夜回り先生と夜眠れない子供たち (小学館文庫 み 9-2)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 82
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094084023

作品紹介・あらすじ

「先生、わたし生きてていいの?」「イジメられてる。死にたい」「さっきいっぱいクスリ飲みました」「これからリスカします」「…痛い」――“夜回り先生”水谷修のもとに、毎日、何百通と送られてくる悲痛な相談メール。夜中から明け方まで鳴りやまない電話。そのひとつひとつに想いを込めて彼は答える。「水谷です」「哀しいです」「私には君の死を止めることは出来ません」そして、こう言葉を続ける。「でも君にはもっと生きていてほしい」「君の明日にはたくさんの幸せが待っています」1教師の13年間に亘る“闇との闘い”を綴った大ベストセラー『夜回り先生』第2弾!!

感想・レビュー・書評

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  • 「イジメられてる。死にたい」
    「さっきいっぱいクスリのみました」
    「先生、わたし、どうしたらいいの?」

    そんな子どもたちの悲痛な叫びに、夜回り先生は、そのひとつひとつに私は想いをこめて答えていると話します。

    「ずっとそばにいます」
    「もし、きみに死なれたら、水谷は哀しいです」
    「昨日までのことは、みんないいんだよ。"おれ、死にたい" "わたし、死にたい"でも、それだけはダメだよ。まずは今日から水谷といっしょに考えよう」

    私は教員免許取得を目指していて、その授業のなかで水谷先生のことを知りました。そして、この本に興味を持ち、読むに至りましたが、この本を読みながら思わず泣いてしまいました。

    夜の町を歩き、一般的には「不良」や「非行少年・少女」というレッテルを貼られたさみしさを抱える子どもたちの悲痛な叫びに耳を傾け、言葉をかけていく活動。水谷先生がいかに子どもたち自身のこと、子どもたちの未来のことを考えているかが伝わってくる本です。モノクロの写真・先生が子どもたちへ宛てたメッセージや想い・先生の活動について・実際に先生とさみしさを抱えた子どもたちとのエピソードが収録されています。この本のあらゆるところから子どもたちへの心配と愛が感じられます。

    「子どもたちが一歩を踏み出すというのことは、もしかしたらブランコを漕ぎ出すくらい簡単なことなのかもしれない。もしうまく漕ぎ出せない場合は、背中をそっと押してあげる。そして勢いがつくまで、いつまでも見守ってあげる。私が子どもにしてあげられるのは、それくらいのことなのかもしれない」

    子どもたちはどの子も本当に純粋で、"悪い子"なんていない、ということがよくわかる本。それと同時に大人たちの言葉がいかに子どもたちを傷つけ、追い込んでいるのかということがわかりました。子どもたちとどう向き合わなければならないのかということを考えさせてくれる本です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「"悪い子"なんていない」
      もし子どもと向き合うのがしんどくなったら。思い出せるよう、心の片隅にその気持ちを置いておいてください。
      頑張り過...
      「"悪い子"なんていない」
      もし子どもと向き合うのがしんどくなったら。思い出せるよう、心の片隅にその気持ちを置いておいてください。
      頑張り過ぎて自分の心を疲れさせてもダメなんだからね。
      2012/07/25
  • 私は教員免許取得を目指していて、その授業のなかで水谷先生のことを知りました。そして、この本に興味を持ち、読むに至りましたが、この本を読みながら思わず泣いてしまいました。

  • 慈しみ、悲しむ。教育愛の精神がありありと具現化した作品。
    「闇の世界」については言及できないものか。

  • ”覚悟”がちがう。子供を伸ばすという教育の前に、水谷氏は、子供を生かすために真正面から向かっている。このような先生が一人でもいるということがすごい。そして、自分も確固たる志をもたなくてはと思った。

  • 前作に引き続き良書。

  • いいんだよ。そんな言葉のかけることのできる人になりたいな。
    全てを包み込む強さ、そして熱意。それが伴って始めて信頼関係が築けるのかもしれないな。

  • 子どもは受けた愛の数が多ければ多いほど、非行から遠ざかり、心の傷は浅くなる。

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著者プロフィール

水谷修(みずたに・おさむ) 1956年、神奈川県横浜市生まれ。上智大学文学部哲学科を卒業後、83年に横浜市立高校教諭となる。2004年9月に退職。在職中から子どもたちの非行防止や薬物汚染防止のために「夜回り」と呼ばれる深夜パトロールを行っているほか、メール・電話による相談を続け、全国各地での講演活動も展開している。

「2021年 『たかがニュース されどニュース』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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