ロボット・イン・ザ・ガーデン (小学館文庫 イ 2-1)

  • 小学館 (2016年6月7日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094062373

感想・レビュー・書評

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  • 酒井駒子さんのカバー画がかわいすぎです。
    久しぶりのジャケ買いだったのですが、この小さなおんぼろロボット、本当にキュートなのです!

    家庭や仕事でアンドロイドが使われるのがあたりまえの近未来が舞台。
    主人公のベンは34歳無職、弁護士として活躍する妻のエイミーとは気持ちも行動もすれ違ってばかりです。
    そんな2人の家の庭に、ある日突然「タング」と名乗る小さなロボットが現れたのです···。

    SFというよりもハートウォーミングな家族のドラマでした。
    タングと共に過ごす日々の中で、ベンはさまざまなことに気付き、反省し、過去を乗り越えていきます。
    タングも言葉を覚え、自分の要求を通す方法も覚え、周りを思いやることもできるようになっていきます。
    2人の成長、それとともに強くなる絆に、あたたかい気持ちにさせられてばかりでした。
    また、すれ違っていたベンとエイミーの関係がどのような結末を迎えるのか、結婚生活をスタートしたばかりの私は大変興味深く読んだのでした。

    嬉しいことに本書の続編もすでに出ているのですね。
    これは読まなければ!

  • 何これ可愛すぎる!
    ガムテが可愛く思える日が来るとわ( ̄▽ ̄)笑

    児童書かと思って読み始めたら、不倫やら出産、破水に頭出て大騒動って笑

    片言のたどたどしさがたまらない!
    進化?しても変わらないといいなぁ。

    ロボットやアンドロイドが健気って反則ね(¬_¬)

    • 土瓶さん
      みんみんさん、こんばんは~^^
       
      ひまわりめろんさん、なおなおさん情報で舞台化もされてて、映画化もされるそうです。
      どれで観ようか悩...
      みんみんさん、こんばんは~^^
       
      ひまわりめろんさん、なおなおさん情報で舞台化もされてて、映画化もされるそうです。
      どれで観ようか悩むとこです♪
       
      しかし……ガムテ……一応はロボットでガムテ(笑)
      2022/07/19
  • ちょっと未来の…という但し書きはありつつ、読了して思い浮かんだフレーズは「イギリスの大人向けラノベ」でした(笑
    ※ラノベ好きとして感じたコトですので、悪しからず…

    主人公は34歳のちょっとマイペースな男性。奥さんと崩壊寸前の家庭にどういう訳かいきなりロボットがやってきて…という話。
    本著は、一冊を通じて一貫して主人公の成長物語で、序盤の旅が始まったあたりの「ベタなロードムービー」から始まりつつも、本著の終わりまで主人公は変わり続けていたのが印象的でした。
    その鍵となったのはもちろんロボット・タングな訳ですが、タングとの掛け合いが彼を成長させた…と言うよりは、主人公はタングを通じて自分自身を省みて、その振り返りが彼を変えていったように感じました。
    その描き方が決して嫌味でなく、非常に穏やかな筆致の中で、タングのコミカルな振る舞いというスパイスを散りばめつつ、主人公が徐々に過去を振り返っていく様は、読んでいて気持ちの良いものでした。読了後に、自分もちょっと周りに優しく、強くあろう、と自然に思えるちょうどのさじ加減と言うか。

    あと、主人公の奥さん、エイミーの描かれ方も上手いなぁと感じました。最初はキャリアばかりを重視して主人公を見下すタイプ、という印象でしたが、物語が進むにつれてそれがどんどん変わっていく。
    本著の優しい世界観を、効果的に演出していたと感じました。

    ちなみに、日本のシーンも出てくるのですが、茄子にそっくりな名前っていったい…?苗字なら「那須」さんなんでしょうが。。

    続編もぜひ読んでみたい。穏やかにあたたかな気持ちになれる良作でした。

  • ロボットがひたすらかわいい!!

