世界から猫が消えたなら (小学館文庫 か 13-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094060867

感想・レビュー・書評

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  • いやもう本当、驚くくらいつまらん。よくこれで出版できたなぁと感心するレベル。登場人物たちの心情が一切わからない。え?何?何が起こったの?って感じ

    猫を撫でたり、猫が喋ったりもするが作者は猫が嫌いなの?ってくらい猫を観察してないと思う。猫を撫でるときの音?が、気持ち悪い。猫飼ったことないですよね?と思う。もちろん、飼ったことがあろうがなかろうが、小説に出すのは勝手だがせめて猫をよく観察してくれ。地域に野良猫いないのか?それとも、生粋の犬派なのか?

    最初から最後まで終始、「僕、こんなに素敵な作品書けるんですよ!!ほら!!実写映画化もされちゃったー!!」って言われてるみたいだった。

    買う価値はないですね。実際、周りにいた人でこの作品を読んだという方の中で高評価だった人のほとんどが普段から読書をしない方ばかりでした。読書家の友人も酷評。どこがそんなに面白いのか分からなかった



  • 佐藤健さん主演での映画化ということで、興味を覚え読んでみました。
    映画は機会を逸して未見です。

    タイトルが印象的で、各メディアで大絶賛されていた印象でしたが、
    正直30分とかからず読み終えられてしまう内容の浅さで、
    とても”古典””小説”とは思えませんでした。
    ライトノベルやケータイ小説と言われればまだ納得がいくかな、という内容です。

    読んで毒になるような内容ではありませんが
    少なくとも私は期待したような内容ではなく、命についてなど
    響く描写もほとんどなく、淡々とあっさりと、深いところに切り込むこともない
    ストーリーでした。

    現実にファンタジーが紛れ込む設定は大好きなのですが
    その分納得のいく練り込みが必要と考えます。
    突然悪魔がやってきて、なにかを消すことで一日寿命を貰える
    という設定時代は面白いのですが、消すということについての捉え方が非常に曖昧です。

    ”電話を消す”と言っても、電話とは何を差すのか、機種なのか概念なのか
    世界的になくなるのか、その辺りが非常に適当です。
    時計がなくなって、主人公は仕事を休んでいるからさほど困らないが
    世間は時計がなくても出社しています。
    その人たちは元々時計がなかったと思っているのか
    突然なくなったのか、説明がなく混乱の描写も曖昧なのです。

    また郵便配達員になったきっかけが父からのハガキだというのですが、
    折角貰ったハガキを水にひたして切手を剥がすというのが
    自分としては理解できませんでした。大切ならハガキごと取っておくのではと思ってしまったので。

    制服についても、部屋に一式持ち帰っていることにやや違和感がありましたが
    これについては洗濯のため持ち帰ることも有りえます。
    しかしながら、白いワイシャツにストライプのネクタイ、チャコールグレーのスーツというのはどういうことでしょうか。

    出版されたのと本の中の時代が一緒であれば
    平成24年から合併していますが、合併以前の郵便局株式会社、
    つまり窓口であれば、確かにチャコールグレーのスーツでしたが、
    配達員はネイビーのポロシャツとパンツです。
    配達員という設定にしている割に、窓口業務の人の制服を
    事細かに描写するというのはどういうことでしょうか。

    日本ではない、現実の日本ではない、のかもしれませんが
    それにしてもニアミス過ぎます。
    筆者の方が勘違いされているのではないでしょうか。

    大事な設定部分がこのように全て曖昧で
    きちんとした下調べもない様子なところに、説得力のなさをよりいっそう感じてしまいました。

  • これは感動する人とぜんぜんしない人と、極端に分かれそう。
    わたしは後者だった。

    これで感動できるほど、わたしは純粋なこころをもってない。
    それだけ「生きてて汚れた」ってことなんだろうけど。

    人生の体験によって、この小説の受け止め方はかわるとおもう。
    じぶんの汚れのリトマス紙みたいな小説。

    映画化されるってことでこの作者がラジオにたーくさん出て、なんどもおなじ「これを書いたエピソード」を話してた。
    ケータイをなくしたとき、乗ってた電車の窓から大きな虹を見たけど、ほかの人たちはケータイを見ててだれも気づいてなかった、っていうの。
    なにかを失ったことでなにかを得た、というその体験をもとに、この小説を書いた、っていう話。

    そこに惹かれたから、わたしはこれを読んでみたんだけど。

    あまりにも「そのまま」に書かれてた文章表現は、小説というより啓蒙書みたいで。
    コンビニでよく売られている名言集みたいなのを小説仕立てにした、っていうかんじ。

