最澄と空海(小学館文庫) (小学館文庫 う 7-3)

制作 : 梅原 猛 
  • 小学館
3.54
  • (9)
  • (19)
  • (25)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 254
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094056235

作品紹介・あらすじ

現世と来世における善行の積み重ねによる成仏を説く最澄に対して、この身そのままで自然神との一体化による即身成仏を説く空海。それぞれの教えは対極にありながら、われわれ日本人の心情と深く響き合う。両師とも、古来より根強くあった日本人の山や木に対する信仰を受け継いで、神と仏の融合をはかった点においては共通であった。二人は日本独自の仏教を創造し、日本人の倫理観、精神の拠りどころとして定着させたのである。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最澄と空海、同じ時代に行きた僧でここまで差異がかるのが面白い。
    とても分かりやすく書かれていて読みやすかったが、真言宗はやはり難解だな...と。
    高野山は行ったことあるので、今度は比叡山、神護寺に是非行きたい!
    また、徳一という人間も凄く気になった。謎だらけのようだが、彼の資料が今後出てきてくれるといいな...。

    重複して説明してあるところが多かったので☆マイナス1にした。

  • ○最澄と空海の人物学と思想を分かりやすく理解出来る一冊


    過去に梅原さんの他の書を読んで、最澄と空海についてもっと知りたいと思い購入しました。

    本書では二人の生い立ちと天台宗、真言宗の成り立ち、お互いの確執などを梅原さんの考えを交えて解説しています。(もともと解説は難しいと思いますが、現代の私達にも分かる様に易しく解説していると感じます。)

    この後に続く鎌倉仏教はこの本を読んだあとだと良く理解出来るのではないかと思います。

    私も仏教学についてはまだ勉強不足で理解しづらい所が多かったですが、彼らが日本仏教にもたらした物と今日まで続く日本人の神仏習合の心の一つを創造していったのだと勉強になりました。

    この本を読んだうえで、比叡山と高野山に行って二人の考えに更に触れてみたいと思いました。

  • 最も澄める人ー最澄   空と海のような人ー空海

    誰がつけたが知らないが、名前が人柄のすべてを物語っている。この偉人二人が同時代に存在した経緯とかを知ると、何かに導かれているようにしか思えない。

     タイトルの通り最澄と空海の詳しい概略をまとめてくれている本。これだけで二人のことがだいぶわかる。これに加えて、司馬遼太郎や陳舜臣の空海の伝記小説を読むことを進める。最澄の伝記小説はなんか無い。誰か書いてくれないかな。
     天台宗と真言宗の教義についても簡単な解説があるんだけど、そこはやはりハードルが高い。これ以上ないくらい砕いてくれているけれど、素人には難しい。とはいえ、そこを飛ばして読んだとしても非常に勉強になる一冊。

    _____
    p61  最澄と空海の出会いの意義
     最澄にとって空海は、自分が学ぶことのできなかった密教の知識を唐から持ち帰ってくれた恩人。
     空海にとって最澄は、無名だった身を取り立ててくれた恩人。彼がいなかったら唐から18年も早く帰った罰を免れがたかったであろう。もはや命の恩人。

    p72~79  法華経について
     法華経は、声聞(釈迦の教えを直接聞いた教徒)や縁覚(釈迦の直弟子ではないが仏教徒として修業する者)が救われる小乗仏教とすべての民が等しく救われるという大乗仏教を統一すべく登場した一乗仏教を説いている。

    p86  徳一
     会津若松、瑠璃光山勝常寺に建つ像がある。最澄と大論争を繰り広げた南都仏教の代表が、徳一。
     よく知られていない人物らしいが、会津というだけで興味がわく。

    p122  親鸞は最澄の門下
     肉食妻帯OKの宗派を作って有名な親鸞和尚。かれも延暦寺から出てきた。
     最澄は真の信仰を人の内面に求めた。戒律に囚われて無を目指しているのは本末転倒。外面よりも内面を磨くことに注力せよ。言いかえれば、心が完成されていれば体裁なんて気にしなくてもよい。
     これを拡大解釈していった結果、親鸞に行き着く。
     「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」