    アンドロイドが日常の生活に溢れる未来のイギリスでベンの家の庭にタングというロボットが迷いこんできた。

    ダメダメ夫のベンは妻に捨てられ、タングの修理をするため2人で世界を旅する。

    少しずついろんなことを覚えていくタングと、そんなタングを我が息子のように大事に考えているベンを見ていると癒されます。

    元嫁の言動にはモヤっとしたものが出てきますし、ロボット差別の未来は想像しにくいけど、学びも多いので子供にも薦められる作品です!

  • ある日、全く突然に「庭にロボットがいる」(p7)ことになったら、わたしは何とするだろうか。
    ’えー、嘘、マジ?’とひとしきり騒いだ後はとりあえず’何でだろう’と首をひねるだろう。危害を加えてこない事を確かめつつ、とりあえず帰るのを待つか、人に引き取ってもらうか、とにかく’よし一緒に住もう’とはならないと思う。

    本作は家事一般をこなせる「家庭用アンドロイド」が一般家庭へそれなりに普及していると思われる近未来社会が舞台。

    ある日庭に彷徨い込んで来たぼろぼろロボットのタングと、「何ひとつ成し遂げたことがない」(p39)が情に篤く優しい男・ベンが出逢い、「どこへ向かっているのか皆目見当がつかない」(p101)ながらも旅に連れ立ち、イギリス→アメリカ東西横断→日本、と地球半周に及ぶ旅を経て、とうとうパラオにおいてタングの製作者・ボリンジャーと出会う。そこで明らかになる真相とは…!


    結末は’雨降って地固まる’宜しくのハッピーエンドではあり、色々と思う所はあるがまあるく収まった…のかな?

    ボリンジャーの過去についてはまだまだ深そう。
    対決のくだりが少々半端な気がしなくもないが。

    ロジャーに関してはもう全部解決だろうか。

    タングは動きとか表情とか想像するだけでめちゃくちゃ可愛いやつ。p433の搾乳器のくだりはイギリス風ジョークなのか?


    12刷
    2022.3.21

  • ベンは三十四歳、獣医になるための研修を中断し、今は無職。
    事故死した両親の遺したイギリス南部の生家の庭に、ある日小さなぽんこつロボット・タングがあらわれた。
    ロボットを見つけた妻のエイミーは法廷弁護士で、家事をこなしてくれる最新式アンドロイドなら欲しいが、役に立たない旧式ロボットなどただ目障りなだけ。毎日をぼんやり過ごしているベンにも苛立ちを隠さない。
    けれどベンは、このおかしなロボットに、スマートなアンドロイドにはない「何か」を感じ、エイミーの言うようにゴミとして捨てる気持ちになれない。

    タングにこだわるベンに、ついにエイミーが離婚を前提に家を出て行ったあと、ベンはタングの修理のため、タングの作り主を探してカリフォルニアへ旅立つことに…


    ジャケ買いしそうになるほど可愛い表紙のイラストを書店で見かけて、気になっていた本。

    アンドロイドが一般的になっているあたりはSFだけれど、物語はそれほどSFではない、ほんの少し未来の迷える大人の成長物語。
    両親の死というショックで立ち止まってしまっていた人間の大人のベンが、実用的には役に立たないロボットのタングのために奮闘する中で、少しずつ前向きに努力する力を取り戻してゆく。

    とにかく、タングがだんだん言葉を発したりワガママになったりキャーキャー喜んだり、感情表現が豊かになるにつれて可愛くなる。
    不思議なことに、黙って座っていただけの頃より困らされ、心配させられるようになる一方で、もっと楽しませたい、喜ばせてやりたいと思うようになる。これはまさに子育て。
    思わず頑張れガンバレ、と応援したくなる。
    きっと、彼らはもっとハッピーな未来に、ゆっくりと向かっていけそう。


    うーん、なんだかんだタングが可愛くてもう細かいことは言いっこなしにしたいけれど…

    遺産があるからって、いい大人が6年も働きもせずブラブラしてたら、怒れるわ…ついつい、そこはエイミーの気持ちの方がよーくわかる。
    ウチにもタングが来たら、何か変わるかしら。
    いや、子育てしてたのに変わらなかったから、ダメか…

