世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)

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著者 : 穂村弘
  • 小学館 (2009年10月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094084412

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世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 眼鏡が顔の一部と化しているタイプの男性は割と好きだ。
    父が眼鏡をかけているせいか、眼鏡男子には親近感がある。いざとなったら眼鏡をヒョイっと取り上げてしまえば勝てる気もするし。

    どこかズレた感性を持つ自身を自虐的に捉え、「世界音痴」と名付けるセンスは歌人として培われたものなのだろう。

    ベッドに寝転がり、胸の上で手を組み、チョコレートバーを咥えて過ごす穂村氏。腕を組んでいた恋人が雪に足を滑らせた時、咄嗟に手を離してしまう穂村氏。寝過ぎて頭を痛くして、バファリンを飲んでまた眠る穂村氏。

    嗚呼だめな人だ…これはなかなか結婚しない(執筆当時37歳、未婚)のも頷ける。と思っていたらいつの間にか(43歳で)結婚されていた。なんだか悔しい。

  • ユーモアと少しの哀しみをたたえて、他者とのズレや痛さを包み隠さず綴るエッセイ。可笑しい。


    飲み会や社交の場に出た時の心もとなさ。

    人のことより、体裁を瞬時に考えてしまった自分に自意識のカタマリだと思い恥じたとき。

    きっと人との関係を築いていくうえで答えは色々とシンプルなものだと思うのだけど、
    上手くやりたいのに上手くできないそんな時、ああ、わたしみんなができること何でできないんだろう、と途方に暮れちゃうことがある。

    自意識過剰すぎると疲れる。
    悲観的に考えすぎてばっかりいると肩が凝る。

    そんな時に穂村さんの本を思い出す。

    こんな気持ちを文章にしてくれて、ちょっと大げさかもしれないけれど
    救われた心地になりました。

  • 初エッセイなだけあって、内容が濃い!笑
    あーにやにやして読んでしまった。

    わたしもわりと自分に甘く精神で生きているから、共感できる部分もある…けど、穂村さんほどじゃありません。ごめんなさい。

    寝ぼけたまま菓子パンをほお張り、朝起きてお布団の中にその残がい(しっぽのようなもの)を見つけて暗い気持ちになるとか…
    デニーズで年賀状を手書きし、豚のハンコを押してふきだしをつけ「にゃあ」と入れるとか…
    元カノの名前をインターネットで検索するとか…

    笑えて、不思議で、切ない。

    獏を知らなくて、運転が下手で、お箸の持ち方がほぼグーで…

    読みながら何度も、「結婚できて良かったね」と上から目線で祝福せずにいられませんでした。

  • これ、原稿書きながら泣いてたんじゃないかな…って心配になるぐらいの 切実さで書かれている文章たち。違う。どうしても本物になれない。そちら側に行けない。行きたい。目に涙を浮かべて そう訴えている“穂村クン”を よしよしってなだめながら、ギュッて抱きしめたいって思った女性は多いと思う。

    わたしは読みながら、若き日の穂村さんの、今では多少中和されてしまったセンチメンタルを思っていました。エッセイとしては おそらく初めて出版されたこの本の、狂おしいほどのむき出し感。さすがにこれを今も維持していたら…読めてないだろうなと。苦しくて。

    一目散に 好きな人に会いに行って、
    「わたし、あなたの事全部知ってるけど、全然知らないの。でも、愛してる。大好きだよ。大切なの。要らないかも知れないけど、わたしの全部あげたいから、貰ってくれるかな。何でもするよ、あなたのためなら。」
    とかって、ひたすら 愛してるってことを伝え続けたい。そんな気持ちになった。

    センチメンタルな男の人って、わたしにとっては とても魅力的。

  • 「今の私は、人間が自分かわいさを極限まで突き詰めるとどうなるのか、自分自身を使って人体実験をしているようなものだと思う。本書は云わばその報告書である。」
    あとがきのこの文章を読むまで、これはいったい何だろう?と思っていた。
    エッセイというより自己分析?
    自分が女性だったらこんな男は嫌だという批評が繰り返されるのはなぜ?
    実はナルシストなのかな?とかいろいろ想像してしまう。

