逆説の日本史 18 幕末年代史編1 (1) (小学館文庫 い 1-32)
- 小学館 (2015年7月7日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094061864
感想・レビュー・書評
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この巻では、ペリー来航を中心とする日米交渉史が解説されています。
著者は、「ペリーは突然やってきた」という一般的な歴史認識が誤りであると指摘し、ペリー来航前後の幕府の対外制作の愚劣さを厳しく批判しています。現代の日本が置かれた国際状況に絡めて説明がなされるなど、著者らしい脱線もありますが、はじめて知ったことも多く、興味深く読みました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本作の中に、ペリーが突然来たわけではないのに、日本人のほとんどが突然来たと思っている、という作者の見解が書かれている。
作者の指摘通り、自分もそう思っていたので、勉強になった。こういう気づきがこの本を読む醍醐味だと思う。
ただ、毎巻思うのが作者の主張が強いこと、なんでも言霊に結びつけようとすることに、少し辟易する。
例えばあとがきに原発事故が日本らしい言霊文化の結果、と書かれているが、世界中の原発も安全対策が不完全なまま、運転されており、日本特有のものではないと思ったり。
幕末の外国への対策が後手に回るのも、儒教文化以前の集団心理の結果だと思えたり。
主張が強い分、反論したくなる点が多い。