- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094060867
感想・レビュー・書評
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[何かを得るためには、何かを失わなくてはね]
テーマ1 「いつか死ぬ存在」余命数日という斬新な極端な設定で、自分の寿命の延命の代わりになくしていいものを考えさせる。そして、自分にとって、「猫」に代表されるものの存在の価値に気づき、ただ生きていた自分から、どう生きるかという、主体的な生き方に気づき、最後は父との関係の修復に動く。
悪魔の、「すべての人間にとって寿命は未知です」
主人公も多くの人と同じで、悪魔の出現まではこの日常が続くと思っている。わが身に即しても、危機感のない毎日を送っているなあと思う。
テーマ2 人生のたくさんの選択肢 ひとつを選ぶ事は無数のほかの可能性を捨てること。成り行きで選ぶのでなく、積極的に選べ。この点については土曜日の部分で少し触れている。主のテーマではない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
流行ったときは読まなかったけど。
流行った意味がわかります。
見えないものほど、大切にしたいものが
ある。 -
主人公の人柄が、可愛い。
悪魔も、面白可愛い。
キャベツの言葉により交通機関で吹き出しそうになるのを懸命にこらえてしまいました。
最後の方、お母さん、お父さんの想いにきづいたあたりで泣きそうになるのをこらえてました。
サクッと読める文章ですが、心が沢山動かされました。 -
午後から読み始めて夜には読み終わった。
それぐらいあっさりと読みやすい文章。
ただ、内容は生死に関わることで重い。
抜粋 響いた言葉
「あってもなくてもよいもの」が集まり、その外
形を人型にかたどって「人間」というものが存在している。
目の前のことに追われれば追われるほど、本当に大切なことをする時間は失われていく。そして恐ろしいことに、その大切な時間が失われていることにまったく気付かないのだ。ちょっと時間の流れから離れて立ち止まってみれば、どちらの電話の方が自分の人生にとって重要なのかはすぐ分かることだったのに。
自分だったらどうか?自分の生き方はどうか?など、自分のことを考えたくなった。 -
30歳の主人公、ガンにより余命なし、
突如現れた悪魔との契約、何かを消せば自分が1日延命できる、という不思議なもの。
少しずつ、消していく中で、いろいろ思い出していく中で、自分にとって大事なものとか、自分が他者にどうだったとか、見えてくる。親子、夫婦、恋人、友人、なかなか思うところの大きいお話。
やるべきなのに何となく後回しになることって世の中に満載。 -
彼女がバッドエンドの映画をもう一度見るようにしてる理由は、
もしかして次はハッピーエンドになるかもしれないと思うから。
時間がないはずなのにゆっくりと流れていく。
ひとつひとつ消していくごとに
過去を振り返って、進んでいく。
生きることで、死に向かってゆく。
シンプルで洗練された文章が好き。
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何かを得るには何かを失わなきゃならない。たしかにそうだなって刺さる言葉が沢山
私はまだ母親が亡くなっていないし、父親とは円満だし、猫を飼ったことも無いけれど、主人公の気持ちを想像したらすごくうるうるしちゃって、電車の中で泣きそうになった。
最後の終わり方が読者に想像させるような?終わり方であれはあれで好き。 -
喪失の物語。愛しているということは、消えてほしくないということ…。失ってから気づくじゃ遅い、自分にとって大切なものを大切にしなきゃいけないと気づかせてくれるお話。