世界から猫が消えたなら (小学館文庫 か 13-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094060867

感想・レビュー・書評

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  • 悪魔のキャラがいまいち…なんかチープな感じがしてしまいました。。
    設定は面白いと思いましたが、主人公目線での、命や人生をテーマにしたストーリーの割にはいまいち盛り上がりに欠けるさらっと最後までいってしまったという印象でした。

  • レヴューまっぷたつ
    読者の喪失経験(? )の有無が大きいようにも。
    小説というのは、筆者の描写に依存する人と、自分の経験から補完する人に分かれるのかもしれない。
    これは後者向け。
    文章は読みやすい。
    家族とはあるものではなく、するもの。このセリフも、家族を失いかけた者に特に響くと思う。
    明日死ぬと悪魔に宣告された主人公が、世界から何かを失う代わりに自分の命を1日得る。世界から思い出が消えるたび、主人公は過去を想起していき、最後は自分より大事なものに気がつく。
    自分の命と引き換えにネコをとったというより、父親に家族としてネコを託したいがため、ネコをとったのだろう。

  • 読むタイミングによって、感じ方が変わるというのは凄く分かる小説だと思う。
    比喩やセリフが上手いなと感じた。

  • 佐藤健さん主演での映画化ということで、興味を覚え読んでみました。
    映画は機会を逸して未見です。

    タイトルが印象的で、各メディアで大絶賛されていた印象でしたが、
    正直30分とかからず読み終えられてしまう内容の浅さで、
    とても”古典””小説”とは思えませんでした。
    ライトノベルやケータイ小説と言われればまだ納得がいくかな、という内容です。

    読んで毒になるような内容ではありませんが
    少なくとも私は期待したような内容ではなく、命についてなど
    響く描写もほとんどなく、淡々とあっさりと、深いところに切り込むこともない
    ストーリーでした。

    現実にファンタジーが紛れ込む設定は大好きなのですが
    その分納得のいく練り込みが必要と考えます。
    突然悪魔がやってきて、なにかを消すことで一日寿命を貰える
    という設定時代は面白いのですが、消すということについての捉え方が非常に曖昧です。

    ”電話を消す”と言っても、電話とは何を差すのか、機種なのか概念なのか
    世界的になくなるのか、その辺りが非常に適当です。
    時計がなくなって、主人公は仕事を休んでいるからさほど困らないが
    世間は時計がなくても出社しています。
    その人たちは元々時計がなかったと思っているのか
    突然なくなったのか、説明がなく混乱の描写も曖昧なのです。

    また郵便配達員になったきっかけが父からのハガキだというのですが、
    折角貰ったハガキを水にひたして切手を剥がすというのが
    自分としては理解できませんでした。大切ならハガキごと取っておくのではと思ってしまったので。

    制服についても、部屋に一式持ち帰っていることにやや違和感がありましたが
    これについては洗濯のため持ち帰ることも有りえます。
    しかしながら、白いワイシャツにストライプのネクタイ、チャコールグレーのスーツというのはどういうことでしょうか。

    出版されたのと本の中の時代が一緒であれば
    平成24年から合併していますが、合併以前の郵便局株式会社、
    つまり窓口であれば、確かにチャコールグレーのスーツでしたが、
    配達員はネイビーのポロシャツとパンツです。
    配達員という設定にしている割に、窓口業務の人の制服を
    事細かに描写するというのはどういうことでしょうか。

    日本ではない、現実の日本ではない、のかもしれませんが
    それにしてもニアミス過ぎます。
    筆者の方が勘違いされているのではないでしょうか。

    大事な設定部分がこのように全て曖昧で
    きちんとした下調べもない様子なところに、説得力のなさをよりいっそう感じてしまいました。

  • これは感動する人とぜんぜんしない人と、極端に分かれそう。
    わたしは後者だった。

    これで感動できるほど、わたしは純粋なこころをもってない。
    それだけ「生きてて汚れた」ってことなんだろうけど。

    人生の体験によって、この小説の受け止め方はかわるとおもう。
    じぶんの汚れのリトマス紙みたいな小説。

    映画化されるってことでこの作者がラジオにたーくさん出て、なんどもおなじ「これを書いたエピソード」を話してた。
    ケータイをなくしたとき、乗ってた電車の窓から大きな虹を見たけど、ほかの人たちはケータイを見ててだれも気づいてなかった、っていうの。
    なにかを失ったことでなにかを得た、というその体験をもとに、この小説を書いた、っていう話。

    そこに惹かれたから、わたしはこれを読んでみたんだけど。

    あまりにも「そのまま」に書かれてた文章表現は、小説というより啓蒙書みたいで。
    コンビニでよく売られている名言集みたいなのを小説仕立てにした、っていうかんじ。

