秋の森の奇跡 (小学館文庫)

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著者 : 林真理子
  • 小学館 (2009年9月4日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094084290

秋の森の奇跡 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 動物の雄は死の間際でさえも生殖本能がみられる、という話を聞いたことがあります。
    おそらく自分の死という種族のマイナスを子作りというプラス的な行動で穴埋めするかのようだとそのときは思ったのですが。

    主人公は女性ですが、老人性痴呆症になってしまいだんだんと壊れていく実母の姿を見ておそらく死のにおいをまざまざと感じたのでしょうね。
    生殖本能、というとあまりにもあからさまな言い方ですが、「男の人に愛されたいと」思ってしまう、これも「ただ生きたいと」あがく姿なのかもしれません。

    ワタシ個人はあまり自分が恋愛体質ではないのですが、配偶者とは別に運命の人に出会ってしまう、というのは果たしてそれは幸福なのだろうか、不幸なのだろうか、と考えさせられてしまいました。

    実母がもう娘である自分すらわからなくなって「どちらさまですか?」と尋ねられてしまう悲しさと、ラストの
    「二人がおじいさん、おばあさんになってもこの関係を続けよう」
    (お互いに相手が誰かわからなくなるまで)
    という対比が切なかったです。

    母の痴呆という強烈な老いとかすかに漂う死の香りの中で、ただ生きたいとあがき、その証として最後の恋愛を求めてしまう中年女性の悲しさがうまく描かれていたと思います。

    恋愛に関することは別ですが(笑)、肉親の介護、というのは自分も何年後かには抱える悩みなのではないかなぁ…兄との確執の部分も悲しいけれどもこういうことがあるかもしれない、と思ってしまいました。

    単なる不倫恋愛ものではなく、いろんなことを考えさせられた本です。

  • 久しぶりにつまらない本を読んでしまった。最後に何かあるのかと期待したが、それもハズレ。タイトルと内容の関係が意味不明。何一つ共感出来ず、作者の意図がまるで伝わって来なかった。

  • 夫はダメだけど自分はいい。
    ものすごく自分本位な解釈をする女性。
    でも、女性って、こんな考え方をするときがあるんだよなぁ。

  • 日々確実に、平等に年を重ねているということ。
    それを忘れられている、まだ娘でいれることは、何よりも贅沢だということ。

  • 40代、仕事、子育て、親の介護。同時に起こり得る。女性の気持ちを上手く伝えている。

  • アラフォーの働く女性の恋愛ものと、言っていいのかどうか?

    少し、インテリの学校教師のご主人と、可愛い一人娘が、居て、自分のインテリア家具の仕事も、充実していて、お金の不自由も無い生活。
    まして、まだ40代で、周りの男性からも、口説き文句は、日常茶飯事の事。
    ドレスアップして、颯爽と、仕事にも生きがいを感じている自分にも、陶酔している主人公。

    それが、母親の認知症が、発端で、兄や兄嫁の確執とで、娘を連れて、自分が、母親の介護をすると、言ってしまい、ぎくしゃくしていた主人とも、別居生活となる。

    ここまで、読むと、普通一般より少し、家が、あることや、兄妹の居ることで、恵まれているが、その相談するにしても、口説かれた男性に、話して、そのまま恋愛体験へ行ってしまうのは、作者 林真理子氏のアイデアなのか?

    普通、可愛い娘も居てたら、自制すべきところであるし、親の介護は無理であったとしても、最後の終わり方に、この主人公の女性 裕子の女の性が、描かれているが、、、
    不倫に対して、賛否両論あるだろうが、きっと、子供は、そこのところを、見抜いてしまって、成長した時に、主人公はつらい人生が待っているように思われる。

    後、20年も経ったときに、きっと、この女性は、今の不倫相手の新井氏と、別れているだろうと、思いたいし、人生、自分中心に、世界は回らないと、思う。

    こんな女性もいるかもと、考えさせられた本であった。

  • なんだかんだ言ってリアルで面白くグイグイ引き込まれて
    一気に読了。

    全編を通しとにかく不倫の話、
    とはいえめくるめくロマンチック、心は乙女の純愛夢物語、という気もするし
    どろどろ小汚いおばはんの不倫劇にたいそうな言い訳を連ねているだけとも思える。
    結局そのどちらも真実なんだろう、と思うと
    人間ってほんと愚か。でもそこが人間らしさか。

