群青 (小学館文庫)

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著者 : 宮木あや子
  • 小学館 (2009年5月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094083873

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群青 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 物語の展開がはやくて、読み終わった後はタイムトラベルをした後のような、疲労感にも似た気だるさが残りました。海に囲まれた島が舞台で、背景には常に海と闇とピアノの音色があったように思います。

    登場人物の誰かに共感するというよりは、自分も幽霊のような、何か人ではないものの視点でもって物語を追っているようでした。この小説はそもそも、中川陽介監督の『群青』の脚本をもとに著者が書き下ろしたものだそうです。
    映像化された作品であったからか、ところどころで目に浮かぶ海が美しかったです。とはいえ、夜の海は怖いし、海は決して美しいばかりじゃないというのもありありと見せてくれます。それは島に対しても同じで、サトウキビ畑のある島は美しいけど、どこか閉鎖的な空気感があるし、苦みが随分と含まれていたのが印象的でした。

    そして、何作目かになる宮木さんの本ですが、本当に毎度ながら「こんなものも宮木さん書かれるのか・・・」と驚いてばかりです。艶やかさは「花宵道中」に通ずるものもありましたが、毎度違った色を見せてくれるのがおもしろいです。こんなにカラフルな作家さんも珍しいですよね。

    本当に長い旅をした後のような倦怠感。最後はちょっと泣きそうになりつつも読み終わり。雨が続く日は明るい本よりも、色で言えば青やグレーの本がしっくりくるので、読みやすかったようにも思います。

  • クラシック界でアイドル的な存在として有名だった、若くて美しいピアニストの由起子は、病気療養の為に一人で南風原島を訪れ、そこで出会った漁師の龍二と結婚します。
    由起子は、自分の命と引き換えるかのように、娘の涼子を生んでまもなく亡くなります。
    やがて、美しく成長した涼子は、幼馴染の一也と恋に落ちますが、涼子の為に伝説の赤珊瑚を採りに潜った一也は、そのまま還らぬ人となってしまいました。
    それ以来、心が壊れてしまった涼子は、島に戻って来たもう一人の幼馴染、大介に見守られながら、ゆっくりと、新しい世界に足を下ろし始めます。


    これは、女による女の為の小説だな、と感じました。
    由起子の思いだとか、涼子の壊れ方だとか、多分、女にしかこうは書けない・・・と言うか、宮木さんだからこそ、ここまで書けたのだろうな、と思います。

    全く違うけれど、Coccoファンにも是非読んでみて欲しい小説です。

  • 映画ノベライズ

  • 人の儚さと強さがあらわれていた

  • ずっとコッコの曲が脳内で流れてた。
    うつ病には日光浴がいいって聞いたことがあるけど、日差しの強い南の国で太陽の下で焼かれながら狂っていくというのは、それはそれでハイビスカスのような美しさがある。

  • 人気だったピアニストが小さな島で恋をして命懸けで子どもを産んで…その子どもがまた、精一杯生きている様を描いた小説…って感じかしら。

    宮木さんらしい文体と描きかたで
    女性に共感しつつ、龍二にも若干気持ちが寄り添った不思議な小説でした。

  • 痛い。けど好き。

  • 八重山の架空の離島、南原風島を舞台にした物語。「群青」は男二人と女一人の幼馴染三人で、というのありふれたストーリーだけど宮木さんの文章が好きすぎて島の描写が読んでいて心地よかった。「紺碧」の由起子と龍二の話が優しくて好き。二人のお話をもっとたっぷり読みたかった。「三原色」の子ども三人が海へ行くシーン。自転車で坂を下る涼子のワンピースが風を孕んだ瞬間に永遠を感じた。

  • 有名なピアニストだった由起子は、病気療養のために訪れた沖縄の離島「南風原島」で漁師の龍二と出逢い結婚し、やがて子供を授かるが出産後まもなく他界。
    二人の娘・涼子は成長し幼馴染の一也と恋に落ちるが、龍二は若い二人の結婚に反対する。しかしようやく龍二が結婚を認めようとした矢先、一也は海で命を落としてしまう。
    愛する人を失ったことにより涼子は心を病んでしまったが、そこに島を出て行ったもう一人の幼馴染・大介が帰って来る――

    映画の脚本を原案に書き下ろされた小説とあって、ロマンチックな出逢いに始まり衝撃的な事件が起こって劇的なクライマックス、起承転結もわかりやすく、確かに「映画みたいだなあ」と頷いてしまうストーリー。
    映画は長澤まさみさんが主演で少し気になってはいたものの、あらすじを読んだだけでも非常に重そうな内容だったのでDVDを手に取るのを躊躇していたのだが、この小説版を読んで映画版も観てようかなという気になった。
    心を閉ざしてしまう涼子をどう演じているのかが気になる。

    南の島の鮮やかな風景と、それと対照的な登場人物達の心理描写が静かに胸に迫る物語。

  • 映画との企画だからか、ちょっと違う感じでした。
    しかし映画のサイトをみてみたけれど、年齢設定や…この涼子の状況は…長澤まさみ映像化したんでしょうか。
    性表現事務所OK?とかなんかいろいろ気になりました。
    この中では龍二と由起子の恋物語が好き。

  • 切なさ。愛する人を失って心を病んでしまった涼子、何も出来ない父親、幼馴染みで涼子を見守る大介。
    ただ私はこういう悲劇的な話が嫌い。

  • 映画の脚本から生まれた小説だと聞いたが、
    この作者さん大好きなだけに、非常に惜しい気がした。

    愛する者を失った後の主人公の壊れっぷりが切ない。

  • 文庫化につき再読。

    単行本時レビュー↓
    http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-308.html

  • 痛々しい愛の話でした。
    映画化されているようですが、本で十分です;

  • 小学館の「きらら」連載で読んでいたが、いいところで終了し「続きは単行本化してからのお楽しみ」って、」そんな〜〜(泣)単行本発売してから、図書館でなかなか出会えないうちに早くも文庫落ち。書店で文芸書を担当する者としては複雑な思いだったが、続き読みたさに購入。
    映画化の企画があっての小説ということだったが、そんなことを感じさせない、しっかり宮木さんの作品だと思える内容だった。南国の取材を細かくしたのだなということが窺える、読む側を作品世界にぐいぐい引き込む文章。「きらら」連載終了後、続きはこんな感じかなと何となく想像を巡らしていたのだが、予想外の悲しく残酷な展開に、ちょっと読むのが辛かった。悲しみの淵から這い上がるのはこんなにも激しく痛ましいものなのかと。
    だけど人は必ず再生できる。ヒロインをとり巻く人々が皆優しく(初めは悪い奴と思えた人までも)、南の島の美しさ、激しさ、温かさをドラマチックに体感できた一冊だった。

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