    p136  未完の最澄
     最澄は性格からいっても学問の面からも未完である。しかし、それ故にその弟子が師の学問を完成させようと尽力し、深め、後世に継いでいくのである。
     逆に空海の真言宗は、空海自身が天才であるあまり一代で完成されてしまった感が強い。

    p147  森と神道と仏教
     日本に密教が浸透したのは、日本古来の自然信仰が関わっていそう。密教はヒンズー教に強く影響された自然に関わる仏教である。

    p257  仏教の変質

    p347  不動明王が日本で好かれるわけ
     アイヌの土着宗教では火の神が珍重された。火の神はすべての神々と人をつなぐ役割を持つ。不動明王も大日如来の現生身であり、憤怒を表し火を背負っている。日本に古来からある形と似ているから受け入れられやすかったのだろう。

    p364  天台宗vs真言宗
     天台宗は可能性⇔真言宗は完結
     これは最澄と空海の人柄そのままである。

    ____

     悲しみの人、最澄 ⇔ 自信にあふれた人、空海
     
     こういう二人の対比は面白いなぁ。いくらでもでてくるんじゃないだろうか。


     泰範をめぐる略奪愛は本当にもぉ…

  • 梅原氏が書かれた天台宗の本覚思想についての本や、空海の思想に関する本は別々に読んでいたのですが、本書は、最澄と空海を対比している本、ということでとても興味深く拝読しました。最澄と空海は平安時代に生きた日本仏教の二大巨頭で、この二人の交流関係自体もドラマになりそうな波乱の展開を見せます。

    私自身、それぞれの教え(天台宗、真言宗)についての基礎知識はあったのですが、梅原氏の明快な解説で理解がさらに深まった気がします。そして本書の最大の特徴は、題名にもあるように両者の対比です。本書を通じて感じたのは、当たり前かもしれませんが、両者には共通点もあれば相違点もあること。共通点は、例えば山岳への想い(梅原氏によれば山にこもる動機は異なりますが、いずれにせよ山岳仏教を切り開いたこと)。これによって日本古来の神様と外来の仏教が融合し、山川草木悉皆成仏のような思想が生まれたことです。また何より二人の共通点は、衆生済度、つまりいかにしてより多くの人を救いたいかという強烈な想いではないでしょうか。空海という人は、まさに大日如来と合一された存在のようで、見方によっては非人間的(非感情的)な印象も受けるのですが、こと衆生済度については最澄と同じくらいの純粋で強烈な想いを抱いていた気がします。

    他方、相違点はかなり多いといえるかもしれません。梅原氏は最澄を円(中心点が1つ)、空海を楕円(中心点が2つ)というメタファーで表現されていますが、これは面白かったですし納得できました。1200年も前の日本にかくも偉大な思想家が2人同時に存在していたこと、しかもその記録についても、豊富とは言えませんが十分残っていることは日本の凄さではないかと感じました。

  • 仏教哲学に興味があったので、あとはコテンラジオで「最澄空海」編が面白かったので、もっと勉強したいと思って読んでみました。漫画『阿吽』も少し読んでいたので、その相関図を参考にしながら読みました。

    コテンラジオのおかげで基礎知識があったせいか、理解しやすいと感じました。書物の原文は読み飛ばしましたがちゃんと解説がされており、そもそも著者の語り口調がやわらかく読みやすかったと思います。日本の仏教の起源や聖徳太子との関係などもわかりやすく勉強になりました。

    学生の時に勉強していた時にはぼんやりしていた最澄と空海それぞれの人物像が、この本でわりと強調されていたので理解できました。印象に残ったのが最澄の教育者としての考え方で、現代にて見直す部分があってもいいと思いました。国宝を持つことで国の値打ちが決まるが、それ以外の人も適材適所で必ず役に立つという理論が大胆かつ安定感があって面白く感じました。

