船に乗れ! 1 合奏と協奏 (小学館文庫)

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著者 : 藤谷治
  • 小学館 (2016年6月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094063004

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船に乗れ! 1 合奏と協奏 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 読み始め…16.7.13
    読み終わり…16.7.13

    音楽が題材になった小説として読んでみたくてかなり前から探していたところ、カバーが新装され出版社も変わって再販されていたところにやっと出会うことができました。新装されたカバーのイラストは漫画家さんであるという穂積さんによるもので、楽器に向かうその真剣な眼差しがこのストーリーに登場する人物たちにも似ていてなかなかの迫力です。

    音楽一家に生まれ育った津島サトルはチェリストを目指して東京芸大の付属高校を受験するも失敗し、結局サトルの祖父が学長を務める私立の音楽高校に入学するというところからストーリーは始まります。

    音楽科に特化した過酷なカリキュラムに奮闘するサトルとその同級生たち。友情と恋にも揉まれ、高校生という多感な年頃の心の葛藤は全力で熱いです。

    ことにオーケストラという集団での演奏について、一つの音楽を集団で作り上げ、ステージ上で演奏するに至るまでの過程の描写があまりにもリアルで真に迫るものがありました。

    楽器というものはたった一つでも音楽(曲)を成すことができるけれど、集団で一つの音楽を作り出すこともできる。

    オーケストラでは、楽器一つでも成せるのが音楽だからといって自分一人だけが目立ったり、勝手なことをしたり、あるいは手を抜いたりしていたんでは一つの音楽(曲)は出来上がらない。自分の役割を忠実に果たすことによって初めて一つになるもの...

    並行して読んでいる本があるせいか「駅伝」にも通じるものがあるように思えました。

    一つの目標に向かって全力で熱くなる青春。
    一生懸命。好きな言葉です。

  • 音楽に打ち込む若者たちの青春小説。
    三部作の第一弾。

    津島という苗字は、もしかして、恥の多い人生を送ってきた例の文豪から取ったのだろうかと思ったら、やはりそのようでした。

    失ったものを語る口調の回想から入るあたり、何か残念なことが起こってしまったのだろうとは想像するけれど、第一弾は、まだ、華やかな登り坂だ。

    滑稽なほど思い上がった可愛げのない子供だった津島サトルは、その鼻っ柱をへし折られて、華麗なる音楽一族の長である祖父が学長を務める「三流の」音大附属高校に情実入学を果たす。

    津島サトルが気取った仮面を脱ぎ捨て、素直に音楽に傾倒し、情熱を傾けるようになるまでが、この一冊。
    楽器の演奏、合奏、自分を磨くこと、人の音を聴くことは、スポーツに通じる。
    だから、音楽家たちの青春ものは、熱くて爽やかで、輝いている。

    前半、哲学の話題が多かったが、津島くんがそういう小難しいことばかり考える少年だったのだから仕方がない。

    彼が普通の(才能と育ちを考えると全然普通じゃないが)DKになった、と思った瞬間は、戸田先輩に「オイ!」と突っ込みを入れた時。
    そして、普通の高校生らしく、恋に落ちて行くのだ。

    美少年・伊藤の眼差しが気になる。
    健気なポニーテール・鮎川の語らぬ思いが気になる。

  • 序盤のインテリぶった文体に少し嫌悪感を抱きました。

    けれど芸大付属高に落ちたり南枝里子を強く意識するようになると、サトルの“素”の部分がドンドン前にでて来、サトルがとても魅力的な人物に(いいヤツ、という意味ではないです)思えてきました。

    サトル以外の人物もキャラが立っているし、演奏や人間関係で上手く行ったり行かなかったりと展開にメリハリがあって、のめり込むように読んでいました。

    気づけば一気に読み終えていました。

    唯一説明が不足していると感じたのは、南がどうしてサトルを意識し始めたのか、という点。

    南はプライドが高そうなので、チェロが上手いと評判だったサトルが気になっていた、ということでしょうか?

    この点については続く2作目、3作目で明らかにしてほしいところです。

  • 音楽一家に生まれた津島サトルは、一家の敷いたレールに乗ってプロのチェリストを目指すが、芸高に落ち、失意のまま三流音楽高校に入学する。そこで生涯忘れられない同級生たちに出会う。
    青春音楽、時々哲学。
    大人になった主人公の独白形式で物語は進むが、振り返るあの頃に不穏な空気を孕んでいるのが気になる。

