怪人二十面相・伝 (小学館文庫 き 2-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094083026

作品紹介・あらすじ

怪人二十面相の正体は誰か。原作者の江戸川乱歩さえ触れることのなかった永遠の謎を劇作家でもある著者が大胆な想像力と緻密な構成で描く。父が自殺し母も行方不明となった平吉は、孤児院に行くことを拒否して、自らの意志でサーカス団に入門する。そこで平吉の面倒をみることになったのは、あらゆる芸を即座に自分のものにしてしまうサーカスの天才・武井丈吉だった。芸の師匠でもある丈吉を父のように慕う平吉だったが、突然、丈吉はサーカス団から姿を消してしまう。「世間をあっといわせる泥棒になる」という言葉を平吉に残して。話題の映画「K‐20」原作。

感想・レビュー・書評

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  • 映画「K-20」とはだいぶ違うけれど、わたしはどちらも好き。
    乱歩の二十面相作品と時代感とか世界観が一緒(当たり前だけど)でこちらのほうがアヤシさが少ないぶん冒険活劇的。
    これ一冊だけより、PART2と二冊続けて読むほうが話が完結するのでおススメです。

  • 映画より先にこの本を読まなくて良かったとつくづく思った、それにしても小林少年のイメージが変わりすぎて、ある意味衝撃的でさえあると思う。怪人二十面相と名探偵明智小五郎、二人の間にあったものは何か、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズを読んだ人は読んで衝撃を受けるべし。

  • 文学

  • 子供のころから読んできた「怪人二十面相」。
    江戸川乱歩の作品を二十面相視点で描いたような作品。
    子供のころはおどろおどろしいだけだった二十面相もなんだか人間らしさが滲み出ていてよかった。
    最初のほうのサーカスのくだりは退屈だったけど後半、一気にパート2へと続く話の展開はかなり期待を持たせる終わり方だった。途中まではパート2は読まなくてもいいかなぁって思ったけど続けて読んでみようかと思います。

  • 怪人二十面相、懐かしい!ひょっとして江戸川乱歩の小説の裏側はこうだったのかも、と思わせる。

  • えーまあ予想はしてましたが、江戸川乱歩を超越できるほど素晴らしい文章を書ける人なんぞ、一握りもおらんわけで、そのつもりで読み始め、初段の「~した」「~した」という紋切り連発に既にガッカリとなる。また、作者が素晴らしいと勘違いしているらしい謎の繰り返しなど、小説としていかがなものかと思う表現が特に前半に多いのはいただけない。
    さて、激しくネタバレになるのは覚悟の上で、江戸川乱歩のニ十面相を、この作家は「初代二十面相」としたいのか「二代目二十面相」としたいのかが、結局わからぬままである。乱歩の二十面相では、明智に小林だけでなく「戦後焼け出された孤児」が活躍するわけだが、そうすると小林少年は本作で矛盾となるわけである。この作者、少年がたいそうお嫌いなようで、子供の描写が短気で後先考えないあたりも残念。また、二十面相をはじめ、乱歩の小説における名物悪役というのは、概してインテリであり、キャラ作りで乱暴な言葉を発したりするギャップが素晴らしいのであるが、本作のニ十面相は、一貫して教育が足らず、言葉遣いもひどいものであり、乱歩の作品が好きな人は、まちがいなく幻滅するであろうことは先にお知らせしておきたい。

  • 江戸川乱歩にはまっている息子が今一番読みたい本。とりあえずは図書館で借りて読むそうです。

  • 原作の世界を膨らましたユニークなオマージュ作品。
    映画にもなったが、あの映像イメージとはちょっと違う。
    乱歩ファンこそ必読。

  • 楽しい。つづきが読みたい

  • うん。私の中の明智先生イメージってこんな感じ。

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著者プロフィール

劇作家・演出家・小説家。1952 年生まれ。滋賀県出身。1979 年に発表した『寿歌』は、1980 年代以降の日本の小劇場演劇に大きな影響を与えた。1984年『十一人の少年』で第28 回岸田國士戯曲賞、1990 年『雪をわたって…第二稿・月のあかるさ』で第24 回紀伊國屋演劇賞個人賞、1997 年ラジオ・ドラマ『ケンジ・地球ステーションの旅』で第34 回ギャラクシー賞、2014 年『グッドバイ』で第17 回鶴屋南北戯曲賞を受賞。現在までの執筆戯曲は200曲をこえる。また、小説『怪人二十面相・伝』は、『K-20 怪人二十面相・伝』として映画化されるなど、戯曲だけでなく、小説、童話、エッセイ、シナリオ、ラジオドラマ、コラムなど、多才な創作を続けている。現在は、主にシス・カンパニーに書き下ろしを提供しているが、加藤智宏(office Perkypat)との共同プロデュース公演(新作の、作・演出)も始動している。2013年『恋愛的演劇論』(松本工房)を上梓。2020 年に第73 回中日文化賞を受賞。

「2024年 『万平BOKS1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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