- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094061819
作品紹介・あらすじ
時代劇の大物脚本家が贈る、王道時代劇!
第一話 厄介者
六平太と相惚れの仲である、音羽の廻り髪結い・おりきが何者かに襲われた。六平太は、おりきの付添いを始めるが、おりき自身から「客にからかわれるからやめてくれ」と言われてしまった。おりきの身の危険は去っていなかった。
第二話 十三夜
馴染み客である飛騨屋の親子から、六平太は老夫婦の江戸見物の付添い屋・を頼まれる。しかし、妻のおもとのほうは、少し物忘れがひどくなっているようだ。江戸見物に出かけても、おかしなところへ行こうとするのだ。
第三夜
六平太は、商家のお内儀を鎌倉まで送るという付添いを頼まれる。行き先は、駆け込み寺として知られる東慶寺。味噌問屋のお内儀であるお栄は、義父母、夫の仕打ちに耐えかねて、家を出たのだという。
第四話 初時雨
江戸の老舗菓子屋をあの手この手で乗っ取ってきた『甘栄堂』は、悪事を知られている六平太をなんとか取り込もうとしている。ある日、秋月家に届いた『甘栄堂』からの付け届けの菓子を、妹の佐和は無断でお裾分けに持ちだしてしまう。
【編集担当からのおすすめ情報】
ドラマ時代劇のレジェンド
北大路欣也さん、高橋英樹さん、
里見浩太朗さん、松平健さん、
こぞって絶賛!(コメント到着順)
書き下ろし時代小説界最後にして最強の新人!
最新刊第五弾のオビコメントは、村上弘明さん
感想・レビュー・書評
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立見流兵法の遣いて秋月六平太が、裕福な商家の子女の芝居見物などの付添い屋を生業とする人情物語です。
【厄介者】
音羽に住む六平太の内縁の妻・おりきが、襲われた。それは、おりきを想っている旗本鹿野家の三男坊・鉄弥が、自分に振り向いてほしいとの思いから起こった事であった。鉄弥は、兄嫁への思いが、年上の凛としたおりんに…。
六平太の義妹・佐和は、火消しの音吉に想いを抱いていたが、その思いに気が付いた女が…啖呵を切った…。
【十三夜】
六平太の一番の得意先の飛騨屋の母娘から治平の付添いの依頼があった。元大工頭・治平と妻・おもとを江戸見物にというものであった。おもとは、夫の留守を守って名所旧跡や芝居など行った事も無い。治平は、おもとが何も言わないのをいいことに、仕事に女にと遊びまわっていた。仕事を止めたので、おもとを連れて江戸見物と思ったら、おもとは、今と過去との区別がつかなくなっていた…。
【駆込み女】
口入れ屋・もみじ庵からの此度の依頼は、旦那の横暴に我慢のならない味噌問屋・森嘉屋のお内儀・お栄が、鎌倉の東慶寺へ駆け込む付添いである。東慶寺の御用宿・椿屋に無事送り届けた六平太は、森嘉屋の手代・清七が店の金30両を持って行方を晦ませたことを聞き、東慶寺に見に行くと椿屋でお栄と清七が一緒に泊っているのを…。
【初時雨】
佐和は、火消しの音吉への想いが募って行きます。とうとういつもの佐和でなくなり六平太の仕事に支障が出ます。六平太の怒りが…、佐和が何を言わず家を出て行き、行った先は、音吉の所である。六平太が迎えに行くまで帰って来ない…。
【読後】
テレビの画面を見ているような描写にビックリします。画面の一コマ、一コマを流れるように書いている様はさすがです。脚本家として多くのテレビドラマを作ってきた金子成人さんの素晴らしさがうかがえる描写です。
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玄武の巻 駆込み女 ― 付添い屋・六平太シリーズの5作目
2015.07発行。字の大きさは…小。2020.09.22読了。★★★☆☆
厄介者、十三夜、駆込み女、初時雨、の短編4話。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
佐和ちゃんのほのかな恋心と、十河藩の権力争いと並行して発生する存亡の危機という、全く趣の異なる2つの流れを軸にして、ブラブラ付添い稼業に勤しむ六平太。
いろいろあるけどこんな生き方で暮らしていけるのが羨ましい。 -
今回もハズレなし。
今回は珍しい付き添い、離縁をしたい女房が鎌倉の東慶寺に行くのを付き添ってほしいという依頼。
はたまた、評判の和菓子屋を、陰謀を持って立ち行かなくし、乗っ取りを重ねて、評判の和菓子の作り方もろとも字乗っ取って、大名のお抱え和菓子屋として大きくしていた「甘栄堂」その悪を暴く。
その一方、心配なのは妹の恋の行方。
隠蔵という隠し子のことがおりきに、わかってしまう。
進展のある回。 -
誤解されたままの六平太もお気の毒さま。
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ここ数ヶ月で一気に読んでいるので実感がないのですが、六平太が付添い屋家業を初めて7年経ってるんですね。なかなかの経年です。それでもまだ5巻。いけそうです。ただ、妹・佐和の周辺が慌ただしくなっています。どう展開させていくのか、それによって物語にどう変化が生じるのか。さらに新たな展開が生まれてくるのかなど、興味は尽きません。
江戸時代の「実態」については昨今、諸説を覆す話を耳にする機会もあり、よって物語に引っかかりを感じる部分もありますが、「小説」です。この世界を楽しみたいと思います。 -
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