おくりびと〔小学館文庫〕 (小学館文庫 も 3-4)

著者 :
  • 小学館
3.50
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本棚登録 : 970
感想 : 155
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094082845

作品紹介・あらすじ

「こりゃ誤植だ。旅のお手伝いじゃなくて"安らかな旅立ちのお手伝い"だから、うちは」小林大悟が求人広告を手にNKエージェントを訪れると、社長の佐々木から思いもよらない業務内容を告げられた。NKは「納棺」-遺体を棺に納める仕事を、大悟は妻の美香に打ち明けられなかった。戸惑いながらも働きはじめた大悟は、佐々木の納棺師としての真摯な姿勢を目の当たりにする。さまざまな境遇の死や別れと向き合ううちに、この職業への矜持が大悟の心に芽生えていくのだが…。人の生と死をユーモアと感動で描き、笑って泣いたあとには大きな愛が胸に届く物語。

感想・レビュー・書評

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  • 映画良いよとすすめられて先に本を目にしたので読んでみました。
    おくりびと、人の最後に向き合う仕事。
    初対面の人の旅立ちのお手伝い。
    その人の死から生を知り人は何を思うのか。
    生きている人からだけではなく亡くなった人からも人は学び縁が生まれる。
    この仕事でなければ知り得ない事なんだろう。
    映画も機会があれば。

  • 「ノベライズ」というジャンルがあることを知ったのは『おくりびと』を読んでからです。
    映画の小説化ということらしいのですが、書き手がその映画をどう受け取ったかで
    表現も変わってくるのでしょうね。
    189ページという短さもあってか、この本は実にすんなりと心に入り、温かい余韻を残してくれました。

    映画の方は本年度アカデミー外国語映画賞部門でのノミネートが決定したとかで沸いています。
    毎回ノミネートされるたびに、今度こそ受賞かと予想してははずれ、と言う繰り返しでしたが、今回は「ひょっとして」と私までが思っています。

    「おくりびと」では、ご遺体を棺に納める納棺師の仕事が登場します。
    近親者の死という経験でもないと、納棺の儀式そのものも馴染みがないかもしれませんね。
    親の死に際し納棺の儀式を間近で見ていた私は、亡きがらに丁寧に合掌して、大切な宝物のように扱ってくれることに秘かに感動したことがあります。

    話の主人公は、元はオーケストラのチェロ奏者。
    解散してから失業し、郷里の山形に帰ります。
    なかなか仕事が見つからず、ある日「旅のお手伝い」という求人広告を目にして面接を受けに行きます。
    旅行業かと思って行ったら大きな間違いで、「安らかな旅立ちのお手伝い」の仕事でした。
    厚遇につられて引き受けたものの、ご遺体は綺麗なものばかりではありません。
    まして、仕事に対する世間一般の偏見に打ちのめされることばかり。
    妻までが大反対して家出してしまいます。
    しかし、彼はやめませんでした。
    何故なら、そこで出会い、見聞きすることが、彼の心を少しずつほぐし、和らげ、目覚めていくきっかけになっていったからです。
    そして、それはやがて周りのひとさえも変えていきます。。

    納棺師、という主役のユニークさ。
    そして、主人公が癒され、周囲の人も癒していくというストーリーは、アカデミーのノミネート作品としては稀ではないでしょうか。
    また、外国の作品と言うのは、その国の社会背景を知らないと分かりにくい部分があるのですが、この作品にはその違和感がないように思います。

    23日の発表を観ることは出来ませんが、たとえ賞を逃したとしても、この作品がノミネートされたということが嬉しいですね。
    アカデミーの晩餐会のテーマは「アジア」だそうで、各テーブルの上には「盆栽」が飾られるそうですよ。