  • 中年ダメ男とポンコツロボットとの心温まるお話。
    まあ読んでてロボットがもはやロボットというよりは完全に単なる子供に感じてしまいましたが。いっそロボットじゃなくて実際に人間の子供とかしゃべることができる犬とかでも・・・と考えたけど、それだと虐待的な話が生々しくなってくるのかもな・・・きっと作者さんは小さなお子さんがいてその育児体験からこのロボット「タング」が生まれたんだろうなあ・・と思ったらホントにそうだったようで。なるほど。
    しかしこの話でちょっとおもしろかったのは「ダメ男」のダメっぷりの描写。基本的にこの男の視点で話が語られるので「自分がダメ男だ」と認識しての語りにはならず、むしろとげとげしい妻よりも彼の方に感情移入したくもなるけどでもやっぱりダメ男でもあり・・というなんとも絶妙のダメさ加減。ステレオタイプなダメっぽさじゃなくほんのりと、それでいてリアルに感じさせるさじ加減がすごい。


  • 2022.0807視聴開始
    2023.0211 完読
    まさかの読み終わるまでに4ヶ月もかかった笑

    翻訳した本は読みにくいって言ってたんだけど、個人的に読みやすい本というのがどーいうものを言うのか全くもって分からない。全部読みにくいだろ。

    さてこの作品。
    まず思ったところは序盤の助走期間があまりに長い気がした。
    主人公がロボットと出会ってロボット修理のため世界中を旅する構成だが、この物語で1番のクライマックスはやはり世界中を旅して一回り成長した主人公が元の生活へ戻っていく部分か。今までの旅を振り返ることで自分自身の成長を自分が実感していく過程。その成長に周囲が気付き主人公の見方を変化させていく部分。ここがやっぱ面白いよな。

    なんだけど、その部分が描かれるのは最後の2割くらい。意外の8割はロボットと主人公の2人旅を淡々と描く感じなんだけど、これがひどーく退屈。なんかノンフィクションの旅をただただ追っかけてるだけに感じてしまった。各旅で主人公とロボットが何を学んだのか。ってかその旅を通して筆者はこの2人に何を学ばせたかったのか。その学びを視聴者に伝えることで何を視聴者側に感じて欲しかったのか。その部分がちょっと分からんかった。ただ主人公とロボットの2人旅を追うだけというのであればそれこそドラえもん見た方がいい。

    しかし最後の2割部分は面白かった。
    ロボットの成長と共に自分が多大な学びを得ていると悟った主人公が、子供に対する興味関心の示し方を変えていく部分が良い。親も子育てを通して学びを沢山得ていく。子供も親も二人三脚で成長していく過程ってのをこの本はロボットを子供に見立てることで上手く表現している。押し付けるだけの教育ではなく、お互いが刺激し合える教育がより互いの学びを加速させるんだなと感じた。

    4ヶ月も経っちゃってるんで序盤の内容とかかなり忘れちゃってるんだけどね。

    ちなみにこの作品、続編がいくつか出てるらしい。
    終盤が面白かっただけに続編かなり見たくなる。

    んー、
    3.5点

  • 映画「タング」の原作はどうかと思って、読みました。映画に対する他の人の発言通り、やはり主人公とタングとの心の通い方が原作の方が遥かに自然で納得が行きます。

    映画は端折ることが必然的に伴うので致し方ないとは思いますが・・・

    シリーズ物になっているようなので今図書館から借りている本を読み終えたら次作を読むかも知れません。

  • 人は時に入念な準備の中で親になったり、成長するのではなく、
    否応なく突然親になったり、旅立たなくてはならないときがあるのだと思う

    家族の喪失を抱え、妻にも捨てられた絶望的な状況から始まる旅が、わがままだけど愛らしい相棒とともに困難を乗り越えることで、ともに成長していく様子がほほえましくそして、たくましく感じる

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