抱き桜 (小学館文庫)

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著者 : 山本音也
  • 小学館 (2008年3月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094082586

抱き桜 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 昭和30年の和歌山を舞台に、小学4年生の広之と、大阪から流れてきた勝治との夏休みを描いています。

    広之は還暦を超えた父親伊蔵と継母芙美と、貧しい地域で3人暮らし。

    子どもは遊ぶのが仕事や、と伊蔵の言葉とおり、広之は近くの川でよく遊びます。

    戦争を挟んで変わる世の中に翻弄されるふたりの父親や、
    そんな伊蔵の後妻となった芙美の事情や思い。
    かつかつの暮らしをする勝治の家族。

    大人の世界がふんだんに描かれた上で、子どもの世界が繰り広げられます。

    賭博で稼いだ金で伊蔵が広之を連れて鮨屋で、ある1本の桜を語る10行ほどの場面は、クライマックスです。
    還暦を超えた父親が小学4年生に、
    いま語っておかなければ、との思いがにじみでています。

    ひと夏の休みを舞台に、ふたりの子どもを軸に、
    広之、伊蔵、芙美、その母ら登場人物の、
    戦争前からの生きざまをくっきりと浮かびあがらせています。

  • 2011年12月

  • 舞台は戦後をまだ引きずっている昭和三十年の和歌山。
    夏休みに入って間もなく出会った広之と勝治。
    たったひと夏の限りなく濃くてかけがえのない時間。
    様々な思いと心を引っ掻く傷と冒険と・・・
    楽しいけれど切なくて、そんなもやもやとした感情や
    ちょっとくすんで見える光景やニオイが親の愛情とともに
    ジワジワと浸透してくる感じで、懐かしささえ覚えた。

    吉野の桜。大和上市の桜は、きれいなんだろうなぁ~
    読後感はジーンとします。

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