れるが、学校教育の重要性と影響力の大きさを改めて痛感した。 』

  • ホントのことを知りたくて読書。

    はじめにで書かれているように事実は全員が知る必要はない。知ると逆に混乱したり、悩んだり、苦しんだりすることも多いから。

    色々な著名な本に登場するので著者の名前は知っている。しかし、著書を読ませてもらったのは初めてである。元が『SAPIO』のコラムらしいので、自虐的な文もあり、読みやすいのか読みづらいのか分からない印象を受ける。

    普段使っている言葉の定義や由来、歴史をもっと使って調べ、知ること。もっと自分の頭で考えること。常識と思われるものも疑ってみることが重要である。スコトーマで盲目になっていることが多いと実感。スコトーマ、偏見、差別がホントの話を知ることを妨げる。

    第一講 人権思想という血塗られた宗教は勉強になる。

    一元論ではなく多元論で、100%はありえない。

    読書時間:約1時間30分

  • 呉智英(ゴチエイ/クレトモフサどちらも可)入門本。雑誌連載をまとめたものということで、この人のおなじみのテーマを短くまとめたものを多数収録。

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