サマードレスの女たち (小学館文庫)

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制作 : Irwin Shaw  小笠原 豊樹 
  • 小学館 (2016年6月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094062984

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サマードレスの女たち (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 改訳が出ると聞いたとき、タイトルを聞いて、「なんで『夏服』じゃなくて『サマードレス』なんだ、責任者出てこい!」とちょっと思った。でも学生時代に読んだ表題作で描かれる、NYCのまぶしさが忘れられないこともあり手に取った。

    最初の収録作品「二番抵当権」を読んで、「えっ、こんなんだった?」と戸惑った。ネタバレになってしまうのかもしれないが、過去に常盤新平訳で『夏服を着た女たち』として知られていた短編集はあくまでも、常盤新平プレゼンツのオリジナル短編集なのであって、この短編集『緑色の裸婦』からの抜粋とはかなり趣きを異にしている。戻って、この「二番抵当権」は、不動産の抵当権設定を盾に債務の返済(もしくはたかり)を迫る初老の婦人と、それを断ろうとする家族の話。双方がギリギリの生活と怒りを振りまき、美しい都市生活者の影なんてどこにもない。ただただ理不尽とうっ屈とやるせない読後感が残るのみである。

    次に印象に残るのが、WWIIおよびその他の紛争に従軍した下っ端兵隊を描いた6編。華々しい戦果にあずかるわけでもなく、自分の立場、これから起こることに幻滅を感じるような苦い兵隊物語は、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』所収の「ポットシャック」を思い出した。中東戦争がらみ(と思われる)の数編が、日本の読者からは見えにくい背景があるものの新鮮だった。

    どの作品も背景のわりには泥臭くなく妙にくっきりと美しくて、典型的な『ニューヨーカー』掲載作品だと思ったけれど、トータルで見ると、貧しさや戦地でのやるせなさはマラマッド『魔法の樽』に似ていると思う。通読してみて、「私は長らく常盤新平に騙されておったな」という少し苦い笑いとともに、「夏服」か「サマードレス」かなんてどうでもよくなる感じで認識を改めることになったリバイバル読書だった。その中で表題作は清涼剤的になるのかなとは思うけど、今の私にはそこじゃなくて、「いやな話」が非常にいい感じにいやな感じで素晴らしかった。

  • The Girls in their Summer Dresses.
    この作品だけ英語で読んだ。おそらく日本人が日本語で書いた作品だったら読んでいなかったと思う。物語はとても普遍的な男女の物語で昔から語り継がれている女性の性質と男性の性質のエッセンスを抽出して出した短編。
    だからよくまとめられているし、何より書き方が好きだ。男性のひとつひとつのセリフがわかりやすく男を説明しているし、アメリカのひとつの時代をうまく描写していて想像するのが楽しかった。本当に数ページの短い作品だけどアメリカ文学の中では結構気に入ってる。

  • 昔読んだ印象では、どちらかというと”しゃれた”印象だったのだが、こんな苦っぽい話だったっけか。。。

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サマードレスの女たち (小学館文庫)の作品紹介

無類に面白い短篇小説選集

1930年代の大不況時代、そして第二次大戦、さらには傷だらけの戦後を背景に、アーウィン・ショーは数多くの短篇小説を書いた。もっとも有名な「サマードレスの女たち」(「夏服を着た女たち」)は「ニューヨーカー」に掲載され〈都会小説〉の名作として日本でも多くの読者を得てきた。しかし、時代順に配列され、まるで長篇小説のように編集された本書を読むとまったく別の像が浮かんでくる。
三十年代のアメリカ人の群像(タクシー運転手、保安官助手、フットボール選手など中産階級以下の民衆)が生き生きと描かれ、第二次大戦下の兵士たちは困憊し、惑乱している。そして戦後――最後に収められた「いやな話」はまるで悪化した「サマードレスの女たち」のようだ。
《「時代」の歩みが、この作家の鋭敏なレンズを透過して屈折し、現実の情報よりも遥かに現実的なかたちで、あなたの胸に像を結ぶだろう》
劇的な構成力と、無類に面白い筋の展開を堪能できる傑作短篇集成、待望の文庫化!
●装丁/平野甲賀

サマードレスの女たち (小学館文庫)はこんな本です

サマードレスの女たち (小学館文庫)のKindle版

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