逆説の日本史(11)戦国乱世編 朝鮮出兵と秀吉の謎 (小学館文庫 い 1-18)
- 小学館 (2007年6月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094081749
作品紹介・あらすじ
戦国乱世の三大英傑のひとり、世に"鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス"とその人性を表わされる豊臣秀吉とは、いかなる人物であったか?その虚像と実像を探り、天下乗っ取りの内実に迫る。
感想・レビュー・書評
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井沢氏は一貫して歴史学者の罪を批判し続けている。
説としては納得できないものもあるが、概して井沢氏の説に賛成だ。
今回は秀吉。六本指など衝撃的なものもあったが、脈々と現在まで禍根を残している文禄慶長の役は印象深い。儒教.・朱子学にどっぷり洗脳され両班が贅沢三昧、中国には子分体質の事大主義。嘘は日常茶飯事の韓国への痛烈な批判が多くのページを割いていた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
信長の後を継いだ秀吉は、策略の魔術師だった―今までのイメージを大きく覆す秀吉の姿。名もない農民の伜から身を起こした秀吉にとって、身分の差と戦うにはそうするしか方法はありえなかった。身分の差と戦い、権力の座についた秀吉は、次なる目標を明に定めた―
秀吉のイメージも、いわゆる朝鮮出兵も、当時のコンテクストに従って理解をしなければ、真に理解したとは言えない。
例えば朝鮮出兵は、当時の世界常識に鑑みれば、やらなければならない政策であった。誇大妄想であるというのは、後世のバイアスの他、何物でもなかった。 -
久々の3連休に加え金曜日は子どもの運動会で年休もらっていて4連休だったのだけど、梅雨に台風にで予定崩れて、家でゴロゴロ競馬見ながら本読んで、歴史というのは物語としても一級品だけどに、今回は結構スッスッと読んじゃった。
相変わらず知らないことが多くてタメになりますが、それ以上に、信長−秀吉−家康というセットで歴史を見ることやスペインの無敵艦隊の敗北がある意味日本の歴史に大きな影響を及ぼしていることや「間違いだらけの少年H」の話など、後半の外征にまつわる展開が興味深い。
これらをどう解釈するか、鵜呑みにせずに自分でも勉強することが必要なのだろうけど、最近の朝鮮半島にまつわる話題においてこういう論があることも知っておいてもいいんじゃないかと。 -
秀吉の朝鮮出兵についてはあまり興味を惹かれなかった。まあ1500年代を語るには信長→秀吉→家康というラインを意識して研究せよ、と。
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朝鮮攻めと太平洋戦争は似ている。それは情報の軽視すること。戦争においては、その民族の最大の弱点が露呈する。
という最後のところが響きます。
秀吉はウルトラCをぶちかまして天下をとるわけですが、ただの農民の出自で低く見られた存在が、周囲を納得させるのにどれほど苦労したか。どれほど金をばら撒いたか。もし元が大名であったなら、もっと楽に天下を取れたのに。そう考えると、空前絶後の一代記もまた切ないものになる。 -
導入がおもしろい。わかりやすい。
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しかし武力行使で徹底的にやらないと乱世なんて治められないよなぁ。恐ろしい時代だ。
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本書のテーマは信長の二本統一事業を引き継いだ秀吉です。前半は、本能寺の変以降、秀吉が天下人となるために、みずからの政治的支配の正当性をどのように裏づけようとしてきたのかということがくわしく語られています。また後半は、秀吉の朝鮮出兵のねらいを、現代のイデオロギーにもとづく恣意的な評価から自由な立場に立って見なおすという試みがなされています。
秀吉の朝鮮出兵にイエズス会の動向を関連づけるという著者の見方はあまりにも意外で、まだその妥当性を判断しがたいように感じています。もう一つ気になったのは、著者が儒教思想について、歴史を歪曲する原因としかみなしていない点でしょうか。もちろん歴史的事実を追求するうえで障害になることが多いのもたしかではありますが、そこにも一種の「思想戦」が存在していたこともまた歴史上の事実であり、それに目をふさぐのも現代的な価値評価を歴史に持ち込むことではないかと感じます。 -
独自の歴史観が面白い
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読みにくい