- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094082265
感想・レビュー・書評
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病気に関する物語でリアリティーがあり冷たく怖い感じがした。その中で小説らしいものとそうでない現実感がある作品だった。
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#2がよかった。#1は△、#3はまあまあかな。読んでる時はそれなりだったが終わってみるとあまり残るものがない。人物の心理描写があまり好きじゃないのかな?
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タイトルが一番良かったです。
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#dokusyo この人の本はあまり好きではないのだけれども、時々心をギュッとつかまれ昔の思い出や、映像がフラッシュバックしてくる様なセリフがある「わたしたちの人生というのは、実現したことでなく、実現しなかったもののためにあるのかもしれない」
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「もしも私が、そこにいるならば」
「鳥は死を名づけない」
「九月の海で泳ぐには」
の中篇三つ。
個人的には、どれもかれも病院やら病気ってのが、
キーワードになってるのかな。
病気に関する描写や病院の風景などがあまりにリアルなので、
これは、実際の体験なのでは?と疑いたくなるところもいくらか、
見受けられる。
特に、鳥は死を名づけない、における、肝炎?かなの描写と、
病院の淀んだ空気はほんとうに読んでいて辛いものがあった。
全体としては、この作者にしては小説らしい小説だった気がする。
世界の中心で、は、あれは小説だけれど、
満月の夜、は、回想と詩が混ざった感じで、小説の枠を、
飛び越えてもいた。なんというか、村上春樹風に。
という意味では、ちゃんと普通の小説も書けるのよ、
っていう作者の力量を見せ付けられた感じもするが、
設定だとかそういうのを活かしきれてないってのもあったかなぁ。
例えば、鳥は、では、
著者は、数学を使った小説を書いているとあるが、
その割りにそういう数学的な表現も使わなければ、
小説家らしい巧みな言葉遣いもせず、そういう意味では、
むしろ、同じ病室にいた時枝のほうがよっぽどそれらしかった。
さらに出水についてももっと書くべきだし、
ロバートもやはりよくわからん。
もしも、はバランスはいいのかもしれないけれど、
自分からききたがったくせに億劫がっていて、
内藤は最初は億劫がっていたくせに次第に話したがっていて、
その移り変わりは面白くはあるんだけれど、
意図してないならどうなんだろうと思うし、
意図してやってるんなら、主人公の心理描写でそのコントラスト、
に触れてもいいのでは?
九月は小説としてはしっかりしてるけれど、
こう伝えようとするものが若干薄いと思う。
とはいえ、このひとのいいところは、文章がすごく読みやすくて、
なんというか、村上春樹をすらすら読めるという感じかな。
パクリっていう表現は嫌だけれど系統はすごく似てると思う。
とはいえ、村上春樹のほうがより空想的だし、
このひとはそのあたり若干中途半端ではあるが、
言葉は平易、内容は難解の村上に対比すれば、
言葉も内容も平易なので、やっぱり楽なんだろうね。疲れない。
あと、どうにも、小説って言えば、動き、とか、活き活きしてる、
とかいうところで評価される傾向があるらしくて、
賞もそういうところで大体あげてるみたいだけれど、
回想チックには回想チックのよさがあると思うんだけどなぁ。
まぁ、回想チックにしたほうがよりダイレクトに訴えたいことを、
訴えられるしね。
とまあなんだかなでこの著者のもすごく好きだな。
市川さんが、平易な文章かつ平易な内容で感動をくれるとしたら、
このひとは平易な文章かつ平易な内容で感傷をくれるって感じ。 -
収録:「もしもわたしがそこにいるならば」「鳥は死を名づけない」「九月の海で泳ぐには」
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やはり「世界の中心で、愛をさけぶ」を読んだときほどの感動はなかったかな。全体に流れるどこか冷静な雰囲気が独特だと思った。