    ただ、やっぱり普通の冴えない主婦が
    冴えない不倫をするんではこうはならないと思うので
    軽く読みたい恋愛小説に大切なのは、等身大プラスαくらいの
    こういうちょい小洒落た、よくありそうで実際はそうそうない
    っていう世界観。
    そこにまた親のボケ介護というテーマのチョイスが絶妙なくたびれ感で
    その辺さすが。面白かった。

  • 不倫の描写がリアルで不快。祖母が病気で大変な時に、父が週刊誌に載ったときに、もし母がこんな風に不倫をしていたと知ったら私は母を嫌いになると思う。

  • 40代の主婦が主人公。
    主人公は有名私立高校の教師を夫と一人娘をもち仕事をしている。
    友達の紹介で金持ちの男性と知り合い言い寄られるが、何度かデートした後結局もて遊ばれただけと知り屈辱感を感じる。
    そんな中、母親が痴呆症になり、母親に対する周囲の態度に違和感を感じたり、客の一人と恋に落ちたり・・・。

    40代の主婦にこんなに次々言い寄ってくる男がいるかな?
    タイトル通り奇跡に近い事だと思う。
    作者の願望じゃないか?という気がした。

  • んー。ラストは賛否両論ありそうだけど、女の業を感じますね。

    40歳を過ぎた既婚女性の試練。容姿の衰え、親の痴呆の始まり、夫の不倫疑惑、自らの恋・・・。
    フィクションではあるけれど、いくつかは「いずれ行く道」なだけに、ゾッとするものがありました。特に、親が呆けていく様子は読んでいて切なかったです。

  • 42歳の主婦が恋愛する話…
    真の恋愛小説、と書かれていたが、真の恋愛と言うよりただの不倫話だった。

    しかし文章は面白かった。

  • んー。
    イマイチ

  • 42歳の裕子は、自身も仕事を持ち、夫は名門私立の教師、10歳の娘もいわゆるお嬢様学校に通うという、順風満帆な家庭を築いていた。ところがあるパーティーで夫が発した言葉を耳にした時から、裕子の中で何かが崩れ始める。同時に持ち上がった母の認知症発症、久しぶりに自分を熱いまなざしで見つめる男性の出現…自分はどこに向かっていくのか…。
    42歳とは思えない裕子の精神的な幼さといおうか、短絡的、感情的なところにいささかうんざりしてしまった。それともそれが42歳という年齢の女性の焦りの表れなのか、だとしたら私にはまだ理解できなくて当然かもしれないが。結局何の成長も解決もしないままのラストにも不満が残った。

  • タイトルに惹かれて買ったが、
    ああやはり林真理子作品だな、といった感じ。

    きらびやかな世界と、介護に悩むリアルな世界をスリリングに駆け抜ける主人公に魅力は感じたが、こんなにも激動の日々を送っているのに、どこか淡々としている感じがしたのは生真面目な敬語を使っていたから?

    書簡体小説好きな私としては途中何度かメールのやりとりでストーリーが進む場面が、うまく本の中の世界と切り離されて表現されていて、そこは表現方法として秀逸だったように思う。

  • 43歳。仕事と家庭を両立し、美しさも保っている人妻が夫にふと不信感を抱く。
    親の老いや、兄夫婦との確執、浮気等、昼ドラのごとくドロドロ…。

    最後の描写がやけに生々しいし、不要な気がする。

  • 久しぶりに林真理子さんの本を読んだ。仕事、家事、育児、さらに母の介護と、夫でない男との恋愛の並行。なかなか忙しい内容のはずなのになぜか淡々としすぎていて全体的に印象が薄い。主人公の気持ちはわからなくもないけど、あれ?結局最後はこうなっちゃうんだ…とガッカリ。

  • 不倫の話だが私は認知症のお母さんの描写がスゴイリアルだと思った。祖母がそうなのでどうしても親に重ねてしまう…なぜかこの本を読み母を大事にしたいと思った。

  • 介護問題がリアルに書かれている。確かに自分の親が老いていく姿を見るのはつらいけど、そんな時にそばにいて自分を支えてくれる人がいたらすごく救われると思う。この主人公はそれを愛人に求めてしまったけど、私は愛人ではなくて夫に支えてもらいたいなと思った。

