- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094084276
感想・レビュー・書評
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「でもネ、今のお年寄りの姿は、若い皆さんの将来の姿なんですよ」
(湯浅マキ)
認知症のリアルとフィクションが混ざった感じ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
誰だっていつかは年を取り老人と呼ばれるときがくる。
でも、実際にそのときが来ないと実感はわかないし理解することは難しいと思う。
物語の中に認知症かどうかの判断を下すための検査の場面がある。
記憶することが苦手な人は間違えたらそこで認知症と判定されてしまうのだろうか?
こんな簡単な質問で決めてしまうのか?と不思議だった。
騙されて病院に入れられたマキは最初は腹を立てていたが、徐々に状況に慣れていく。
老人に限らず突然まったく違う環境に放り込まれたら、気持ちが動揺するのは当たり前のことだと思う。
歯磨きと洗顔石鹸を間違えたマキを看護師は笑う。
けれど、状況がしっかりと把握できるまでは軽いパニックになっているとわかるだろうに、と思ってしまった。
認知症患者を専門に受け入れている病棟なのだから、周りを見回せばやっぱり少しだけズレているお年寄りばかり。
一方マキは相変わらず物忘れはひどいものの、治療の成果もあって少しずつ状態は良くなっていく。
費用の問題から別の施設に転院していく者もいれば、老人同士で恋に落ちて結婚する者もいる。
認知症だからといって必ずしも不幸ではないと、物語を読んでいると思えるようになってくる。
本来は暗いテーマなのかもしれない。
けれど軽妙なタッチで描かれている病棟のようすは、けっして暗鬱とするものではない。
この物語を読んでいると「年を取るってどういうことなんだろう?」と考えてしまう。
そして、いつかは自分にも訪れるだろう老後をどんなふうに過ごしたら幸せなのかと。
実感はないけれど、確かにいつかは誰にでも関係するテーマなのかもしれない。 -
プロとしての水準に達していない…
つまらないし、話はイマイチだし、
盛り上がるかと思えば流れていくし、
時間の無駄でした -
2009/9/4
内容(「BOOK」データベースより)
元眼科医の湯浅マキは七十九歳。物忘れは多少激しくなってきたものの、足腰丈夫、いたって元気な高齢者である。ある日息子夫婦に誘われてドライブに出かけるが、着いた先はなんと病院だった!しかも認知症の傾向が見られたため、そのまま検査名目で入院させられてしまう。同じ病棟のそれぞれ事情を抱えた入院患者たちに次第に興味を抱き始めるマキだったが…。「老い」は罪なのか、老人が誇りを持って生きられる場所はないのか―。コミカルなタッチで高齢者の自立・幸せを問う、ユーモア医療小説。 -
加齢と認知症と家族。
☆ネタバレ有り☆
「誰だって好き好んで年寄りになったわけじゃない(中略)でもネ、今のお年寄りの姿は、若い皆さんの将来の姿なんですよ」
すごく響いた。
この作品中では老人病棟の閉鎖を聞いて高齢者たちが自分たちのできることを分担して新しい病棟を作ろうと、明るく前向きに終わったけど、現実はそんなことおいそれとできないし、この本が明るい故に高齢者の現実が悲しくなった(´・ω・` )
自分の一生を考えて、親の一生も考えようと思った。 -
思ったより面白く読みました。
認知症になりかけかな?という主人公の視点で書かれている。 -
認知症に関わらず、病気は何でもそうでしょうし、老いの過程もそうだと思いますが、これこれこういうことが出来なくなったと数え上げて悲観するより、まだこんなことが出来るんだというふうに頭を切り替えて生きていくことが必要だと思いました。
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元眼科医であるマキは少し物忘れがひどくなってきた。
そんな矢先、息子夫婦にピクニックに誘われて到着した先は
老人病院!
検査入院ということで無理やり入院させられるが、
次第にマキは看護師や入院患者に興味を抱く。
元気なマキさんが私はとても好きでした。
そして、老人病院と家族という感情が難しい内容を
さらりとコミカルに書かれていて楽しかったです♪
読んだあと、すっきり!