    穂村さんがますますミステリアスな人に思えてきた。

  • ほむらさんのエッセイを読むと、この人は恋愛対象として、あるいは結婚相手としてどうなのかということを結構真剣に考えてしまいます。
    選挙に行ったことがないということを知り、そういう人はわたしはやっぱり無理だなと、意味もない(しかも若干上から目線の)再確認をしてしまったりしましたが、そんなことをリアルに考えてしまう時点ですでに彼の術中にはまっているのかもしれません。

  • 世界音痴・・・
    よく言ったものだなあ。くすくす笑いながら読める。

    「世界」と「自己」の認識のズレから発生するぎこちなさって、確か自分にもあったはず。というか、今もある。
    この話は、他人事ではなく自分のことでもある。

    それを、大人になるにつれ、経験が増すにつれ、
    私は、誤魔化したり、やり過ごしたり、とりつくろう方法を身に着けてしまった。
    そして、自分は大きな恥はかかないと、大丈夫だと、根拠のない自信のようなものを身に着けてしまった。
    でも、本当にそうだろうか。
    世界と自己との違い、ズレについて、見ないふりをしているだけのような気がしている。
    と同時に、何か大きな、大切なもの…感性や感受性といったものを失ってしまったような気がする。

    穂村さんのような歌人というのは、
    それらを大人になっても抱え続けることのできる人たち、抱える方法を極めた人たちなんだなと強く思う。

  • ちょっとズレてる、みたいなところの面白さ。
    これを日経新聞で連載していたというのがすごい。

  • 読み始め…16.6.3
    読み終わり…16.6.14

    穂村弘さんのエッセイはじめて読んでみました。

    胸にどくん...とくる、このほろ苦さはなんなんだ。あれ....同じだ。。自分とまるで同じじゃないか....涙が一粒ぽろっとこぼれ落ちた。

    読んだ多くの人が、私も自分もと穂村さんに共感する世界音痴。私だけじゃなかったんだね世界音痴。

    みんな世界音痴なんだなぁ...。

    あ。でもでも
    ベッドで菓子パンは食べませんけれど。
    チョコレート・バーも加えません...(笑)

    P192~の「あとがき」よかったです。

  •  周りとどこかが微妙にずれている穂村さんの、まさに世界音痴な部分を集めたエッセイ集。でも分からなくもない、むしろ共感できる部分もあった。「自由さ」の中にある自然なルールが分からないこと、面白い映画(私の場合は本)であればあるほど、面白いそれを見終わった後の自分に早くなりたいと思う気持ち、自分可愛さが捨てられないこと。穂村さんの文章は不思議で掴み所がないけれど、物事の本質をついていたり、多くの人が心の奥に持っているものをついていたりしていて、クスッと笑えると同時にドキッともして大好き。

  • ボクは世界にチューニングができていない…

    そんなつぶやきが聞こえてきそうな本です。

    自分という人間を可愛がるだけ可愛がって生きてきた男の末路とでも言いましょうか…( ̄▽ ̄)

    魂の抜けた笑い声が漏れます。
    ア・ハ・ハ・ハ……

  • 穂村弘のちょっと古いエッセイ集。

    自分と対象との絶妙な距離感、ナルシシズムの極みは、すでにこの頃からイッちゃってる。

    基本的に短歌を生業にしているらしいが、この人だったら、純文学作品でも創作できると思うのに。
    逆なんでしょうね短歌と小説とでは。頭の使い方というかベクトルが。
    短歌はおそらく短い言葉のつながりで世界観を凝縮させる作業で、小説などの長編は言葉を拡散させて世界観を構築する。

    書いてて意味わかんなくなってきたけど、まあそういうことです。

  • この本を買う前に、角田光代さんと穂村弘さんの『異性』を買った。
    著者はどちらも知ってはいたが、しっかり読むのは初めて。穂村弘さんに興味がわいて、この『世界音痴』を買ってみた。

    まず、タイトルがいいではないか!
    「世界」は、「自己」と対峙する概念だと思う。
    いや、「世界」という切り口で、自分と外界を区別しているのかもしれない。
    自分の世界、外の世界。タイトルの世界はもちろん「外の世界」だ。