    あのコンビニ本の名言集を好んで買うか、手を出す気にもならないか。
    そんな選択がそのまま、この小説に感動するか否か、にも当てはまる気がした。

    文体はわりと好みだし、ところどころ感嘆する文章もあったけど、全体的に作者の言いたいことが凡庸すぎて、「ただしい人がただしいことを書いた」っていう印象しかない本。
    ラジオでの作者のトークはそんなつまらない印象はぜんぜんなかったのに。

    感動できなかった疚しさはうっすらと残る。
    「小説」とはどういうものか、「小説」の描き方、みたいなことをかんがえさせられた。

  •  さらさらとテンポ良く読めるし、重さはない。通勤、通学の途中、病院の待合室や寝る前の束の間、活字が欲しい時にさらさらと読むのは心地いいだろう。

     が、個人的にはあまりにも手触りが軽く、また、登場人物の誰にも感情移入はできなかった。シンプルに生きている次元が違って、ポイントごとに「ここを読めばあの人は泣くだろ」「この言葉はあの人に刺さるだろう」と思いながらも、自分には残らず、素通りしてしまう。

     感受性の豊かな若い子、もしくは、普段はあまり小説を読む事のない子、命について少しだけ不安を感じる子、親や恋人、友達と仲直りがしたい人なら読むと良いかもしれない。

  • 面白そうな設定を考える事と、それを面白く仕立てる文章を書く事は別のものなのだと思った作品。
    お涙ちょうだいがみえみえで萎えてしまった。

  • うん、わかる。言いたいこと、泣きどころもとても良く伝わる。実際、母へのくだりは自分と重ねて涙がでた。ただ、ライトノベルの延長線上でしかない印象。というか、猫鳴りを読んだ後に同じような猫と生死をテーマとしたこの本を読んだのがいけなかった。圧倒的な差が、如実に現れてしまった。日本語が陳腐だと思ってしまった。何様だ自分。

  • ほんとに最後の最後だけ良かった。
    自分が生きるために何かを消すなんて取引を受けること自体頭おかしいんじゃないのと思った。最後に辿り着いてやっとまともに収まった。

  • 「明日あなたは死にます」と悪魔に言われた主人公。
    しかし、「何かをこの世界から一つ消すたびに一日寿命を延ばす」という契約を持ちかけられる……。

    小学館文庫の本書ページによると、70万部以上売れているそうだ。
    ネットでは、高い評価もたくさん見られる。
    しかし、はっきり言って私は1つもいいところを見つけられなかった。
    そう言うからにはきちんと理由を述べるべきだと思うのだが、長くなるため、箇条書きで書く。

    ①設定が甘い・強引・矛盾・説明不足
    ・悪魔に「明日あなたは死にます」と言われたのが月曜日。
    それから何かを消すたびに一日だけ寿命が延びる。
    主人公が消したものは全部で3つ。
    なぜお前は日曜まで生きているんだ。

    ・悪魔はともかく、勝負を買った神様は人間の世界をめちゃくちゃにして何をしたいのか。

    ・別れた理由が思い当たらない→ブエノスアイレスでの一件。
    十分思い当たる節があるように見受けられる。

    ・「トムさんといっても日本人だ。」
    どうしてトムという名前なのか?
    理由を説明しないなら、普通の日本人名でいいのではないか。
    つまらないところでつっかかりを作らないでほしい。

    ・「電話ですら、もう僕らをつなぐことができなかった」
      →「あのとき(中略)電話を持っていれば」
    飛行機の中という「瞬間」での電話の必要性を言っているのなら、その記述を。
    個人的には、関係の改善を「if」のしかも「モノ」に頼っている時点で、その望みは薄かったと思う。
    ロマンチックな事を言っているかもしれないが、気に食わない主人公だ。

    ・映画を消すことを決めた段階で元カノと映画を見る約束を思い出しているが、その前の消そうかどうか迷っている段階で思い出す方が自然ではないか。
    前者だと約束などほとんど気にしてないように感じられてしまう。

    ・母のことを少しも覚えておらず、自分の事には興味もないといった風の猫の突然の忠誠心に違和感。
    本当は最初から忠誠心があるというならその描写が必要。
     
    ・猫には愛がない?
    猫小説だと思って購入したのに。
    作者はおそらく猫が好きじゃない。

    ・「母さんは自分が旅に行きたいわけじゃなかった」
    それに気づく要素がどこにあったのか。第六感か。

    ・結局どうして父に手紙を書く気になったのかがわからない。

    ②盛り込みすぎ
    ・音楽や映画などの現実の作品をたくさん出してくるが、「映画プロデューサーだからこんなに知ってるんだ。オシャレだろ?」という考えが透けて見える。
    現実の作品を挙げることを否定してるわけではない。
    既存の作品を受けて、新たな世界を構築できるならアリだ。
    しかし、既存の作品のイメージをそのまま使って、良さげな雰囲気を醸し出そうとするのは反則だと思う。
    そもそも、各作品と本書との関連が薄いので浮いている。

