ステーション・イレブン (小学館文庫)

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制作 : Emily St.John Mandel  満園 真木 
  • 小学館 (2015年2月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094060263

ステーション・イレブン (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 舞台はカナダ、『リア王』の上演中に主演であるアーサーが心臓発作を起こす。

    その死を見つめる者は、殆ど生き残らなかった。

    衝撃的な冒頭である。
    グルジア風邪と呼ばれる新型インフルエンザによるパンデミック。文明が崩壊した後の世界が始まる。

    いつかはこういう世界がやって来るかもしれない、と思うからか、終末の世界を描いた話は好きだ。
    不安や恐怖が絶え間なく押し寄せる毎日、なのにその静寂に憧れる自分もいる。

    この作品は、変わり果てた世界を歩ませながら、アーサーというパンデミック以前を生きていた人物にも焦点を当てていて、交互に展開される。

    「生きているだけでは、物足りない。」
    女優キルステンは、進み続けていた。
    荒れ果てた世界を生き抜くにはエネルギーがいるのだけど、そのエネルギーもまた、誰かが生み出した何かなのだろう。

    今在る世界が愛おしくなり、人を慈しみたくなる一冊。

  • 突如世界を襲った死病によってほとんどの人間がいなくなった後の世界。文明は崩壊し、生き残った少数の人々は各地で小さな集落を作り細々と生きている。主人公の一人のキルステンは、旅の楽団でシェイクスピア劇の女優をしていた。彼女の話と、崩壊前に彼女と関わりのあった俳優アーサーの周辺の人々の話が交互に語られる。残酷な場面はあまりないが、淡々と語られる過酷な描写に慄然とする。生き残ろうがあっけなく死のうが、さらにはどんな生き方をしようが、誰もが死ぬ寸前まであがき悩み続ける生き物なんだろう。登場人物たち誰もが無性に愛しく思えてくる作品だ。

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ステーション・イレブン (小学館文庫)の作品紹介

文明崩壊後の世界を描く傑作SFサスペンス

新型インフルエンザ「グルジア風邪」の流行により、人類の99%が死滅し地球の文明が崩壊した。パンデミックの幕開けは、カナダ・トロントの劇場で上演されていた『リア王』の主演俳優アーサーの死で始まる。同じ舞台に立っていた8歳の子役キルステンは、彼の死を目の当たりにする。
そしてその20年後。電気もなく廃墟も残るなか、生き残った人々はわずかな食料や資源を繋いで生活していた。そしてキルステンは旅の楽団に入り、ミシガン湖周辺を移動していた。20年前、死の前にアーサーがくれた『ドクター・イレブン』というSF漫画を大切に持ち続けながら。
ある日、旅の楽団がセントデボラという町で『真夏の夜の夢』を上演していると、観客の中から不気味な「預言者」が現れる……。
アーサーの死までの人生と、文明崩壊後20年目の世界のキルステンの日々が交錯するなか、さまざまな人間模様と『ドクター・イレブン』をめぐる謎が解き明かされる、傑作SFサスペンス。全米図書賞最終候補作。

ステーション・イレブン (小学館文庫)のKindle版

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