- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094080131
作品紹介・あらすじ
化粧品業界の裏側で繰り広げられる働く女たちの闘い!
バブル後のキャリア女性を取り巻く現実に直面し、打ちひしがれる主人公・沙美だが、自らの人生をあきらめられない。「仕事でも恋でも百パーセント幸福になってみせる」そこから沙美の“闘い”が始まった。嫉妬、裏切り、不倫…化粧品業界を舞台に繰り広げられる“女たちの闘い”は圧倒的なリアリティを持って描かれ、単行本発刊時には「暴露小説では?」と美容業界を騒然とさせた。人気作家、林真理子のベストセラー小説、待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
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面白い。
解説にある通り、化粧品業界の裏話が面白い。
物語りもリアルで面白い。
林真理子さんうまい。
ちなみに、倉田真由美さんの解説がこれまた面白い。(解説好きにはこたえられない)
だから私の感想は端っこで、リアルだったことを書く。
ヒロイン沙美さんの最所の恋人のお母さんの描写。
かなり意地悪っぽくリアルですねー。
初めて許婚の実家を訪れ、お母さんに会う場面。
『ドアが大きく向こうから開けられた。若づくりした女、というのが沙美の第一印象である。そう濃い化粧をしているわけでも、派手な洋服を着ているわけでもない。が、その初老の女には、どこか諦めていないような、体の奥がはしゃいでいるようなところがあった。』
うーむ。まいったなー。
これは林真理子さんの筆力のうまさによるものなのか、私の僻みなのか。
ユーモアを通り越した皮肉?でも、そう感じるのだろうなー。
激しく反応したのだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
たまに働く女性が主人公の本が読みたくなる。きっと元気とか勇気をもらいたいんだと思う。
でもそればっかじゃなかったー!ってなる本。
面白かったし中盤から一気読みしたのだけど。
前半の沙美さんは素敵だった。
でもそれがリアル -
ちょっと堅い本や重い本が続いたので俗っぽいものが読みたくなって借りてみました。
期待通り(?)の俗っぽさ。
華やかに見えるコスメ業界にPRとして活きる女性を主人公にしたお仕事と恋愛のストーリーです。
林さんが書かれただけあって、大変リアル。
これが話題になったということは主人公・沙美と自分を重ねる女性が多いということでしょうか。
オーバー30のキャリアウーマンの心の内側。
仕事はやりがいがあって面白くて、男性に負けたくないと意気込んでいて、けれど純粋な恋もまだ諦め切れなくて。
女性としてのしたたかさ、狡さも巧みに描かれています。
個人的には沙美にまるっきり共感できるわけでもなく(特に恋愛観は、、、優位とか優越感とか、そんな物差しばかりでちょっと痛々しい)、また「こういう女っているわ、うんうん!」と蔑視するわけでもないので、やっぱり最終的な感想としては「俗っぽくて薄っぺらい」でしょうか。
期待通りと言えば、期待通りです。 -
仕事に捧げる人生も、程良く生きる人生も、誰に何を言われても自分が生きたい通りに生きれば良い。
自分よりも自分をわかってくれる人に出会えることがあれば、それは幸運。 -
これくらい仕事に打ち込めたら最高だと思う。やはり女は結婚という彼や親の価値観に中々打ち勝てないから。
思ってもいないことを言わないとやっていけない世界や雑誌、化粧品メーカーの世界はリアルだった。男に左右されるあたりもまたリアルか。 -
主人公の生き方、とても共感できる。
仕事や恋愛、自尊心、全て大切にするのは難しい。
またまとめて感想書きたいと思えた本。 -
主人公沙美が化粧品PRの仕事に精を尽くす話。仕事と恋愛を両立させるかと思いきや、最後は仕事に邁進する。読み始めはこの話はどういう方向に向かって着地しようとしてるのかと思った。
沙美の考え方、生き方に私は全く1ミリも同感できず、同感できる女もいるんだろうなと不思議に思った。
2020/05/11 14:33 -
20年前の話なのに、それほど古さを感じさせない。
ガムシャラに働く女性も素敵だなと思う反面、プライベートは決して憧れるものではなく、途中でお花畑の奥さんはきもちわるい、老人になったら使い捨て的な価値観や、女の人をカテゴリーに分けて態度を変えたりなど、いやいや、私からするとあなたも相当気持ち悪いよってモヤモヤが残る本だった。 -
化粧品PRの仕事に奔走する女性の生き方の葛藤を、林真理子さんだからこそ描くことのできるリアルさでもって伝える一冊。
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化粧品PRの仕事に奔走する女性の生き方の葛藤を、林真理子さんだからこそ描くことのできるリアルさでもって伝える一冊。
男女が同様に働く権利を持つ時代とはいえ、女性に出産という生物学的事象があることは変わりがなく、そういった人生の分岐点で女性は自分にとっての仕事の在り方や家庭の持ち方を考えざるを得ない。これからの人生、仕事に重きを置くのか、家庭での幸せを手に入れるのか、悩む20~30代女性はこの作品を読めばヒントを得られるかと。
自分が「女性としての幸せ」を手に入れるべき性質の人間なのか、仕事で大成することを幸せに感じる性質なのか、主人公も自分自身でわかっていなかったことに非常に共感。岐路に立たされた時は素直に自分の中の喜びの音を聴き、身体が求める方向へ人生を進めるようになりたいと思う。