    本の中では前と同じ内容が繰り返し語られているのが、多少くどく感じるかもしれません。私は一気に本を読了できないのでちょこちょこ分けて読んでいたのですが、「あれ、ここ前に読んだな?ページ間違えた?」というような錯覚を何度か体験しました。

  • 平安時代、その後の日本の仏教を方向付けることとなった天台宗と真言宗をひらいた最澄と空海を、対比しながら取り上げている。

    それぞれがどのような教えをどのような過程を経て作り上げていったのかが、非常に分かりやすく書かれていた。この二人の宗教家について知るだけでなく、二人が開いた宗派の教えに関する解説を通じて、仏教の歴史についても知ることができる内容になっている。

    本書を読むまで、空海は孤高の天才というイメージがあり、一方の最澄は比叡山を開いたことなどを通じてあまたの弟子を育てた組織力の人というイメージを持っていたが、本書を読んで自身が持っていた二人に対するイメージを一部修正することになった。

    最澄は、文章も感情が豊かで、仏教の神髄を知りたいという一途な想いをもった信念の人であったようだ。かれは、東大寺で受戒したにも関わらず南都仏教の世界での栄達に背を向けて比叡山にこもり、世俗化した仏教とは異なる新しい仏教の根拠地を立ち上げようとした。また、総合的な仏教の教えを確立するため、奈良仏教随一の学僧である徳一と徹底的に論争したり、一方で密教の神髄を唐の都で学んできた年下の空海に対しては何度も教えを請うなど、目的に向かって一心不乱に進んでいく最澄の姿が描かれている。

    もちろん、桓武天皇との信頼関係を梃に国家公認の仏教としての地位を確立したり、比叡山をいわば仏教の総合大学といえる形にまで発展させるなど、政治力、組織力も抜きんでたものがあるが、それでも最澄自身の根幹にあったのは、やはり非常に純粋な求道心であったということを感じる。

    一方の空海は、万能の天才とも言われ、死後長い間神格化ともいえるほどの尊敬を集めてきた僧である。しかし、本書で描かれている姿を見ると、それだけではない姿も見えてくる。

    例えば留学生として20年の期間を定められていながら僅か2年余りで唐から帰国した際に、どうやって自身の正当性と価値を都の天皇や仏教界に認めさせるかといった知恵や、嵯峨天皇と上手に付き合うことで、密教の地位を鎮護国家のための仏教として確固たるものにするなど、人との関わりという社会的な技量にも非常に長けた人物でもあったことが分かる。

    筆者はこのような二人の特徴を踏まえて、最澄は一つの確固たる中心点を持ち、そこから同心円状に全方位に発展していく「円型人間」、空海は天才的な知性と隠遁を欲する意志を持った宗教家としての側面と人事や書、土木事業まで超一流の能力を発揮する世俗的な才能という2つの中心の間を自由に移動する「楕円型人間」と述べている。この説明は、二人の人物像を捉えるうえで、非常に分かりやすい説明だったと思う。

    本書ではまた、天台宗と真言宗がどのような教えであり、それがインド、中国の仏教の体系とどのように繋がっているのか、そしてその後の日本の仏教にどのような影響を与えたのかについても、分かりやすい説明をしてくれている。

    天台宗は『法華経』を重視するということからも分かるように、すべての人に仏性の存在を認め、すべての人が救済されることを説く。このような教えが、神道の持つアニミズム的な要素とも響き合いながら、自然界も含めてすべてのものに仏性を認めるという日本仏教の中心的な思想を生み、鎌倉時代に生まれた浄土系の宗派などに繋がっていく様子が、大変よく理解できた。

    また、これらが最澄の実践的な戒律、教育論によって、比叡山において発展していくことになったという点も、最澄のまとめた「六条式」、「八条式」、「四条式」などを取り上げながら、詳しく説明している。