  • 10月20日読了。SonyのReaderにて。輸入家具店の店長として働く一児の母・裕子。母親の痴呆の始まりをきっかけに、何不自由なく幸福だったはずの人生・夫に不信が芽生え始め・・・。二十台を越えた女性は、男性よりもはるかに「自分の生物的な機能は衰え始めている・自分は死に向かっている」ことを意識せざるを得ないものなのだな。もちろん自分は女性ではないが、絶えず「自分はおばさんだから」と自嘲しながらも男性にほめられることや恋愛の駆け引き、思いやりのある言葉を求めてやまない主人公の心情はとてもリアルに感じられる・・・。逆に男性の描写は不自然に感じるが、まあ男性の書いた小説に不自然な美少女がいっぱい出てくるようなもんか。

  • 女性の三十代には2度の本厄がある。
    ちょうどその年代には、人生に大きな影響を及ぼす何かが起こりやすいのだという。
    自他共に、心身ともに。
    良くも悪くも。
    そして多くの場合は後者の確率が高い。

    私的に、これは結婚というシステムが及ぼす影響が大だと思っている。
    自分の人生に関係してくる他人(しかも複数人)が一時に増える。
    血のつながりがあってすら何もない、なんてことは少ない。
    それが他人ともなれば何もないほうがどうかしている。
    そして昨今の初婚(平均)年齢が上がっていることを考慮すれば、
    諸所の理由は割愛するとして本厄のピークは三十代後半~四十代半ばあたりにシフトしているのではないかと思われる。

    親、家族、夫婦、親子。あらゆる局面で顕わになる問題。
    子として、親として、妻として、女として。。。葛藤は尽きることなくあなたを苛む。

    ズルイなぁと思うんですよ。
    そんな人生の荒波のただ中にぽーんと放り込まれてもがき苦しんでいるときに
    力強く腕を引かれなんてしたら。
    優しい言葉と仕草で求められなんかしたら。

    出来すぎた偶然。
    最初からその人を求めるように仕組まれた必然。
    それはあなたにとっての奇跡。
    ・・・なんて陳腐な。
    でも最高の時間でしょう。
    少なくともその人といる時間、あなたは確実にヒロインでいられる。

  • 私にも出会いがあれば・・・妄想に浸れる一冊

  • 林真理子さんの小説は、ほとんど読んでいるけれど、これはイマイチだった。私とほぼ同年代、同じ年頃の娘をもつ主人公の設定に興味を持って読んだが、ほぼ共感できず。親の介護問題では多少共感できたけれど。自分もかなり恵まれている方の人間だと思うがこの主人公の設定には、それでもありえないだろうと思ってしまう。
    だけど、実際に林真理子が描く世界に出てくるような女性たちが、東京にはたくさんいるんだよな。

  • 主人公は40代の女性。
    女性としての自分に、自信を失いかけている。

    実の母は、認知症の初期段階。
    娘としては、母親が壊れかけていることを受け入れることができない。

    信頼していた夫は、どうやら自分を裏切って他の女性と不倫関係にあった過去をもつらしい。
    許せない。

    幸せな家庭をもっていると思っていたのに、
    ある日、その幸せはほころびはじめる。
    こんなのはイヤだ、こんなはずじゃなかった。

    主人公は、夫以外の男性にやすらぎを求めるようになる。
    そして、お互いに自分の伴侶を裏切りながら、「ずっとずっと続けていこう」と誓いあう。




    真の愛を手に入れた、ということですかね?
    それが「奇跡」ということ??
    ずいぶんわがまま勝手なような気がしますが・・・・。
    もっと他に、心の逃げ道ってつくれないのかな。
    確かに、自分の母親が、同じような立場になったら、
    それを現実として受け止めるのはきっと難しいと思う。
    だからといって、娘までいるのに、
    他の男に走った主人公の行動には疑問を持ちます。
    将来もっとつらい現実に向き合うことになると思うよ。



    何年も夫婦生活を続けていると、
    誰しもが心の奥底にもつようになる願望か?

    「介護」に関する部分。
    きれいごとが並べられているだけの気がします。

  • 林真理子さんの作品に出てくる女性は
    みんな傲慢で、計算高くて、ずるくて…
    でも嫌いになれない
    なぜなら自分もそうだからって
    いつも思っていました。

    どの林真理子作品を読むときも
    今回はどんな女性なんだろうと
    わくわくして読みます。
    今回もそうでしたが
    少し期待はずれな感じもしました。

    私は今回の主人公の女性には嫌悪感を
    抱いてしまいました。
    介護をめぐっての兄・兄嫁との問題
    自身の不倫、夫の過去
    正直読んでて気持ちいいものではなかったです。

    でもやっぱり林真理子さんの作品
    とても惹きつけられます。

    コスメティックのほうが私は個人的にすきです。

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