南下せよと彼女は言う (小学館文庫)

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著者 : 有吉玉青
  • 小学館 (2014年7月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094060669

南下せよと彼女は言う (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • オランダ、ドイツ、ハワイなど外国を舞台にした7編。旅行や仕事で訪れた異国の地を歩き、すれちがう人々と言葉を交わすうちに繊細に変化してゆく感情の揺れを描いている。
    旅行直前に亡くなってしまった妻を想いながらひとりスペインへ旅立ったはいいものの、ただ広場でぼんやりしているだけだった夫。しかし少しずつ前を向き、そして妻が付箋を貼ったガイドブック片手に動き出す『南へ・・・!』。
    そばにいるはずの人がいない喪失感がやがて、いつもそばにいるんだと感じるようになる変化は「現実を受け入れる」というような諦め交じりのものではなく、もっとポジティブなものとして描かれていて印象に残った。
    ハワイでかつての同級生を訪ねる『永遠の一日』も、日本が舞台ではなかなか書けない話でスカッと気持ちがいい。

  • タイトルに惹かれて珍しく短編集を購入。
    短編は基本途中で飽きたり、一章読み終えた後に次の小説に入りずらかったり、あまり好きじゃありません。

    そんな僕でもこの本はおすすめです。
    全体を通した共通の話題はヨーロッパ旅行。そして愛。
    家族の愛や恋愛、死や裏切りなどに対するヒントが他国に溢れています。

    07/18/14〜07/18/14

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南下せよと彼女は言う (小学館文庫)の作品紹介

異国の街並みと旅人が織りなす珠玉の旅小説

各都市の見どころをふんだんに織り交ぜながら、さまざまな人間模様が描かれます。オランダを舞台にした「アムステルダムたち」は、高校時代からの友人である男三人が、旅の途中でフェルメールを巡る互いの秘密に気づく、茶目っ気のある掌編。「秋の休暇」は、母を亡くした女性が一人パリを訪れ、亡き母の友人であるフランス人女性と再会し彼女と父との秘められた愛を知る物語。イタリアのヴェネツィアを舞台にした「ピアッツァにようこそ」では、だれもが知る名作映画の舞台がふんだんに登場します。また、「南へ・・・!」では愛する妻を失った男性が妻の行きたがっていたスペインを、その魂とともに南へ進路をとる切ない旅物語。ほかに、チューリッヒ、プラハ、ハワイを舞台に、熟年夫婦の、ツアー添乗員の、新婚夫婦のそれぞれの旅が描かれます。
どの物語も、ゆったりとした時の流れの中で、異国の空のもと、だれもが旅気分を味わえる場面が描かれます。だからこそ、スッと物語の世界に引き込まれ、主人公とともに旅をしている気持ちになれるのかもしれません。旅情に浸り、ここちよい読後感が得られる名作です。


【編集担当からのおすすめ情報】
ヨーロッパ文化に造詣が深い著者が巧みな筆致で綴る街並み、名画、食……。まるで今、目の前にその世界が広がっているかのよう。すぐにでも小説の舞台へ旅立ちたくなります。ガイドブックを片手に、主人公と同じ道をたどってみるのもいいかも。旅先のカフェやホテルでリラックスして読むにもおすすめの一冊です。

南下せよと彼女は言う (小学館文庫)はこんな本です

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