  • 2016.10.17 読了

    藤谷治が3部作で描く青春音楽小説。2010年本屋大賞ノミネート作品。本書は主人公の津島サトルが高校時代からある時点(第1部では詳細不明)までを振り返るように語る回顧録として描かれている。第1部のタイトルは『合奏と協奏』。プロのチェロ奏者を目指す主人公が新生学園付属高校に入学し、合奏(=オーケストラ)と協奏(=ピアノ・トリオ)に向け奮闘する。南との恋模様も甘酸っぱくて良いが、お互いの音楽を認め合える仲間として描かれている場面が心に響く。1部を読み終えてすぐに2部と3部も購入。読む。

  • 配架場所 : 文庫
    請求記号 : BUN@913@F103@1-1
    Book ID : 80600058301

    http://keio-opac.lib.keio.ac.jp/F/?func=item-global&doc_library=KEI01&doc_number=002523642&CON_LNG=JPN&

  • サトルと南と北島先生がメンデルスゾーンのピアノ・トリオを演奏しているシーンでは、音が体中に鳴り響いていた。協奏し、共闘し、最後に融合していく音楽の至福!愛を語り合うような音による交歓!ゾクゾクし、鳥肌が立ち、涙が出た。これぞ音楽。魂の発露。久しぶりにあの感動を思い出した。

  • 友達が気になっている本として勧められて読む

    ピアノトリオの話がでるまでいまいち読み進むのが乗らなかった

    続きの巻に期待

  • 一流音楽家の家系に生まれチェリストをめざす津島サトル

    芸大附属高に落ちて入学した高校の音楽科で出会った友人や教師と
    迷い悩みながら自分たちのめざす音楽をつくりあげていく

    漱石や大宰にも通じる濃密な独白体による青春音楽小説三部作の第一巻

    著者自身が「僕はなんでも書けますから」(解説)というとおり
    音楽や哲学を縦横に語りながら展開する物語には強い吸引力がある

    発表当時「本屋大賞」7位になった単行本の2度目の文庫化

  • 正直、穂積さんの表紙に惹かれただけの、正真正銘のジャケ買いだったので、読み始めるまでは不安でした。
    作者の本も初めてだし、往々にしてクラシック音楽を扱った本や漫画にはがっかりさせられることが多かったので。
    しかも、なぜか作者の担当編集者さんが書かれた解説を斜め読みしてしまい、その中で飛び込んできた「僕はなんでも書けますから」という言葉に鼻持ちならないものを感じてしまい、さらに不安が募るという悪循環。

    青春小説を謳っているだけあって、主人公・津島サトルくんの一人称で物語は進んでいきます。若干、あいたたたな中学時代を過ごしていたあたりなんかは、そこまで感情移入できず。ヒロインの女の子が出てくるところも、そこまで何も思えず。ああ、外れだったな、と思っていました。

    それが変わったのは、オーケストラのリハーサルが始まったあたりから。あれ?このひと、やけにリハーサルの仕組みに詳しいな。リハーサル中に出される指示や言い回しが、某クラシック音楽を題材にした漫画とは違って、真実味があるというか、既視感を覚える。もしかして、作者はこの本を書く前に相当取材をしたのかな?それとも、クラシック音楽オタクだったりしたのかな?なんて思っておりました。

    あ、この人、クラシック音楽を知っているんだと確信に変わったのは、伊藤くんのフルートが合宿所で鳴り響いたとき。「僕たちの人生の主役は音楽だ」という箇所で、鳥肌が立ちました。クラシック音楽を生業とするひとなら、いつか、どこかで確信する、圧倒的に自分よりも価値の高い、存在感のある、生命力のあるものに「生かされている」という感覚。それを、こんなにシンプルに、美しい言葉で表してくれるひとを、今まで知りませんでした。作者が、音楽高校出身で、チェロ弾きだと知ったのは、1巻を読了した後。なるほど、と会得すると同時に、やっぱり彼の筆力は素晴らしいなとあらためて思います。

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船に乗れ! 1 合奏と協奏 (小学館文庫)の作品紹介

本屋大賞候補の音楽小説三部作、新装文庫化

新生学園大学音楽科の創設者を祖父に持つ津島サトルは、プロのチェリストを目指し、一家の敷いたレールに乗っていたはずだった。しかし芸高に落ち、失意のまま新生学園大学付属高校に入学する。
サトルはそこで一流の音楽を奏でるため奮闘する同級生たちに出会う。フルートを奏でる美少年・伊藤慧とポニーテールの鮎川千佳。そして、見たこともない澄みきった目をしたヴァイオリン奏者、南枝里子。オーケストラの想像以上に過酷な練習は、彼らを戸惑わせる。夏休みのオーケストラ合宿、文化祭、南とピアノの北島先生とのトリオ結成と、一年は慌ただしく過ぎていくが……。
本屋大賞ノミネートの傑作青春音楽小説3部作が、人気漫画家・穂積さんの描き下ろしカバーイラストで新装文庫化!!

船に乗れ! 1 合奏と協奏 (小学館文庫)はこんな本です

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