ロボット・イン・ザ・ガーデン (小学館文庫 イ 2-1)

  • 小学館 (2016年6月7日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (453ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094062373

感想・レビュー・書評

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  • 読み進めていくうちに、どんどんタングが好きになって、タングの動き、表情、声や話し方の想像が膨らんでいく… これは絶対に映像や舞台で生きたタングに会いたい!タング・ロスになりそうなのですぐに続編買いに行きます。

  • ある日、庭に現れたポンコツロボット。
    ベンは、ロボットの壊れかけの部品を直してもらうために、彼を作った人を探して旅に出る。
    ロードムービーのような小説です。

    もう、メロメロです。や、メロンメロンだ。
    こんな愛らしいロボットが、かつていただろうか。

    かしこくて、「やだ!」を連発して、癇癪をしょっちゅう起こして、足に抱きついてきて、ドライブが大好きで、東京メトロでは到着メロディをコンプリートして覚える、オールドタイプな外見の男の子ロボット。
    ご機嫌のときは足をブラブラさせて、気に入らないことがあるときはふくれっ面でガムテープをいじってるんですよう。

    一緒に旅をするベンも、(元)嫁に愛想尽かされたりもする青年だったんだけど(もちろん、結婚生活については、片方にだけ責任があるわけではない。)、ちびっ子ロボットと旅をしているうちに、自分のこと(元)お嫁さんのこと、家族のことをたくさん考えて、成長していきます。
    人は年齢に関係なく、必要なときに必要なだけ、力量の分だけ成長出来るんだなあと思いました。

    将来の夢も出来たタングのこれからが、楽しみです。

  • タングがめちゃくちゃかわいい❗

  • 感情は欠陥。
    完璧な結果が欲しいとき、そこに感情があること事態が失敗の要因。
    しかし、感情が無ければ愛も生まれない。
    AIは前提として、人間の役に立つため、と組み込まれている以上、最初から感情が無い方が都合もいい。
    タングの愛らしさは、逆らうからこそ生まれる。
    手が掛かるからこそ可愛い。
    勿論、それだけじゃなく、そんな子が優しさや気遣いを見せるからこそ、いとおしい。
    人も、完璧じゃないからこそ惹かれるし、補い合い、助け合う。
    完璧じゃないからこそ、個性やユニークさ等の魅力が生まれる。
    一人一人が違うことは、一人一人が特別なことと同義。
    自分とは違う他者を敬う大切さを改めて教えてもらえる本。
    人付き合いに疲れたときに、癒される一冊。

  • 近い将来には、この小説の出来事が実際に起こりうるのか…と思える物語の内容です。
    人間に近い体型をしたアンドロイドではなく、AIを内蔵したポンコツロボットと妻に三下り半を突きつけられた青年との友情物語です。ある日突然、ベンの妻エイミーは家の庭にロボットを見つけます。タングと名乗るそのロボットは、内蔵されたシリンダーにヒビが入っており燃料の液体が漏れているようなのです。まるで幼児の様なたどたどしい喋り方と駄々をこねるタングにベンは魅了されます。エイミーのタングへの冷たい視線をよそにベンは、タングを連れて彼の製作者を探す旅に出ます。両親が事故で亡くなり、仕事もせず引きこもりがちだったベンでしたが、タングのために敢然と行動し始めたのでした。
    如何にも昔からのロボットというイメージどおりの姿が、タングの愛らしさに繋がっているのは不思議です。人間そっくりの姿は却って不気味なのかもしれません。
    最近の将棋や囲碁の世界では、もう人間を凌ぐ知能の進化を遂げたAIを搭載したロボット事情に、楽しみと言うか末恐ろしいと言うのか複雑な心境です。

  • ダメ親父と子供のロードムービーです。ただその子がロボット。
    家事アンドロイドが普及し始めた時代に、19世紀半ばの漫画に出てきそうなリベット止めされた四角い顔に胴、蛇腹ホースでできた手足、胸のフラップを開くと心臓のような部品がドキドキしているというレトロぶり。
    そんな子供ロボット・タングと旅をしながら、ダメ親父が父性に目覚めしっかりものに変わって行くとところはお定まりのストーリでなのですが、それにしてもタングが何ともかわいい。叱られると拗ねて壊れたフラップを止めてるガムテープをいじる。「やだ」を連発して言うことを聞かない。興味を引くものを見つけて突然走り出す。まるで3歳の子供です。
    筆者の謝辞を読むと、筆者も小さなお子さんを持つお母さんです。きっと子供が大好きな素敵な母親なのでしょう。
    「2016年ベルリン国際映画祭で「映画化したい一冊」に選ばれた」とありますが、確かに映像化に向いた作品だと思います。