    ・世界から何かを消す時、それに対する主人公の思いが語られるが、消してしまった後の物語に影響してこない。
    ただでさえ日によって関わるものが変わって長編が連作短編のように感じられるのに、つながりがないためにぶつ切りの短編のようだ。
    テーマをたくさん詰め込みすぎて扱い切れていない。

    ・映画の名セリフの引用シーン。
    「人生で起こることは、すべてショーの中でも起こる」
     →「起こりえない!事実は映画よりも奇なのだ!」
    ダメなわけじゃないが、映画のセリフを詩人の言葉(事実は小説よりも奇なり)で否定しちゃうのか!というところ。
    映画のセリフを映画のセリフで否定できるならおもしろいのかもしれないが。

    ・既存作品のセリフ以外にも、狙ったような哲学的な言葉が羅列されているが、総じて重みがない。連発しすぎで、文脈との関連性も薄い。
    本書のホームページでは、角田光代さんが「小説だが、これはむしろ哲学書なのではないかと思えてくる。」というコメントを寄せているが、これは皮肉なのではないだろうか。

    ③文章が稚拙
    ・会話文も地の文も、語り口がライトノベルのよう。
    ・基本的に一人称で進められる地の文が、突然読者への問いかけ口調になるのは不自然。
    ・表現方法の一つと言われればそれまでだが、ビックリマークを横に3つ並べて使うのはみっともないと思う。
    ・「フーカフーカ」は「ふかふか」ではだめなのだろうか。作者の感じ方としてはアリだと思うが、既存のよく似た表現があるなら、わかりやすい方を使った方がいいとも思う。
    ・大きく息を吸い込んだままの死。
     吐き出せ。

    ここまで書いておいて、という感じはするが、著者の川村さんは映画プロデューサーで、「電車男」、「告白」、「モテキ」、「おおかみこどもの雨と雪」などに関わってきたそうだ。
    有名な作品、私の好きな映画作品も多い。
    しかし、小説は本作が初めてだという。
    ぜひ映画プロデューサーの道で頑張ってほしい。

  • 良い作品だったけど個人的にはあまり好きではない。
    感情移入するタイプなので移入する場所がなく淡々と終わってしまった。
    他にも感情移入しない作品はあるけど楽しく読めるのもあるので何が違うのかは謎。

    おそらく、この後どうなるんだろう?というワクワクがなかったのかも

    題材は好き。
    世の中から携帯電話が消えた時や時計が消えた時、主人公が感じるように、人間が勝手に作ったルールに縛られて不自由さからくる安心と引き換えに自由を失った。というところは好き。
    人間は勝手にルールを作り階級を作り、嫌でも比べられる。そういう話は共感。

    でも、初めから主人公はどこか達観していて悟っていて、読む側を諭すまではいかないけど、ただ単に知らない人の哲学や考え、人生を通して知ったことを語られている感じで、
    一緒になって、ワクワクしたり、成長を見守ったり、そういうのがないので、人(知らない人)の人生に興味がないタイプなのでのめり込めなかった。

    といいつつ、感動はした。

  • 2012年10月マガジンハウス刊。加筆し、2014年9月小学館文庫より刊行。2013年本屋大賞ノミネート8位。1日単位に何かが、消えるのですが、「消えた」となるだけでした。消えるまでに、思い出が語られますが、淡々としていて、わかったようなわからないような、ふしぎなお話でした。

著者プロフィール

かわむら・げんき
1979年、横浜生まれ。
上智大学新聞学科卒業後、『電車男』『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『寄生獣』『君の名は。』などの映画を製作。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、’11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。’12年に初の小説『世界から猫が消えたなら』を発表。同書は本屋大賞にノミネートされ、佐藤健主演で映画化、小野大輔主演でオーディオブック化された。2作目の小説にあたる本作品『億男』も本屋対象にノミネートされ、佐藤健、高橋一生出演で映画化、’18年10月公開予定。他の作品にアートディレクター・佐野研二郎との共著の絵本『ティニー ふうせんいぬものがたり』、イラストレーター・益子悠紀と共著の絵本『ムーム』、イラストレーター・サカモトリョウと共著の絵本『パティシエのモンスター』、対談集『仕事。』『理系に学ぶ。』『超企画会議』。最新小説は『四月になれば彼女は』。


「2018年 『億男 オーディオブック付き スペシャル・エディション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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