- Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094063387
作品紹介・あらすじ
『源氏物語』から・・・不倫と性愛の千年史
光源氏の子供を出産し、出家をした、父=前帝の妻、藤壺。そのことで罪の意識にさいなまれながらも、新たな女性たちとの関係をさらに広げる、主人公、光源氏。自らの罪の重さに、都を離れ須磨へと旅立つが、そこでもまた、新たな女性との関係を持っていく。後編にあたる本書では、光源氏が須磨から再び都に戻った後、亡くなるまでの壮年期、熟年期の恋愛、性愛を、丹念な心理描写、情景描写で描いていく。
最大の盛り上がりは、原書の第三十五帖「柏木」にあたるところ。光源氏と妻、女三の宮との間に生まれた子が、実は自らの子ではなく、不義の子であることを光源氏が知る場面。かつて自らが犯した罪と同じような状況で、自らに降りかかる因果。そのときの光源氏の心の内を、恋愛小説の名手、林真理子はどのように描いていくのか。
不倫あり、同性愛あり、ロリコンあり、熟女愛あり・・・現代にも通ずる、あらゆる性愛の類型が登場する、世界にも希なる恋愛大河小説。その結末や如何に!
誰もが学校の授業で習った、あの『源氏物語』が、実はここまで過激で、こんなに面白かったなんて!
【編集担当からのおすすめ情報】
1,この上下巻同時発売に合わせて、林真理子さんの小学館文庫3作品『コスメティック』『anego』『秋の森の奇跡』と一緒に、『林真理子文庫フェア』を書店にて開催予定。すべてに林真理子さんの顔写真の入った特製文庫オビが入ります。
2,この上下巻同時発売に合わせて、9月1日発売の『Domani』『和樂』、9月7日発売の『Precious』にて、林真理子さんインタビュー+林真理子文庫フェア告知記事(4ページ~8ページ)を掲載します。
感想・レビュー・書評
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源氏物語を読んだことのない人、大奥とか花魁とか好きな人にはハマる。
源氏物語の原文を読むのはさすがにハードルが高いけど、この作品はすごく入り込めた。
源氏物語にさらに興味が湧いた!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
六条御息所の視点から描いた源氏物語。下巻は澪標〜幻、そして源氏の君の死までを描いている。六条御息所の視点を借りることで、ただの現代語訳ではない「林真理子としての」源氏物語が良く描かれていたと思う。
特に下巻は老いの悲しさだけではなく、老いていくことに対する優しさや、人に恋することの切なさや喜びがよく書かれていた。 -
都に戻ってからの源氏は政治に力を入れ、権力を欲しいままにしてゆく。ここでも女は道具として扱われ、翻弄される。
若い頃は魅力として捉えられていた、傲慢さや執拗さ、身勝手さが、年齢とともに浮き彫りになり、源氏のいやらしさと女性たちの苦悩があぶり出されていく。
「六条御息所 源氏がたり」、読み応えたっぷりの大作でした。 -
中年のねっとりとしたいやらしさは筆が乗っている!光源氏の闇をたっぷり見せつけられました。
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読了。
下巻は、いわるゆる雲隠れまで。宇治十帖はなし。
六条御息所が語る光の君と女性たちなので、その方がすっきりしていて良い。
上巻同様に六条御息所目線で語られ、女性たちの心の動きの林真理子的解釈がわかりやすく面白い。全訳なわけではないので、所々省かれており、そこがまた読みやすい理由だと思う。
私には関係ないことと宇治十帖は語られていませんが、薫と匂宮の話も六条御息所の言葉で聞いてみたい気もする。彼女なら浮舟をどう見るのか? 気になりますね。
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ストーリーは知っていたので面白くわかりやすかった。
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2016 11/27