あおい (小学館文庫)

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著者 : 西加奈子
  • 小学館 (2007年6月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094081732

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あおい (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 森見登美彦の作品の後だったからなのか、彼女の作品は初なのだけど、彼女の良さを存分に味わえた気がする。
    どの作家でも、処女作はその作家のすべてが詰まっているって言われるけど、本当にそんな感じだったな。山崎ナオコーラの解説も秀逸。
    すごく自然に自分の中に言葉が入ってきて文章を読んでいる気がしなかった。
    これだから小説ってのは良いんだよなぁ!って心から思えた。ほんとに。

    最近堅苦しい本や重い本を読んでいたので尚更感じました。

    自分の中でも結構上位の読後感です。

  • あおいの最後の2行で、そんなにぐっとくるシーンでもないんだろうけど、じんわりきて、泣けた。よかった。
    みぃちゃんが、すごいいい。
    最後のは、今風のあること全部描写するタイプのやつかな〜という感じ。私はこういう作風の西加奈子を読んで、読むのを離れたんだったけかな。何も起こらない日常を切り取る、みたいな。私のちょっと苦手な。2こめのみたいな、月9みたいな男女入り交じっての仲良し7人組(しかも全員かっこいいあだ名)、みたいの、現実に絶対ないわ、とか思うけど、男7人兄弟が判明したりとかのそういうちょいおもしろエピソードありだったので、最後まで読めた。

  • デビュー作を読んでみようと思ったけど、
    「炎上する君」が良すぎて、「あおい」は私的にあんまりだったな~

  • 「何が好き?」

  • ひとことで言って、大好き!!!

    さっちゃんていう、スナックではたらく変わったおんなのひとと、おなかに「俺の国」と称する謎の地図を彫ってる年下の恋人、カザマ君が主人公なんだけど。
    めぐって、小説のなかのおとこのこが、じぶんにとってすごく魅力的だったら、ふつうに恋してしまうのね。それが現実のことみたいに。想像できてしまうの。カザマ君は、完っ全にめぐのタイプなの。

    突拍子がなくって、なに考えてんだか訳わかんなくて、風みたいにつかみどころがなくて、草みたいにやらかくて、魚みたいに漂って、ゾウみたいにやさしくてネコみたいに自由なの、そんで、同じ空気を吸ってるだけでなんか酔ってしまいそうになるの。

    そういうひとを好きになってしまう身分として、さっちゃんにはとっても共感する。嵐みたいなの、いつも。おだやかなときは、目をつむって、震える体じゅうで感じたくなるくらいしあわせだったりするんだけど、基本的に、孤独なの、ものすごく。いつも、見えないなにかと戦ってるのね。それが唯一の使命みたいに。じぶんは、まるで小さい恋の戦士みたいに。常に、静かな闘志と、ほんのすこしの覚悟が必要なの。

    あんたのことが、好きすぎるのよ。さっちゃん、わかるよ。わかる。好きなひとのそばにいれるという、しあわせなはずの日常を、一目散に逃げ出してしまいたくなる病気のような衝動。すきなのに、離れたくなること。それでさ、どうしていいかわかんないんだけどでも、なんか、元々そうゆうのを独りで抱え込む事がどうやら好きみたいなのよね、じぶん。要は、好きな人に狂わされてるじぶんが好きなの。山田詠美は、誰かをとても好きでいることはもしかしたら、自分の心地良さの為なのではないか、って言っていたけど、それもあると思う。そうじゃないひとが聞いたら笑われるかあきれられるか軽蔑されるかだろうけど、でも仕方ないんだよね。運命の流れをじぶんの手で変えてやろう的な発想は、元々わたしたちにはないのね。だから会社の社長とか、国の総理大臣とか、絶対になれない、ならないタイプ。逆に、運命に流されて生きよう、あとのことは、きっとどうにでもなる、って思う方だから。それが、めぐやさっちゃんにとっては不自然でなく自然なの。


               あーもう、めんどくさいなぁ。よーくわかってる。もう全部ぜんぶミキサーにかけて、ぐっちゃぐちゃにまわしちゃいたい。出来上がったジュースは、きっとガラス細工みたいな、夕方と夜のあいだのあいまいな空みたいな、カラフルで、絶妙で、とびきりきれいな色をしていて、きっとすがすがしい気持ちになるんだろうなー。それをごくっと飲み干したら、どんな味がするだろう。


    なんでタイトルがあおいなのかは、読めばわかる。それを知って嬉しくなる。あおいって名前は、アルファベットで書いたらAOIって、なんか記号みたいでかっこいい、てさっちゃんが言うから、あぁ、かっこいいなって思った。

