六条御息所 源氏がたり (上) (小学館文庫 は 5-4)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094063370

作品紹介・あらすじ

林真理子、衝撃の『源氏物語』新解釈!

帝の子として生を受けた主人公、光は、生まれたときから”みたこともない美しい若君”と呼ばれ、宮中の女性たちの脂粉に囲まれて成長する。幼くして母と死に別れた後、臣籍に降下され源氏の性を与えられた光。やがて左大臣の娘、葵の上と結婚するが、その頃から様々な身分の、様々なタイプの女性たちとの関係に明け暮れる。そしてついには、母に生き写しといわれる、父=帝の妻、藤壺とも関係を持つに至った光。その藤壺が産んだ子は・・・幼い頃の光に、うりふたつであった。
平安時代中期の京都を舞台に描かれた、紫式部による、世界最古にして最高の恋愛大長編小説を、恋愛小説の神様=林真理子が再構築し、現代的アレンジを加えることによって誕生した”小説版源氏物語”の前編。原書での第一帖「桐壺」から第十三帖「明石」までを中心に構成。
これまで、日本文学史上の数多の文豪が手がけてきた”源氏物語の訳”ではなく、大胆な章立ての変更。さらには、本来登場人物のひとりにすぎなかった六条御息所の”ひとり語り”という革新的手法を用いることによって、世界的古典文学の名作が、現代人にとってリアルに楽しめる、光源氏を巡る性愛の一大活劇となった!

【編集担当からのおすすめ情報】
1,この上下巻同時発売に合わせて、林真理子さんの小学館文庫3作品『コスメティック』『anego』『秋の森の奇跡』と一緒に、『林真理子文庫フェア』を書店にて開催予定。すべてに林真理子さんの顔写真の入った特別文庫オビが入ります。
2,この上下巻同時発売に合わせて、9月1日発売の『Domani』『和樂』、9月7日発売の『Precious』にて、林真理子さんインタビュー+林真理子文庫フェア告知記事(4ページ~8ページ)を掲載します。

感想・レビュー・書評

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  • 六条御息所から語られる構成だが、かなり林真理子の主観が入っている印象。
    儚げに描かれやすい夕顔や桐壺の更衣だが、ただ男性に身を任せて運命に翻弄される弱い存在ではなく、自ら男性を手繰り寄せ運命に立ち向かって行くファム・ファタル的な「意思ある女性」として描かれているのが印象的だった。

  • 六条御息所目線からの源氏語り。
    上下にまとまっていて、内容把握しやすい。
    雑誌連載のためか説明内容重複が多い。

  •  六条御息所の視点から描かれた源氏物語。林真理子独特の少し意地悪な視点が良い。

  • 源氏物語を未履修のため読みやすそうなものから…と選びました。
    ゲスい!いくらイケメンでもキモさを感じさせるほどの女好き。
    六条御息所の女君批評が面白くて林真理子ワールド。
    光の君に対しても辛口コメントで、下巻なんてもう悪口。
    時代背景も分かりやすかった。

  • ところどころ古文単語直訳だなと思う、最後に相関図載せてくださってありがとうございます

  • すでにこの世のものでなくなった六条御息所から語られる源氏物語。
    家柄、教養、趣味の良さ、嗜み、そして美貌という、女としての全てを兼ね備えた、貴婦人中の貴婦人である六条御息所の悲しみ。
    その六条御息所から語られる源氏の君の女たち。
    一人の女性とて、異性から見た場合と同性から見た評価とで大きく異なるのは現代も同じこと。
    女の立場から見ると、男というのは愚かで都合のよい人生を送っている。
    上巻では源氏が明石から再び京都に帰るまでが描かれている。

  • 読了。
    上巻は桐壺の更衣から明石の君まで。六条御息所が語る源氏物語。目線が変わり林真理子的解釈の源氏物語。
    これはこれで読みやすく、面白い。

    今の世なら光の君のような男性はゲス呼ばわりとなるでしょうが、それでもいつの世も好まれる源氏物語は何故か?時代が変われば男と女の関係も変わる。地位のある父親や男兄弟がいなければ女は、ただただ落ちぶれていくだけ。女が自分の意思で殿方を選ぶことさえできず、ただ待つのみ。今とはまるで違う男女の関係を六条御息所が霊的目線で語り、今まで気づかなかった女性たちの胸の内を考えることができる。

    読み終わると再び普通の源氏物語が読みたくなる。

  • 六条御息所が、女君たちのことを語りながら源氏物語を紡いでいく話。
    夕顔や葵上は自らがかかわっているだけあって生々しくてよかった。

    御息所と明石がある種の能力を持っているという設定以外はあまり目新しい源氏物語ではないかな。
    下巻の女三の宮に期待。

  • 六条御息所の目線から書いた新解釈。面白い。

  • 2016 11/27

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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