どーすんの? 私 (小学館文庫 ほ 5-2)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 64
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094060195

作品紹介・あらすじ

進学?就職?やりたいことが見つからない!

交通機関もコンビニも何にもない田舎で、ぼーっと育った私。周囲の友達が進学や就職をする中、「将来やりたいこと」が見つからないまま高校を卒業してしまった。
家にひきこもってテレビばかり見ていると、”親の目”が痛い。職業安定所へ行ってアルバイトの面接を受けてみるが、採用された「おだんご屋さん」では苦手な接客業にイライラする日々。
工場のある会社に就職してみても、お昼ごはんを女子社員で一緒に食べる集団行動や、理不尽な人間関係にどうしてもなじめない。
「もうあんな会社行きたくない」
「もっと楽な会社はないの?」
「いいことが来そうな仕事ってなに?」
自分に自信が持てなくて、人生がうまくいかないことをすべて他人や環境のせいにして逃げていた18才の頃。
自分には何ができるのか、自分はどう生きたいのか――初めて自分に向き合った時、私は”絵を描きたい”ということに気づく。
大ベストセラー『ツレうつ』の細川貂々が、ぐるぐる悩み、遠回りしながら「やりたいこと」を見つけるまでのモラトリアム・デイズ。どう生きたいのかわからないすべての人に、一歩前へと踏み出す力をくれるコミックエッセイ!



【編集担当からのおすすめ情報】
いまの時代、高校卒業までに自分のやりたいことを見つけ、進路を決められる人は少数派なのかもしれません。人気漫画家の細川貂々さんも10代の頃、ダメな自分から逃げたり、悩んだりしていたんだ、と少しホッとさせてくれる1冊。他人のまねをするのではなく、世間体にしばられるのではなく、自分で自分の生き方を選ぶことの大切さに気付かせてくれます。

感想・レビュー・書評

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  • 昔ってこんな感じだったんだーというのが分かってギャップを感じました。
    転々さんの絵はゆるくてかわいい。
    綺麗な女性の絵が特にかわいい。
    セツモードセミナー私も行きたかったなぁ。

  • 今の自分に言いたい!
    どーすんの、私?
    いや、
    どーなるんだ、私!

  •  著者テンさんの人生はいろいろと覗き見させてもらっていたが、既知の事実でも別の観点から開示されると、また違った感慨深さが湧いてくる。絵はかわいらしいが、ところどころに使われている汗とシルエットによる演出で強い苦悩が伝わってくる。

     ご主人ツレさんの鬱だけではなく、若い頃からのテンさん本人による迷走ぶりも痛々しい。「こんなの何度も経験してるよ、大したことないよ。」という方々もいらっしゃるだろうが、トラブルの受容体質には個性がある。鍛えればそうしたものも形成されてくるものだろうが、そうなる前に潰れてしまうこともある。「何をするにも困難がつきまとう。それを乗り越えていくことで本当の人生を味わうことができるのだ。」キレイゴトではあるが、その通りだと思う。

     もし笑って済ませられるのならば、それもいい。しかし、そうした誤魔化しを続けていくうちに後戻りができなくなり、取り返しがつかなくなることもあるのではないか。相手に働きかければ自らに不利益がおよび、第三者に相談すると強烈なお説教をされた後に「がんばれ」で終了する。運も左右するだろうが、八方塞がりの状況は生きる気力さえも失わせる。誰でも経験することなのかもしれないが、常に綺麗なカタチで克服することができるとは限らない。

     絵の道に進むまでにテンさんが経験してきたことは、自分が欲していることを得るための困難ではなかった。それを乗り越えることによって得るものは、あえて言えば「辛抱強さ」というもの。辛抱強さは生きていくうえで強力な武器にはなるが、自分の目的に向かってそれが発揮されなければ、他の人にとっての「おいしいもの」あるいは「嫌がらせ」となってしまう。そしてそれは限界までくればポッキリと折れてオシマイ。限界はどんな屈強な人間でも必ず存在するのである。

     フィナーレでテンさんは自分の道を見つけた。おそらくそれ以降も似たような困難はいくつもあったはず。しかし、それは以前に経験した「やりたくない困難」「やっても意味のない困難」ではないものだったと思う。テンさんは同じエピソードを何度もカタチを変えて発表している。ネタの使い回しのように思えなくもないが、それぞれのテーマに「声を大にして主張したい」という意欲が見て取れるのである。

     個人的に、おカッパ頭のお母さんが好き。

  • さらっと読める。
    こういう悩む時間大切だなーと思う。
    自分だけじゃないんだって安心できる。

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著者プロフィール

細川貂々(ほそかわ・てんてん)
1969年、埼玉県生まれ。漫画家・イラストレーター。セツ・モードセミナー卒業。パートナーのうつ病を描いた『ツレがうつになりまして。』(幻冬舎)がベストセラーに。テレビドラマ化、映画化される。その他、水島広子医師との共著「それでいい。」シリーズ、今一生氏との共著『さよなら、子ども虐待』(創元社)、『凸凹あるかな? わたし、発達障害と生きてきました』(平凡社)、『がっこうのてんこちゃん』(福音館書店)、『こころってなんだろう』(講談社)、イラストを手掛けた『セルフケアの道具箱』(晶文社)などがある。現在、兵庫県宝塚市で、生きづらさを抱えた人たちが集う「生きるのヘタ会?」を主宰。

「2023年 『ココロの友だちにきいてみる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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