付添い屋・六平太 鷺の巻 箱入り娘 (小学館文庫 か 35-4)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094061420

作品紹介・あらすじ

時代劇の伝説的脚本家、小説も大ヒット!

第一話 箱入り娘
六平太は不意の付添いが縁で、播磨石郷藩米倉家のお抱え屋敷に出入りするようになる。屋敷の主・お佐江の方の娘、結衣の輿入れが決まった。西国へ嫁ぐ前に、六平太は結衣を江戸見物に連れ出す。
第二話 島抜け
ひと月前、伊豆大島で三人の島抜けがあり、一人の消息がつかめない。男は兇盗・黒弥陀の一味だったくちなわの惣兵衛。黒弥陀は六年前、内部の裏切りにより全員が捕らえられた。一味を売った丑松は、半次と名を変え、六平太も通う元鳥越の髪結い「きのし床」を営んでいた。
第三話 神隠し
秋月六平太は、困っていた。神田「紙半」の娘・お夏の行き先は、なにがなんでも野巫(町場の陰陽師)の御託宣に従うからだ。大川の川開きの当日、お夏は夕刻から花火見物でごった返す両国に出かけると言い出した。案の定、六平太は大川の橋の袂でお夏を見失う。
第四話 藪入り
夏の藪入りの十六日、六平太は竹木炭薪問屋「田丸屋」の丁稚奉公・幸助と深川にやってきた。幸助は一年前の夏に父を亡くした。その年の藪入りに実家のある下谷の裏店に行くと、母の姿はなく知らない家族が住んでいたという。幸助の母・おれんは、深川で男に売られていた。


【編集担当からのおすすめ情報】
ドラマ時代劇の四英雄
北大路欣也さん、高橋英樹さん、
里見浩太朗さん、松平健さん、
こぞって絶賛!(コメント到着順)
書き下ろし時代小説界最後にして最強の新人!
早くもシリーズ第四弾!

感想・レビュー・書評

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  • 鷺の巻 箱入り娘 ― 付添い屋・六平太シリーズの4作目
    2015.03発行。字の大きさは…小。
    箱入り娘、島抜け、神隠し、藪入りの短編4話。

    立見流兵法の遣いて秋月六平太が、裕福な商家の子女の芝居見物などの付添い屋を生業とする人情物語です。

    六平太の此度の付添いは、播磨石郷藩米倉家の妾腹の結衣姫が、遠国に嫁入りするにあたり、江戸の町を目に焼き付けておきたいとの要望で江戸案内をする。結衣姫は、六平太の借家で六平太の義妹・佐和と語り合った一夜を胸に「あの一夜を宝として胸に刻めば、かの地でも生きて行けそうじゃ」と言って旅立って行く…。

    【読後】
    テレビの一コマ一コマを見ている様な描写に、脚本家として多くのテレビドラマを作ってきた金子成人さんの素晴らしさがうかがえます。
    2020.09.15読了

  • 短編毎に毛色が異なる依頼人の事情を織り込んでいるので、変化があって誰にでも読みやすいのだろうと思う。けれど、もう少し奥行きが欲しいので長編にして欲しいな。
    十河藩の面々は第1巻からずっと卑怯で小物ばかり。こいつらこの先も成敗されずにずっと出てくるのだろうか。

  •  金子成人「箱入り娘」、付添い屋六平太シリーズ№4、2015.3発行。箱入り娘、島抜け、神隠し、藪入りの4話。どれも十分楽しめました。特に、箱入り娘と藪入りが秀逸でした。満足の読後感です! 六平太の義理の妹で出戻りの佐和が火消しの音吉との出会い。音吉には5歳の娘がいて、妻は病没。二人の仲が進展しそうな気配を感じますw。

  • 良いねぇ〜。
    実に良い!
    短編がいくつか合わさり、話になっている作りなのだが、どれも良い。

    お家を放逐され荒れて、放蕩のかぎりをしていた六平ただが、父親の後妻の母が亡くなり、後に残った義理の妹が、古着の仕立てでどうにか食いつなぐ生活が続き、やっと兄としての自覚も戻り、自分で『付き添いや』という商売を作り、大店の娘や妻などの芝居小屋への付き添いなどを生業としている。時として用心棒のように安全に家まで送るまでを仕事としている。

    さて、どうにか人間らしい生き方になってきた六平太。

    今回の話は、小藩の妾の娘が意に沿わない西国への嫁入りを前にして、母親がせめて少しは江戸の楽しい思い出をと、六平太に江戸見物の付き添いを。

    はたまた、藪入りの日に、行方不明の母親を探して、地理の不安ないな深川を小僧とともに散策する話など。

    そして繋ぐのは、メインの登場人物の人情絡むお話。
    つい涙も誘われる良いお話ばかり。

  • シリーズももう第4弾。今回も六平太が、付添い先で関わった町人などの困りごとを解決してゆく。

    とは言っても、もうどうにもならない事もあり。知恵を絞った聞き込みや、大立ち回りの先に、人の世の無情が香るのだ。

    江戸の様々な場所が出てくるので、江戸の地図が欲しくなりました。

    お佐和さんにも好き男ができ、十河藩との因縁も、新たな局面を迎える。次の巻も楽しみ。

  • 付き添い屋家業も板についてきて、人情話になってまいりました。

  • L 付き添い屋六平太4

    前々からから文章が一文ごとに改行になっているのは何故なんだろう。脚本的な?イマドキ的な?
    話の中身、できごと設定は面白いけど文が〜。小説だから文章に情感たっぷりなところがあってもいいと思うんだけど、物足りない。時系列を大事にしているのか、家に寄ったことを書き込んでいたり。ちょっと行動の意味がつかめなかったりして困惑。ストーリー面白いのに残念。
    裏表紙の、日本一の人情時代劇 っていう紹介一文……。それほど人情してる??

  • 相変わらず「時代小説って、いいな~」と思わせてくれる人情物語4話が収録されています。切なく温かい読後感。この人たちの後日談まで想像して胸が締め付けられたり思わず微笑んだり。

    このシリーズ、ドラマ化されるでしょ。クオリティ高いですもの。脚本は問題なし! きっちりとしたキャスティングさえ出来ればハマる作品が出来上がるはず――読みながら浮かんでくる映像が、それを確信させます。

    直に第5弾ですね。楽しみです♪

  • 金子成人さん「付添い屋六平太」新刊、第二話に火盗改めも出てきた。闇に絡め取られた男たちの描写は鬼平の「浅草・御厩河岸」を思い出させる。このシリーズ、池波作品読めなくて悶えてる人はホント全員読むべき。ドラマ化して欲しい。

  • 54

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著者プロフィール

一九四九年長崎県生まれ。会社勤めのかたわら倉本聰に師事し、七二年「おはよう」で脚本家デビュー。九七年、第十六回向田邦子賞を受賞。「鬼平犯科帳 」「剣客商売」「御家人斬九郎」「水戸黄門」など脚本作品多数。著書に「追われもの」「付添い屋・六平太」「ごんげん長屋つれづれ帖」「かぎ縄おりん」などの各シリーズがある。

「2023年 『小梅のとっちめ灸(三)針売りの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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