  • 飛行機事故で死んだ親の遺産のおかげで
    働きに出ることなく日がな一日
    だらだらと過ごす中年男のベン。
    ある日、庭に時代遅れのロボットが
    座り込んでいるのをみかけ
    最新式のアンドロイドが欲しい妻の
    怒りを買いつつも家に入れてしまう。
    なんとか意思疎通のできたロボットは
    自分をタングと名乗るが
    どこから来たのか、どうしてベンの庭にいたのか
    わからないのだという。

    〝彼〟の中のよくわからない
    小さいシリンダーが壊れているのを
    見つけてしまったベンは
    修理したいと言い出したことで
    決定的に夫婦間の溝を作り
    ひとり寂しく手がかりを求めて
    アメリカへと旅立つことにしたのだが。

    やばかった。
    通勤の途中で何回も泣きかけた。
    全然、泣くような話じゃないの。
    悲しくて泣きたくなるんじゃないの。
    例えるならば、安堵と愛しさの涙。

    ちょっとロードムービーなのよ。
    タングを直せる人を捜して
    アメリカを皮切りに日本、太平洋と
    渡り歩くんだけど
    ロボットに対する扱いもまちまちだし。
    最初は妻へのあてつけっぽかったけど
    どんどんタングに愛情がわいてきて
    故障がひどくなったときとか…もう(T=T)

    とにかく、タングが可愛すぎます。
    文庫の裏表紙の紹介に書かれているくらいだからね。
    作者の造形もいいんだろうけど
    この可愛らしさを日本語に訳した
    訳者さんの言葉の選び方もいいんだと思う。
    タングが気に入らないことがあると
    「やだ」ってすぐ言うんだけど
    「いや」じゃなくて「やだ」ってのが
    ポイントよねぇ〜(^o^)
    いじけると胸の壊れたところを止めてる
    ガムテープをイジイジするとこも。

    なんでもベルリン国際映画祭で
    映画化したい本に選ばれたらしく
    そこにエージェントの人が
    タングのぬいぐるみをつれて行ったと
    あとがきに書いてありまして。
    めっちゃ探しましたがな(笑)
    Janny Savill さんの Twitter
    これまた可愛いぬいぐるみのタング!
    でも、読んでいる最中のイメージは
    完全に表紙の酒井駒子さんの
    ちびちびなタングでした。

  • 劇団四季のミュージカルを鑑賞してからの
    読書でした。
    かわいいロボット タングと
    30歳超えたニートのベンの成長の物語で、
    精神的に弱い男が、
    ロボットの世話を焼くパターンは
    ちょうどドラえもんの逆で面白い設定かなと
    思いました。

  • おススメ本に表示されていて、とにかくタング(ロボット)がかわいい、という感想が目に入り、読んでみようと思った本。

    読み始めてから知ったのですが、現在劇団四季で上映されていて、今年二宮和成さん主演で映画化もされるという人気作でした。

    冒頭の主人公のダメっぷりにはイライラしてしまいましたが、タングの魅力に少しずつ引き込まれていき、SF、冒険、ファンタジー、ドラマと色々な要素が組み込まれたストーリー展開がおもしろかったです。そしてタングはかわいい。

    ロボットとアンドロイドの違いが気になりネットで調べてみたら、この小説とは少し定義が違うような気がして、よく分からなくなりました。

    あと日本人のカトウ・オーバジンという人が出てくるのですが、茄子(もしくはなすび)だからオーバジンというあだ名という説明でしたが、加藤・茄子(なすび)!?日本について調べたのでしょうが、外国人の名前を考えるのはきっと難しいのでしょう。

    続編が4まであるみたいなので、そちらも読みたいです。あと映画は詳細はまだ分からないけれど観てみたいです。

  • 兎にも角にもタングが可愛く、久しぶりに悶えた

    ストーリー自体はややご都合主義な気もするが、そもそもストーリーラインよりもタングの愛らしさを堪能するための小説なため、評価を下げる理由にはなりませんでした。
    キャラ小説すきなら必ず読むべし。

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