    あのコンビニ本の名言集を好んで買うか、手を出す気にもならないか。
    そんな選択がそのまま、この小説に感動するか否か、にも当てはまる気がした。

    文体はわりと好みだし、ところどころ感嘆する文章もあったけど、全体的に作者の言いたいことが凡庸すぎて、「ただしい人がただしいことを書いた」っていう印象しかない本。
    ラジオでの作者のトークはそんなつまらない印象はぜんぜんなかったのに。

    感動できなかった疚しさはうっすらと残る。
    「小説」とはどういうものか、「小説」の描き方、みたいなことをかんがえさせられた。

  • 郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、「この世界から何かを消す。その代わりあなたは一日だけ命を得る」という奇妙な取引を持ちかけてきた。僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計…僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。二〇一三年本屋大賞ノミネートの感動作が、待望の文庫化!

  • なかなか面白かった。
    残る言葉もいくつかありました。
    その中で特に2つ。

    “エンドロールのあとも人生は続いていくのだ。誰かの記憶の中で僕の人生が続いていくことを、心から願った。”
    誰かの記憶の中で、私の記憶が人生が続いていなくてもいい。でも、自分がいなくなっても世界は終わりでなくて誰かは生きて成長して、その誰かにとっては普段の毎日が続くんだなと改めて思いました。


    散歩に出かけると子どもの好奇心とかで、思い通りに動けない。子供関係のいろんなことで、思うように進まず時間がかかってしまうことは、子供が大きくなった今でも多々ある。急いでいるときは焦る、面倒に思うときもある。私はこの本の中のお母さんみたいにきちんとしたお母さんはできていませんが、でもそういうのも良い時間というのは分かる。

    「でも、とっても幸せな時間だった」

  • 余命宣告をされた主人公の前に自分と同じ姿の悪魔がやってきて、何かを1つ世界から失くしたら1日寿命が延びるというお話。

    この中で彼女との思いでの映画や電話、時計を消していくけど、何を言いたいのか理解力がないので、理解できませんでした。

    時計が消えたなら~P138「目の前のことに追われれば追われるほど、本当に大切なことをする時間は失われていく。そして恐ろしいことに、その大切な時間が失われていることにまったく気づかないのだ」
    とあった。
    ゆったりと心にゆとりがあれば、できるのだろうけど、なかなかできないよ…と思いました。

    猫が消えたなら~P175「家族だから。そこにいるのがあ当たり前で~お互いの話を聞かず、自分の正義だけを主張し続けた。でもそれは違った」
    そんな態度をとっていたので、反省しました。


  • 彼女と別れなかった選択を考えてるシーンと、最後の映画を見るシーンが印象深かった。
    「電話があれば相手に気持ちを伝えて聞くこと」ができたかぁ。人と人が一緒に生きていくには必要なことなんだろうな。新しいルールも2人で更新し続けなくちゃいけないんだよ、きっと。大事にしたいことだけど、難しいな。
    自分そのものを形作ってる「あってもなくてもよいもの」ってなんだろうって考えちゃうシーン。あと、見たい映画が増えた。
    大人になって得たもの失ったものの所も好きだった。なんかそこの悲しみににすごく共感した。
    終わり方があっさりしててびっくりした。てっきり死ぬまで描かれると思ってたから拍子抜けでした。そこまで描かれるのも見たかったけど、これはこれで前向きな終わり方な気がするので良かった。

  • 人は失って初めて大切なものに気付く。
    いつもそばにあるのが当たり前になってしまって、その大切さに気付かない。気付いたときにはもう遅かったりする。
    この本に、大切なことを教えてもらったと思う。

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著者プロフィール

かわむら・げんき
1979年、横浜生まれ。
上智大学新聞学科卒業後、『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『寄生獣』『君の名は。』などの映画を製作。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、’11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。’12年に初の小説『世界から猫が消えたなら』を発表。同書は本屋大賞にノミネートされ、佐藤健主演で映画化、小野大輔主演でオーディオブック化された。2作目の小説にあたる本作品『億男』も本屋対象にノミネートされ、佐藤健、高橋一生出演で映画化、’18年10月公開予定。他の作品にアートディレクター・佐野研二郎との共著の絵本『ティニー ふうせんいぬものがたり』、イラストレーター・益子悠紀と共著の絵本『ムーム』、イラストレーター・サカモトリョウと共著の絵本『パティシエのモンスター』、対談集『仕事。』『理系に学ぶ。』『超企画会議』。最新小説は『四月になれば彼女は』。


「2018年 『億男 オーディオブック付き スペシャル・エディション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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