いま、会いにゆきます (小学館文庫 い 6-2)

著者 :
  • 小学館
3.91
  • (216)
  • (209)
  • (191)
  • (33)
  • (7)
本棚登録 : 2698
感想 : 167
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094082173

作品紹介・あらすじ

大好きだった妻の澪が亡くなって1年、身体にさまざまな不具合を抱えた巧は、町の小さな司法書士事務所に勤めながら、6歳になる一人息子の佑司とひっそりと暮らしていた。再び巡ってきた雨の季節の週末、いつもどおりの散歩に出かけた町はずれの森で、この父と子二人に奇跡が訪れる。哀しい未来を知りながら、それでも愛しい存在に向かって発せられる言葉。その深く強く優しい決意に、きっと心打たれるはずです。市川拓司ワールドの原点をなす最上の恋愛小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 映画を先に観ました。とてもよく練られた物語であり原作にもとても興味がわいたことから手にしました。
    読んでみて、全体のストーリーは変わらないものの随分と受ける印象が異なることに驚きました。文章でのみ勝負しなければならない本という媒体と、映像と音楽で表現する映画とでは有効な表現方法は当然違ってくるのだと思いますが、この本では映画よりもそれぞれの登場人物の個性をより強調しているように感じました。読む人それぞれかとは思いますが私には巧の病気のことが強調されすぎに感じたのと澪がダンスのインストラクターという設定も読者の想像の飛躍をわざわざ抑えてしまっているように感じました。また、少し細々とした設定が登場しすぎとも感じる部分やバイクが出てきたり、性的な描写があったりと映画を先に観た目からは異物感を感じる部分が多々ありました。これに対して映画はそういった雑味を可能な限り取り去って、巧と澪、そして佑司の3人に極端に焦点を集めた分、密度と洗練度が増し、作品としての純度がぐんと高まった感があります。好みの問題かもしれませんが、私は映画の澄み切った世界観に心を持っていかれたこともあり、映画が断然好きです。
    ただ、原作のほのぼのとした雰囲気のある世界観もこれはこれで巧と澪の関係を少し角度を変えて見ることができるので読んでとても良かったです。

  • めっちゃいい話でした、世界観とか二人の交わす会話とかもすごく良かった。それだけでも十分満足だったのに、最後の伏線回収も最高でした。

  • やっぱり子どもはママが大好き。
    亡くなったのがパパだったら同じ話にはなっていないと思う。
    母親は偉大だ。父親頑張れ。

  • やっと読めたーずっーと読みたかった
    確か実写化されてて、それをワンシーンだけ観た記憶があったけど、原作読んで『満たされる』気持ちを考えさせられる思いですね………

  • ◯全く本を読む気がせず、生きている心地もしない中、ロマンチックさが足りないと言われて、友人に勧められた本。
    ◯映画にもなったという、ひとえに絵本のようなお話。語り口も柔らかく、誰にでも読みやすくしているのかなと思う。
    ◯自分のように捻くれた人間では、素直に良いところ見出せないまま、文章の同じところを何度も何度も読み直してしまった。勧めてくれた人や本に申し訳ないと思った。

  • 記憶の片隅にあった、いつかみた映画の雰囲気をうっすらと思い出しながら読んでいくうちに、段々と記憶が蘇ってきて映画をみているかのように愉しめた。

    優しくゆっくりと、心にしみこんでいく、、
    そんな物語。 

    『きみの隣はいごこちがよかったです。ありがとう』…

     

    心にとまったのは、
    自分を産んだせいでお母さん(澪)は早くアーカイブ星にいってしまったんだと責める佑司へ澪が言った言葉…

    「あなたのいない人生なんて考えられない。あなたがいて、初めて私は自分の人生を生きたって、そう思えるようになるの」
    「あなたと出会えなければ、50年生きたってこれほど満ち足りた気持ちにはなれなかった」


    人生に価値を与えてくれる存在って、自分自身じゃなくて、大切な人の存在なんだなと感じた

  • 評価たかいが、自分はあまり面白くないな、と思いながら読んでいた。中盤までは特に盛り上がりもなく、淡々と父子の日常と、それに対する思いが主人公の父目線で描かれていく。
    中盤から、最後に至るところで、タイトルの意味がわかり、読後としてはあたたかい気持ちになれる。
    いまあるなんでもない日常が、最高に幸せなのかもと思える作品。

  • この作品を読むと、本当に人を愛することはどういうことかがわかる気がします。本当の幸せとは何か、人に尽くすということはどういうことか。生きる意味は何か。
    わたしは、この作品に登場する、澪に勇気をもらいました。本気の恋をしている女性に特におすすめの作品だと思います。

  • 読んでいて浮かぶ映像美が、悲しく美しいストーリーを彩ります。そんなことあってほしいなって、少し思っちゃいました。

  • 先日読んだ市川先生の本の文章がとても心地良く、何か別の本を読んでみたいと思っていたところに会社の方から貸して頂いた。

    何というか、文章が本当に綺麗で、心地よい。

    声の出ない犬は、前回の作品にも出てきていたが、
    何か著者の思いがあるのかなぁ??

    今回のストーリーについては、自分にはちょっと感情移入しにくく、
    読みにく感じた為★★★。

    でもこの先生の文章は好みだなぁ。

全167件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。獨協大学卒業。'97年からインターネット上で小説を発表。2002年1月、「Separation」で出版デビュー、いきなり同作がTVドラマ化される。次作「いま、会いにゆきます」は映画化され、100万部を超えるベストセラーに。他の著書に「恋愛寫眞――もうひとつの物語」「そのときは彼によろしく」「弘海――息子が海に還る朝」「世界中が雨だったら」がある。

「2009年 『きみはぼくの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

市川拓司の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×