    空海密教については、その最大の特徴である「即身成仏」という考え方が詳しく説明されているところが参考になった。空海の考えでは仏とわれわれは同じものであり、それゆえわれわれは仏を自らの身体に呼び込むことができるという。

    そのため、密教では、「三密」と呼ばれる身密、語密、意密を通じて仏を我々のなかに引き入れるための行の実践を重んじる。

    そして、修行を通じて涅槃に入ることで成仏できるという釈迦仏教の考え方はもちろんのこと、「欲望を否定する」というこだわりからも離れ「有でも無でもない空」の状態を説いた大乗仏教でさえも、仏と我々衆生を区別しているという点でまだ中途半端ということになる。

    密教である真言宗は、その教えが行の実践を通じて仏を体感することに重きをおいているがゆえに、その内容を書物や説明で理解することは難しいが、本書の説明を読むことで、少しその世界を知ることができた。

    最澄と空海という平安仏教の二大巨頭について、その人物像から教えまでここまでバランスよく分かりやすい説明をしてくれる本はあまりないのではないかと思う。また冒頭にも述べたように、仏教の理解や日本人の宗教観などを知るうえでも、非常に有意義な本であると感じた。

  • 哲学者である筆者が、最澄と空海について自身の視点から人物像を描いている。鈴木大拙のイメージで読み始めたけど、予想よりカジュアルで読みやすい。

  • 同時代にスターが二人。面白かった。

  • 似乎是三人的祖師中第二、三章的內容,但是我比較不滿意的地方是,第一部和第二部前半似乎是演講內容,都是以說話體書寫,第一部後半跟第二部後半才是文章體,並且和前半有大量重複的內容,尤其最澄部分幾乎都相同,所以覺得這樣集結成書似乎有點混。

    最澄也是經過痛烈的反省和懺悔(真的讓我想到親鸞。最澄說自己最愚最狂最無能,反正拋棄(腐敗的)有前途的南都佛教,自己跑來深山隱居),一個人隱居在荒涼的叡山上,作者提到這兩人都有很強的隱遁性和入世的才能,也因為這樣才得以讓自己親手建立的東西成為大宗派。
    他被桓武天皇重用後得前往留學,不過由於他追求的天台在中國已經過時,當時流行華嚴等等,所以受到南都佛教強烈的批判。等到回國,桓武沒多久就過世了,但是他爭取到每年「年分度者兩人」,等於正式成立宗派。
    他認為作為傳教鎮護手段有需要密教,因此幫忙提早回國待罪的空海帶他去高雄山寺,讓他替自己和學生上課、灌頂,不過因為愛弟子泰範事件和借書事件,和空海不歡而散(我覺得空海的回信寫得有點過分,雖然他說的借書沒用密教還是要實際跟老師修「行」才會了解確實是正確的,不過代為回信這件事已經就很傷人,還是那種理性的冰冷,讓最澄的愛吃閉門羹,真的很殘酷)。而最澄一生就繼續和南都和尚們和東北的德一論戰(是否人人皆有佛性,最澄認為有,最後等於發展到天臺本覺思想,亦即山川草木皆有佛性。作者認為這是外來佛教從人的宗教變成自然的宗教,加上日本古來的山岳信仰變成山岳佛教和日本本土的佛教了,影響將來的佛教走向)。
    接著最澄要求在叡山設戒壇,授大乘戒,在他過世之後終於達成這個悲願。雖然他論戰時的說法有點錯誤(中國大乘的寺廟沒有在食堂供奉文殊菩薩),但是因為佛教一開始發展都是小乘,後來龍樹才主張大乘,但是依然接收小乘的戒律。最澄主張大乘要有大乘戒,意圖打破東大寺(及其系統)壟斷施予受戒的權利(因為他門下學生為了獲得受戒之後就轉向或被拉攏了)。他主張戒律簡化符合日本風土,這種戒律的「內面化」深深影響日後到親鸞變成完全的內面化不重視戒律。但是最澄的戒律本土化,是搭配他嚴苛的教育政策,至少十二年在山上前半學習知識(不只是本派學說包括其他各種知識!!!),後半多半的時間是自己思維,作者認為這是叡山日後優秀人才輩出的原因。最澄制定的四學兼修,首先日後円仁円珍繼承他的遺志去中國學密回來,並且也是日後產生多種新教派的契機。他提過有學養+行動力是國寶,但有其中之一則可為用,可見他重教育和用人的程度。
    他的文章總是但著淡淡的哀愁,人生中也大起大落,為用--隱遁的循環,但是是最清澄的人。

