- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094063523
作品紹介・あらすじ
杏主演原作「オケ老人!」まさかの姉妹作!
梅が岡高校時代にヘヴィメタルバンド・ブラッククローを組んでいたメンバー四人は、三十余年の時を経てバンドを再結成する。当時と比べて、みな外見に変化はあるものの、ヘビメタを愛する気持ちにまったく変わりはないのだ。今は市民病院の医者であるボーカルの江並は、ある日、手術予定の患者・山口から手術を拒まれる。聞けば、ライブハウスで完全ヘビメタ仕様で絶叫する彼のライブ映像を目にしたようだ。代わりに近隣の病院で手術を受けるという山口だったが、その担当医を調べていくうちに、江並はあることに気づく。話は思わぬところまで波及していく――。
感想・レビュー・書評
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高校の同級生のバンド仲間4人が、40代になってから、地元で再結成したメタルバンド「ブラッククロー」。もちろんそれぞれの仕事を持つ4人である。外科医でボーカルの江並のところに、患者が1枚の写真を持って現れる「これって、先生ですよね?」…。
秋の音楽関係は激甘祭。今回も評価が甘めなので話半分で読んでもらって結構。
これまでの高校青春バンド小説とは異なり、すでに出来上がっているオッサンたちの話である。つまり「ギターってどうやって弾くんだ?」みたいな話は出てこない。というか、あんまり楽器の話は出てこない。
内容はアンソロジーで5本。4人のそれぞれの仕事周りの話と残り1本だ。それぞれが、1970~90年代前半(メタルの全盛期だ)の曲名がタイトルにある。そのタイトルにきちんと沿った内容になっているのは、凝ってる。かなり無理はあるんだけど。
最初の外科医江並の話でかなり驚いたのだが、メタルの曲に詳しいのはともかく、腹腔鏡手術の手法など、よく調べてあり、作者は医者か?と思ったが違うようで、ここは本当に感心した。
ギターやベース、ドラムの楽器の段になると、シュルシュルと尻すぼみになっているのは、やっていない人には仕方がないとして、車の販売営業の記述は雑になり、魚屋は祭りということで投げっぱなしになっているのは少々残念だ。
最後は、いろいろと伏線を拾ってはみたものの、散漫な終わり方。文章が前半やドラマーの項に比べて見るからに雑になっており、編集者もめんどくさくなったのか。
でもまあ、目次を見て、章のタイトルで「あの曲かあ」とわかる人にとっては、より楽しめる作品となっている。わからない人も、それなりに楽しめるはずだ。
余談。編集者の意向だろうが、当時メタルを聞いていた人は「ヘビメタ」と言わない。「メタル」だ。本文中で「ハードロック」と区別して書いているあたり、よく分かるのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バンドメンバー一人ひとりのストーリーに感情移入出来た。面白かった。
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2019.7.13-234
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2018#49
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高校時代の同級生でヘビメタバンドを組んでいる53歳四人組。登場するメタルの曲それぞれを知っているとより楽しめただろうな。