  • 映画でみたことあったけど久しぶりやし小説で見つけたから読んでみようと思って借りた。映画をノベライズしたやつらしい。すごい読みやすくすぐ読み終わったけど満足感そんななくて物足りん感じやった。小説読み終わった後の満足感じゃなくて、やっぱり映画をノベライズしたやつやからこんな感じになってしまったのかなって思った。けど最後のとこはちょっと感動した。元気なうちに人の死を経験することで生かされていることに気づきより充実した人生を送れるようになる。

  • 映画のノベライズ本。
    映画は見ていないけど、なかなか味わい深い作品だった。
    美香さんがいつも明るくて笑顔で、でも人間らしい悪の面もあって(遺体を納めるのを汚らわしいと言うあたり)、すごく魅力的。人間くさいとこが良い。

  • 安らかな旅立ちのお手伝い、納棺師のお話。人の死を扱う仕事は本当に尊くて大切な仕事であると感じた。物語を読むと、現代ではまだ差別されがちな職業かも、と感じるが理解が深まればいいなと思った。

  • 薦められて読んだ本。

    死というものは非日常であって、日常的に死と向き合うことはない。
    誰もが迎える終わり方までも、美しく、優しくと考えられる人はすごいと思う。

  • 映画のノベライズということなので、映画に沿って書かれていると思う。映像で見たシーンや俳優さんたちがどんどん思い出されて、また映画が見たくなった。

  • 久々に、涙が溢れた作品。
    ノベライズなので、非常に軽い。
    もっと納棺師という職業に迫ってほしかったし、人物の背景にも深みが欲しかった。

  • 物語の内容は感動的だけど、小説の表現はいまいち。でも映画は見たくなったな。
    死と向き合うことで、生をより強く思う、ありふれたテーマかも知れないが、涙をさそうストーリーでした。

  • 基本的にノベライズは読まないのですが、映画が素晴らしかったのでつい手に取ってしまいました。
    やはり質は落ちますが、シーン回想しながら読んでいます。

  • 本で読んでみるとこれもそれなりに良かった。それにしてもいろんな職業があるものだ。

  • 読んだ。

    古本屋で購入。映画は見てない。
    映画の評価が高いのも納得の内容。半身浴のおともに二日で
    一気読み。最後はちょっと感動した。
    慶事弔事も、それを仕事にする人もいる。会に熱中して
    気付かないこともあるかもしれないけど。
    気持ちよくつつがなく儀式が進められるのは、こういう方々が
    いるからなんだ。

    これも読んだ次の日にテレビでやってた。。

  • あの繊細な仕事を、やはり文字では表現しきれておらず、映像で見た方が感動するし考えさせられた。

  • 本作は映画のノベライズなので、映画のほうがずっといい。映画を観るべき。

  • 映画「おくりびと」のノベライズ化作品。
    社長の佐々木がいい。
    山﨑努の顔が浮かんでくる。

  • 2011年5月頃読了。

    ノベライズ作品というものを初めて読んだ。

    映画は観ていないが、小説の出来はなかなかのもの。

    個人的には職業の貴賤などないと思う。

  • 読み進めるうちに生きている者たちとの最期の別れの場面が
    胸にじんわり沁みて涙が出ました。

  • 入り込めば泣ける!

  • 思ったより全然軽くて読みやすい感じ。
    死を扱うテーマだけど、重くなりすぎずかといって軽んじているわけでもない。
    納棺師による最後の旅立ちを、切ないけど温かい。そんな小説。

    電車で読んだけど、ラストはもう泣きそうで閉じては読み、閉じては読みを繰り返してた(笑)

  • 納棺士っていう人たちが本当にいるのかは知らないけれど、
    この小説のような人たちだったら素敵だなと思った。
    人生の最後を送り出す。
    これは昔から神聖なことで、
    今のように死を避けているばかりではなく、
    向かい合うことが大切なのだなと感じた。

  • 200ページ未満でさっくり読める。

  • 仕事に貴賎は無い。

    自分が、どんな気持ちで望むのか!?

    その仕事に価値をつけるのは、自分自身です!!