    接著是空海部分,先是學儒教,後來覺得道勝儒、佛勝道,就輟學自己去當流浪和尚,中間一度有不得而知的一大段空白,但反正後來被選進私費留學生。入唐預計二十年,自稱三個月惠果就給他兩界灌頂(大概是快過世了?),兩年就回來,,但是帶那一大堆東西+請來目錄(自辯的名文)來換取自己的免罪云云(還是被迫待在九州太宰府三年。這些東西似乎真樣樣精品,如果是這樣他哪來這麼多錢!!陳舜臣說有パトロン應該是吧),後來最澄伸手救了他,讓他灌頂變有名,但是在嵯峨天皇寵愛下呼風喚雨之後在泰範事件那樣對最澄,個人情感上是相當不能接受就是了。
    作者認為他也是隱遁志向和很有能力的社會性兼具,正是這種矛盾性讓他能做大事業,晚年又想隱居所以拜領了高野山(其實在高野山和東寺來來回回)。真言宗在哈中的嵯峨天皇的支持下壯大,真言強調行,修到與大日如來一體的即身成佛,相當肯定現世和愛欲。教義部分我亂讀一通似懂非懂,只記得世界是顏色構成的這點印象很深刻。作者說西方哲學重視作者自己的創見,東方則是都要借重古人的權威(假裝是古人講的),就算是這兩個人也不例外,但是其實想法都是很有創見的,空海也很霸氣,自己寫謁(!),然後再自己解釋自己,好像在解釋古人經典一般。比較訝異的是,最年輕時的作品三教指歸裡還說自己是放棄前程(棄學),還是那種沒自信其實只是說說而已,原則上他應該是個自信爆表的人吧。他的完成度和光芒太高了,後世大師稱號的想像也差點被他一個人占據,所以現代的我總覺得是個人崇拜,格格不入。對於真言宗肯定愛欲這點是抱持支持態度的,因為所謂的放棄執著,執著就是苦的釋迦出發理論我並不完全贊成(我覺得文明是需要執著這個行動力的),但是對於現在這種接近個人崇拜的感覺還是難以接受。作者提到最澄是圓形人間,繞著中心很好了解,而空海是橢圓形人間,有兩個中心,有很多其他的才能。我比較能理解橢圓形人間,但是相較之下我比較同情和偏好最澄,他那孤獨和深深的哀愁感。

  • どうしてこんな本を手にしたかというと、以前から空海という人には興味があった。安田喜憲という環境考古学者が空海のような人が今の世には必要だと言っていた。そして梅原先生の「道徳」や「仏教」(洛南高校付属中学での授業)がとてもわかりやすかったから。さて、最澄は付け足しだったのだけど、人間最澄の方が少し弱い部分も見えて、ドラマとしては好感が持てた。比叡山はその後の鎌倉仏教の通過点のようなものであった。最澄の教えが今なお続く日本仏教の大元になっている。それに対して、空海の真言密教は高野山で閉じてしまっているように感じる。そして、空海はそこに今も生き続けているのだろうか・・・仏教の理論的なことはよくわからないし、かなり読み飛ばしたところもあるけれど、2人の人間関係、生き様、政治とのからみなどは読んでいて興味をおぼえた。少し難しいけど、日本人のこころの大元をそこに見つけ出せるかもしれない。

全18件中 1 - 10件を表示
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×