    さっちゃんがこれからもカザマ君と、嵐みたいに劇的に、大海原を突き進む船のようにおだやかに、やっていけますように、と思う。

  • 気になる作家さんだったので読んでみましたが、当作だけなのか分かりませんが私には合わなかったようです。

    ◆あおい
    表題作です。
    主人公は三歳下のカザマくんと付き合っている。
    夜になると、スナックでアルバイトをしていた。
    ある日、主人公は自分が妊娠していることを知る。

    主人公に共感出来ませんでした。
    行き当たりばったりで、情緒不安定なところがありますよね。
    冒頭のホットケーキのエピソードは、店員さんが気付いたならばホットケーキに手を出さなければいいのに。

    カザマくんがいるのに、スナックの常連客・森さんが好きだと思っています。
    森さんはアフリカに残した女性に会いに行ったので、主人公に恋愛感情はなかったのかな。
    「気のある素振りをしてそれはないよね」と思いましたが、主人公があまり好きではなかったので、フラれてスッとしました。

    そもそも、カザマくんは主人公の友達の好きな人でした。
    友達とカザマくんは付き合っていませんでしたが。
    長野にアルバイトへ出掛けたものの、すぐ逃げて帰るし、主人公は何がしたいのか分かりません。
    「自分が悪い」ということは分かっているようですが。

    タイトルの「あおい」は、後にお腹のコにつける名前です。
    由来になったタチアオイと、主人公が見た花は別物だというオチがあります。
    意味不明だと思いましたが、主人公がカザマくんを好きというのは何となく分かりました。

    文章は嫌いではありませんでした。
    主人公がチャランポランになってしまった原因は、レイプと関係があるのかしら。
    そうだとしても、やはり共感は出来ません。

    ◆サムのこと
    サムという愛称の人物が亡くなって、彼の友達がお通夜に行く話です。
    この話に登場する連中も、中途半端というかフリーダムです。
    死んだ友達のエピソードにしては、湿っぽさがありません。
    「身近な人が死んでも、日常は平穏に流れる」といったところでしょうか。

    ◆空心町深夜2時
    主人公は明日、東京に行きます。
    最後の夜を恋人とラーメン屋で過ごすエピソードです。

    確固とした意思は感じられませんが、主人公は何故か上京することを決める。
    恋人を嫌いになった訳ではなくて、「もし引き止められたら行かない」と思っていた。
    しかも、「一緒に行かないか」と言おうとさえしている。
    しかし、恋人は主人公を止めない。
    お互いに意地を張っているみたいだと思いました。

  • 西加奈子デビュー作。
    サクっと読めるが、あまり心に響くものなし。

    表題作の主人公とその彼氏の怠惰な生き方に「こいつらアカン奴やん」と思う
    「サム」のこと、のサム君に「自分がちょっと浮いてるなぁと思うグループには深入りせんことやで」と同情
    「空心町深夜2時」に「あの店で食う〆のラーメンには憂いの味あるよなぁ」と共感

    こっから、今の西加奈子が出発するんかぁ、成長ってスゲーなぁと思った。

  • 西さんの物の捉え方、表現の方法がすき。この本はいっぱい詰まっている。

  • 言葉の響きとか世界観を楽しむ感じでストーリーは特に頭に残らない。今時の若い子を文学的に書いてる本かな。

  • 現実よりもずっと現実的。視覚的に理解できる映像や絵と違い、小説は言葉少なになるほど読者が想像で補完するしかない。この小説は、それをちゃんとわかっている。必要以上に語らないこと。悲しみを、涙で表現するのは愚直すぎること。人は悲しい時に必ずしも涙なんて出ないこと。

    年下の大学生・カザマ君と同棲している主人公は、ある日妊娠が発覚する。そして気付いたら長野の山奥で脱力して寝転んでしまう。

    公式のあらすじはこんな風だし、あらすじを説明しろと言われてもそれでしかない。
    大事件が起きる訳でもなく、ドラマティックな出会いもない。

    相手のことはたまらなく『好き』なことだけはわかるけど、好きな『理由』はわからないし、わざわざ言葉にするなんて野暮だ。

    この小説は、自分たちの現実の日常の中にも小説が落ちていることを思い出させてくれる。夢も運命もなくても、今感じたその気持ちも、投げかけられた言葉も、顔に出さない悲しみも、
    自分の現実を見つめさせられる、現実よりも現実的な話。

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