    私も、誇りを持って、自分の仕事をやり遂げたいと思います。

  • 二時間位で読めちゃう。映画のままの本。どっちも好き。

  • チェロで生きて行こうと決めてた大悟が突然の楽団解散で職を失う。高価なチェロを売払い、実家のある山形へ引っ越し、職探しをするうち、それとは知らず納棺の職に就くことになる。読み進めるうちに涙腺が刺激をうけてしまう、やさしい愛を感じるお薦めの1冊。

  • 映画見たいな。つい最近おばが亡くなったばかりだからオーバーラップした。身近にある「死」なのに、葬儀屋さんや火葬場などに勤めている人を忌み嫌う人もいる。。妻が夫の仕事に対して理解する、というか受け入れる場面もじーんときた。なかなか出来ない仕事だと思った。人が死んでしまうことを受け止めて、その人の旅立ちをお手伝いをする。この本を読むと、本当はそうやってみんなで送りたかったなと思う。おばの時はなんだか事務的で、なんでこんなことするんだろう?とか疑問に思ったりした・・・

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「なかなか出来ない仕事だと思った。」
      少しでも身の回りから「死」を遠ざけたいと思ってしまいますからねぇ。。。
      「なかなか出来ない仕事だと思った。」
      少しでも身の回りから「死」を遠ざけたいと思ってしまいますからねぇ。。。
      2014/05/08
  • 【2023年117冊目】
    映画のノベライズ版です。映画は未見。途中まではまあまあ良かったのですが、どうしても妻の発言が意に介さなくて。「けがらわしい」って言うか?!それまで、すごい良き妻として書かれてきたのに、一気になんか、ええ…となりました。

    もちろん、死体を扱うのだから、綺麗事は言えないですよ。でも夫が一念発起して頑張ってるのに(内緒にはしていたが)、そんなこと言う?!あと、結構な期間別居してたのにいつできたの赤ちゃん?

    いや変に理解が良いのもあれですけど、そんなこと言うやつとは別れた方がいいですよ。

    やはり映画のノベライズ版なので心情が結構雑に書かれていたりして、さくっと読むのにはいいんですけど、勿体ないなぁと思うところがたくさんありました。

    あとは、視点の移動が何度か急に行われたのも、戸惑う感じでしたね。

  • 数時間で読み終えました。
    私にはできない職業の方々には、頭が下がります。

  • 映画のノベライズ。ちなみに映画は観てないです。
    十数年前の本を今さらですが、家にあったので読んでみた。
    薄い本なのでサクッと読める。
    全体は淡々と進んでいくが、最後の仕掛けにちょっと感動する。奥さんが良すぎるかな。

  • 映画を何度か観た。
    だから、展開も覚えている。
    そのせいで、読んでいて頭に浮かぶのは映画の俳優さんたち。
    ストーリーに合わせて、脳内を動き回る俳優陣。
    それは、それで良い再生方法だと思うのだが、映画を観ていなければ、違った形で想像できていたんだろうなーと思うと、少し残念に思うところもあったりするかな。

    平田さんの「門」の件が胸に響く。

    死は穢らわしいものではない。
    忌み嫌われるものではないはず。
    それでも、日本文化には、死は穢れだという文化が根強く残る。
    それゆえ、それに関わる職業人たちへの差別はなくならない。
    と、偉そうに書いている自分も忌み嫌っていないかと言われたら、NOとは、はっきり言えないのだが。。

  • 雪景色や、白鳥、河川敷。
    映画は見てないけど、絵になる描写。
    佐々木さんの書き込みだけ弱いような。

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著者プロフィール

作家・ライター。主な作品に『DOG SIGNAL ひよっこドッグトレーナーはじめます!』『世界はとつぜん変わってしまう? もし、「あたりまえ」の毎日が、ある日とつぜんうしなわれたら?をかんがえる本。』『レシピにたくした料理人の夢 難病で日を使えない少年』(すべて角川つばさ文庫)など。

「2023年 『日本植物学の父 牧野富太郎 「好き」を追い続けたぼくの話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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