    穂村さんは飲み会で自然と会話に入っていけなかったり、座る席が確定している指定席に安心したり、回転すし屋で思うように頼めなかったりする。

    だけど、決して内向的なだけの人ではないのだ。自分の世界にいながら、外の世界がすごく気になる。だから、こういう本が書けるのだと思う。
    そして、その感覚に、「あぁ、そうそう」と思えるから、この人の書く文章に惹かれるのだろう。

    黄昏のレモン明るくころがりてわれを容れざる世界をおもふ (井辻朱美)

    タイトル「世界音痴」のエッセイに添えた一句だ。

  • 回転寿司を前に一人宇宙を垣間見え、味噌汁の熱さを必ず指摘する母に混乱をきたし、カップルだらけの渋谷のクリスマスに耐えるべく自分の貯金額に想いを馳せる。

    なんだこの大人は。人として大丈夫?…と怪訝な気持ちになりつつも目が離せない。とてもじゃないけど放っておけない。そんな気持ちにさせるのは、読めば読むほど感じ取れる「他人事じゃないぞ」と思わせる人間臭さと、人を惹きつけてやまない穂村さんの文才と、何より人柄でしょうか。
    キング・オブ・ザ「末期的日本人」。でも愛せます。

  • 「あぁ、こんなところに自分がいた」と思える本 思えない人もいるだろうけど、私にとっては「よくぞ書いて下さった」という感じ 珠玉の駄目駄目エピソードが時にユーモラスに時に幻想的に、時に軽快に時にまったりと綴られている

  • 老夫婦に感じる眩しさが痛いほどわかる。
    さらにひどいことに、私は歌人でも課長代理でもない。
    あぁ。

  • 途中で読了。好みの問題。

  • 現実入門で大好きになったほむほむ。
    相変わらずのダメっぷりに愛おしさ爆発!
    こう言うダメな人に弱いんだな。
    思考が中学生みたい。
    こんな人いないよ! とも、ああ職場のあの人みたいとも思う不思議。
    もしかして典型的な日本人なのかな。

  • だんだん、フィクションとノンフィクションの
    境界がはっきりしてきた
    ノンフィクションだと思いたかったなあ
    新しい本から古い方に読んでるから
    刊行順に読んでる人は違和感ないのかも

  • 穂村さんの初期のエッセイ。
    世界音痴というタイトルがぴったり。何回も吹き出す楽しさ。身近なくだらないことばかり。そのくだらなさが面白い。

  • 最高!生きにくい世界が色づいて見える。言葉選びが妙!

  • 想像力のある人は普段ロクでもない妄想ばっかりやってるんだな(笑)でもそこから新しいものが生まれる。

  • 「飲み会の席では大抵両サイドにひとがいる。右側のひとと話をしていると、左のひとが気になってしかたがない。左側のひとと話をしているときはその逆である。」
    「朝の陽にまみれてみえなくなりそうなおまえを足で起こす日曜」
    「醒めているのではない。飲み会の『自由さ』に緊張しているのだ」
    「自分は、人間の一生において普通の人が経験することの多くを未経験のまま年をとっているのではないか」
    「去年のクリスマスにひとりで渋谷の町を歩いたとき、道ゆく恋人が交わす親密な眼差しや微笑みの横を擦り抜けながら、私は自分の貯金額のことを思い浮かべて孤独に耐えた」

  • いとおしいおじさん

  • 思春期の自意識保ったまま歳をとって、運がいいとこうなる。うらやましいとは思わないけれど、ありえた自分の姿の一つと思う。こういう生き方もあったのだ。それを選ばなかったのは自分で、そのことに向き合う。

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世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)の作品紹介

末期的日本国に生きる歌人、穂村弘。雪道で転びそうになった彼女の手を放してしまい、夜中にベッドの中で菓子パンやチョコレートバーをむさぼり食い、ネットで昔の恋人の名前を検索し、飲み会や社員旅行で緊張しつつ、青汁とサプリメントと自己啓発本で「素敵な人」を目指す日々。爆笑そして落涙の告白的エッセイ。

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